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W杯全出場国紹介 GROUP F

ベルギー ~BELGIUM~

前回大会で3位と躍進を果たしたベルギー代表はFIFAランキングでは2位と、 優勝候補に数えられるチームの一つ。

ロシアワールドカップで活躍したメン バーのほとんどが健在でかつてベルギーが国を挙げて育成に力を入れて生ま れた黄金世代は今大会でもチームの中心になると思われる。

ともに31歳のケ ヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)、エデン・アザール(レア ル・マドリ―)を中心とした攻撃陣のタレントが最強の鉾としてチームを引っ 張る。

しかし、彼らもこの4年間で年を取り、かつて世界最高のWGといわれ たエデン・アザール(レアル・マドリ―)は所属クラブではここ数年にわたって、 本領は全く発揮できず。
試合勘が残っているか不安が残る。4年の歳月はどれ ほどの残酷性をもってベルギー代表を襲うのだろうか。

現在はFIFAランクで2位となっているが、最近まで3年半 にもわたってFIFAランクで首位を維持していた。今大会は30歳前後になって いる黄金世代の最後のワールドカップになると思われる。
FIFAランク通りの実力を見せ、黄金世代の最後にふさわしい結果が残せるのだろうか。

注目選手 ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスターシティ)

現在、攻撃的なミッドフィールダーでは世界最高峰の選手。ドリブル、パス、 シュート、とすべてにおいて異次元のパフォーマンス でチームをけん引し、彼のプレーはもはや藝術の域に達している。

その中で も異次元なのはプレービジョンで、彼以外には見えないようなパスコースを 探し当て、最適なパスを送るプレーはそのワンプレーで試合を変える。ピッ チ外では静かな生活を送り、近しい友人からは、その乾いたユーモアから 「乾燥機」と呼ばれるが、ピッチ上では闘志を燃やす彼は今シーズンもリー グ14試合で3ゴール10アシストと素晴らしいスタッツを残しており、ワールド カップでも最高のプレーを見せてくれるはずだ。

カナダ ~CANADA~

実に36年ぶりのワールドカップ出場となるカナダ代表。
ワールドカップ常連 のアメリカ、メキシコを差し置いて、北中米カリブ海予選を首位で突破した。
また、直前に行られた日本との親善試合では2-1で日本を破った。

そのカナダを率いる指揮官のジョン・ ハードマンは異色の経歴を持つ。2006年から2011年までニュージーランド女 子代表監督、2011年から2018年まではカナダ女子代表監督を務め、ロンドン 五輪とリオ五輪で銅メダルを獲得した。その実績が買われて2011年からカナ ダ男子代表の監督に就任。男女両方でチームをワールドカップに導いた初の 監督となった。

そんな指揮官のもと、チームは競争力の高い集団に成長して きた。
北中米カリブ海予選における得点数、失点数はともにトップの数字。
84 才能ある若手選手に加えて経験豊富なベテラン勢もメンバーに名を連ねてお り、バランスのいいチームと言える。

元日本代表戸田和幸に「ナイスチー ム」と言わしめたカナダは今大会どこまでの結果を残すのだろうか。

注目選手 アルフォンソ・デイビス(バイエルン)

ガーナ生まれで5歳の時にカナダに移住した彼は2017年に市民権を獲得し、カ ナダ史上最年少で代表デビューした。

現在所属するバイエルンではすで に4度のリーグ優勝、チャンピオンズリーグでも優勝を経験しているカナダ最高の選手。
クラブでは左サイドバックを主戦場にしているが、攻撃性能の 高さからカナダ代表ではより前のポジションでプレーし、サイドハーフやウ イング、センターフォワードでも起用されることがある。

最大の特徴は爆発的なスピード。
静止した状態から一気に加速して相手DFを置き去りにするプ レーを得意としており、その姿は紅い槍のよう。
さらには左足から放たれる クロスやシュートも一級品。
クオリティーはチームでも抜けており、彼のパ フォーマンスがチームの浮沈を決定づけると言っても過言ではないだろう。


モロッコ ~MOLOCCO~

現在のFIFAランキングではセネガルに次いで、アフリカ勢2番手の22位。
ワールドカップ出場回数は6回を数え、過去最高成績はベスト16となっている。

モロッコ代表は、日本代表の指揮を執ったこともあるハリルホ ジッチ監督を主力との軋轢が原因で8月に解任。
ワールドカップ直前にワリ ド・レグラギ監督への交代に踏み切った。
ひとまず、レグラギ監督下での親 善試合3試合は2勝1分けとポジティブな結果を見せているが、実質的にぶっつ け本番となったこの判断は吉と出るか凶と出るか。

また、アフリカ勢はフィ ジカルに強みを持つチームが少なくないが、スペインにほど近い北アフリカ のモロッコはテクニカルな選手を多く輩出している。

2000年以降生まれが5人も召集されており、大きな 可能性を秘めている。
しかし、欧州へ移住しているモロッコ人の子孫を複数 人代表させており、彼らはモロッコの言語を話せない場合もあるため、コ ミュニケーション面では不安が残る。

前回大会ではスペインに2-2のドロー、 ポルトガルに0-1と善戦したがグループステージ敗退。
今大会では、ベルギー やクロアチアと同居するグループFにあって、ダークホース的な立ち位置と 87 なったモロッコはメキシコ大会以来となるベスト16を目指す。

注目選手 アクラフ・ハキミ(PSG)

スペインの名門レアル・マ ドリーの下部組織出身である彼はスペインで生まれ育ったが、両親の祖国で あるモロッコ国籍を選択した。

レアル・マドリ―でほとんど出場機会を得ら れなかったが、ドルトムントへのレンタル移籍で才能を開花させた。
抜群の テクニックを持つ攻撃的な右SBでその攻撃性能の高さから、ウイングバック やサイドハーフで起用されることもある。

現在はパリ・サンジェルマンの豪 華メンバーの中で主力を張っており、4バック時は右サイドバックで、3バッ ク時は右のウイングバックでプレー。
前線の選手がサイドに張り付くタイプ ではないため、大外の攻撃は彼に託されているといっても過言ではないだろ う。

モロッコでは周囲のクオリティーが下がるため、より個人で違いを作る ことが求められる。欠かせない彼はまさにチームの銀翼。
スピードとスタミ ナを武器に攻守でチームに貢献し、右サイドを制圧することができるだろう か。

クロアチア ~CROATIA~

前回ロシアW杯では準優勝を果たすも、EURO2020ではスペインに敗れて16 強に終わり、さらに直後のUEFAネーションズリーグも成績が奮わなかったク ロアチアは、世代交代に着手した。

それが功を奏したのか、カタールW杯の 欧州予選ではロシア、スロバキア、スロベニアと、決して侮れない国々を抑 えて首位通過。

今季ネーションズリーグではデンマーク、フランス、オース トリアを抑えて準決勝進出を果たしている。
世代交代が着実と進む中でも、 中盤の戦士たちはいまだ健在だ。37歳モドリッチ(レアル・マドリ―)を中心 に、コバチッチ(チェルシー)やブロゾビッチ(インテル)と中盤を支配する。

チームの中心はいぶし銀たち。
試合運びが非常に巧く、経験からく る試合勘は今大会でも生きるだろう。
また、このチームの特徴は全員がスキ ルフルでかつファイターであること。

そして、熱いのは選手たちだけではな くサポーターも同様で、前回大会の躍進でクロアチア国内ではお祭り騒ぎに なった。
今大会で彼らは前回準優勝の意地を見せられるか。

注目選手 ルカ・モドリッチ(レアルマドリー)

前回大会では下馬評の低かったクロアチアを準優勝に導き、大会MVPを受賞。そして、 同年にはバロンドールを受賞した。
メッシとクリスティアーノ・ロナウドが 10年にわたって世界最高の選手の証であるバロンドールを分け合ってきたが、 その時代に風穴をあけたのが彼である。

そんな彼は37歳になった現在でも衰 え知らず。所属するレアル・マドリ―でもハイパフォーマンスを続けている。

類まれなサッカーIQでピッチ上の監督として、中盤を支配する。
天使の名を 冠する彼のプレーはもはや神聖なものである。
4年前の準優勝を超えて、クロ アチアに初めての栄冠を持ち帰ることができるか。

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