奉還町ファジアーノ通信

 こんにちは。岡山大学公認岡山プロスポーツ文化まちづくりサークルSCoPです。

 今回、初めての試みとしてnoteを使った企画をやってみようと思います。
 当団体は数年に渡って「奉還町ファジアーノ通信」という試合の寸評のようなものを毎試合終了ごとに投稿していました。しかし、今季からは月1回の定期企画としてリニューアル致します。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回のテーマは『今さら!?ファジアーノ岡山 新戦力通信簿』です。
 昨季はシーズン序盤から苦しみ、10位という結果になったファジですが、今季は4節終了時点で3勝1分の首位。その大きな要因となった新戦力たちを様々な観点から深掘りしていきます。

〈新戦力について〉
49. ブローダーセン 選手
 まずは新守護神、ブローダーセン選手。昨季までゴールマウスを守り続けた堀田選手を押し退けてスタメンを勝ち取ったことには大きな驚きがありました。彼の特徴は長い手足を活かしたシュートストップと安定したハイボール処理。開幕3試合で被枠内シュートはわずか4本とセーブ機会は多くありませんでしたが、難しい試合となった第4節藤枝戦では好守を連発。加えて、常に安定したハイボール処理でゴール前に落ち着きをもたらしました。彼が語学力に長けていることは知っていましたが、やはりコーチングも重要なGKを外国籍選手が務めることには不安もありました。しかし、開幕戦から藤田選手に対して「イブ!イブ!イブ、ミギ(右)!」と指示を出しており、最終ラインとのコミュニケーションが問題ないことを示しました。
4. 阿部海大 選手
 秋田からローンバックで加わった阿部選手はかつてとは見違えるほどの安定感を手に入れて戻って来ました。3バックの右として試合すべてで先発出場し、わずか1失点の堅守を支えています。ただボールを跳ね返すだけでなく、ビルドアップの中心にもなれるのが大きな魅力。柳(貴)選手や藤田選手と三角形を作り、時には藤田選手を立ち位置を入れ替えながら、WBの選手へのパスコースを作るなどチームの流動的なビルドアップを支えています。また、自身も鋭い縦パスでボールの出所になるなど、チームに欠かせない選手の1人になっています。
18. 田上大地 選手
 田上選手は既にチームの大黒柱になりつつある選手。身長は180cmとCBとして非常に大きいわけではありませんが、持ち前のクレバーさと抜群の落ち着きで岡山の最終ラインに鎮座しています。相手のロングボールを跳ね返すどころか、完璧にボールを収めて攻撃を即時展開させられるスキルはまさにファジが求めていた能力そのもの。ボール保持時に、ファーストプッレッシャーと正対した上で、ボールをさらしながら常に複数の選択肢を持ち続ける彼のビルドアップは、岡山の縦に速い攻撃の重要なピースとなっています。
88. 柳貴博 選手
 仙台時代に木山監督の教えを乞うた愛弟子は、J 3の琉球を経て岡山へとやってきました。その魅力は184cmの身長とフィジカル。右からのビルドアップでは、ハーフレーンに入りながら、右サイドの連携の潤滑剤として活躍しています。開幕戦では、田部井選手のスルーパスから右サイドで抜け出し、グレイソン選手のゴールをお膳立てしました。時には、ゴール前にも顔を出すなど、素晴らしい運動量にも注目が集まりますが、後半の中盤から終盤にかけて少しずつ集中力が削がれていくのが玉に瑕。それでもスケールの大きさはJ 1レベルの選手が、右サイドで躍動し、岡山の昇格に貢献する日は遠くないかも知れません。
24. 藤田息吹 選手
 藤田選手も愛媛時代に木山監督の元で活躍した選手の1人。2年前、昇格プレーオフで岡山を敗退に追いやった際には、山形の絶対的主力だった選手です。今季からはダブルボランチの一角として、抜群のバランス感覚を活かしてチームの舵取りを担っています。3トップからのプレッシングの際、ファーストプレッシャーラインの裏を田部井選手がカバーに入るため、ワンボランチのように振る舞うこともありますが、チームの重心を常に調整。今季フルタイム出場中の名バイプレイヤーは4試合でわずか1失点のチームを支えています。
19. 岩渕弘人 選手
 岩渕選手は第2節いわき戦で早速の古巣対戦。気合い十分のパフォーマンスを見せてくれました。攻撃面では、左サイドに流れてくるグレイソン選手や末吉選手等と常に三角形を作りながら、縦に速い攻撃を牽引しており、さらに守備面でも2度追い、3度追いで相手のビルドアップを妨害し続けます。そんな中で、岩渕選手のクレバーさが垣間見えたのが、前述の第2節いわき戦でした。岩渕選手はグレイソン選手に大きなジェスチャーでプレス指示を出し、3トップのプレッシングをコントロール。しかし、2ボランチとの間延びしたスペースを使われだすと、プレス指示を自重し、ライン間のスペースを意識したコンパクトなプレッシングへと切り替え、傾きかけた試合の流れを引き戻しました。
9. グレイソン 選手
 韓国2部クラブからの加入とあって、その実力は全くの未知数。トレーニングマッチで見せた力に多くのサポーターが色めき立ちましたが、それでも懐疑論があったのは事実でした。しかし、それを開幕戦で完璧に払拭。期待通りどころか、期待を遥かに上回る選手でした。厳つい見た目からは想像し難いしなやかなボールタッチと献身性で今季のファジの特徴である手数をかけないバーティカルな攻撃の中心となっています。4試合でスタッツは1G1Aの好成績を残していますが、このスタッツも少なく感じるほど、加入4試合で彼はチームにおいて重要な立場にいます。
29. 齋藤恵太 選手
 昨年のCスタで岡山の最終ラインをぶっちぎって、ゴールを決めたことも記憶に新しい韋駄天は、今季から岡山のスピードスターに。今季の出場は開幕戦の15分にとどまっていますが、持ち前のスピードと馬力でチーム内で立場を築き上げることが期待されます。

〈まとめ〉
 長くなりましたが、『今さら!?ファジアーノ岡山 新戦力通信簿』いかがだったでしょうか。始めにも書きましたが、今季からは「奉還町ファジアーノ通信」をこのような文章を月1回の定期投稿をしようと思っております。
 最後までお読みいただきありがとうございました。これからもSCoPをお願い致します。

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