W杯全出場国紹介 ~GROUP G~
ブラジル ~BRAZIL~
カナリア軍団の愛称で知られるブラジル代表は、1930年の第1回ワー ルドカップ以降1度も途切れることなく出場を果たしている唯一の国。
最多 5度の優勝を誇り「サッカー王国」の名に恥じない実績を持っている。一番の特徴はそのタレント力。
前線ではエース、ネイマール(PSG)を筆頭に、もはや飽和気味といえるほどの一流選手がそろう。
中盤には、ファビーニョ(リヴァプール)やカゼミーロ(マンチェスター・ユナイ テッド)ら、
守備陣には最終ラインで構えるチアゴ・シウバ(チェルシー)やマルキーニョス (PSG)、守護神としてエデルソン・モラエス (マンチェスター・シティ)とアリソン(リヴァプール)がおり攻守に隙が無い。
今大会ではこのパーフェクトな チームが優勝候補筆頭としてメディアに取り上げられているが、果たしてその前評判通りの実力を発揮し、王国に20年ぶりの優勝トロフィーを持ち帰れ るのだろうか。
注目選手 ネイマール(PSG)
いまや世界で最も名の知られる選 手である彼が攻撃陣の中心となる。
代表通算75得点55アシストを誇り、ペレ が持つブラジル代表通算得点記録「77」まであと2ゴールに迫る。
そんな彼は 主戦場を左WGからトップ下に移し、広いエリアを動いて頻繁にボールを触り ながら攻撃を組み立てるとともにフィニッシュにも絡む王国の得点源。
相性 のいいルーカス・パケタとのコンビネーションも見ものだ。
10年以上、王国の皇子として君臨してきた彼だ が、現在30歳。
今大会を最後にブラジル代表からの引退を示唆するコメント も。
持ち前のテクニックと得点力を武器に、脂が乗ったネイマール が、母国を20年ぶりの栄冠に導くことができるのか、注目が集まる。
セルビア ~SERVIA~
2大会連続13回目の出場となるセルビア。
前回はグループステージ敗退となっ たものの、欧州予選ではポルトガルと同居した難しいグループ を無敗で首位突破。ポルトガルとの最終節では後半アディショナルタイムに 勝ち越し、2-1で勝利を収めた。
そんなチームを率いるのは、2010年には監督として名古屋をJ1優勝に導いた“ピクシー” ことドラガン・ストイコヴィッチ監督。
コーチングスタッフには、監督が名古屋時代から信頼する日本人、喜熨斗勝史(きのしかつひと) が入っている。
前線はタレントが豊富で、ハマった時の爆発力はすさまじい。
最近は守備でも3 バックが安定しており、今大会のダークホースとして期待される。
かつ てユーゴスラビア時代に東欧のブラジルといわれたセルビアは名将のもと、 攻撃力を武器にグループを突破できるか。
注目選手 セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ(ラツィオ)
セリエAで最高のMFの一人。
191㎝という恵まれたフィジカルと豊富な運 動量を生かしたアグレッシブな守備と、要所で光る類まれな攻撃センスによっ て中盤を制圧する。
代表でも主将のタディッチとともに崩しを担当し、チー ムに欠かせないプレイメーカーである。
技術力が高く躍動感があり、空中戦 でも強さを発揮する彼は「完璧な中盤」と評されることもあり、チームががらりと変える。
ゴールパフォーマンスの敬礼は、彼の名前のセルゲイに似てい るセルビア語で「軍曹」を意味する“sergente”から。
軍曹のようにチームのために働き、 チームを鼓舞する彼は、チームをけん引し、セルビア旋風を起こすことがで きるのだろうか。
スイス ~SWITZERLAND~
前回W杯は16強、EURO2020は史上初のベスト8と、安定した成績を残してきたスイス代表。
欧州予選では8試合わずか2失点と鉄壁の守備を武器に、5勝3 分けで、イタリアを抑えて首位突破し、強豪イタリアを予選敗退に追い込ん だ。
そのチームの指揮を執るのは、スイス代表のセンターバックとして活躍 し、同国のクラブチームを率いてきたムラト・ヤキン監督。今季UEFAネー ションズリーグは3連敗スタートも、その後はポルトガル、スペイン、チェコ に3連勝と、調子を上げている。
そんなヤキン監督は通常GKは3枠のところ、4 人の守護神を招集。
CBアカンジ(マンチェスター・シティ)らと彼らが中心と なって、鉄壁の守備を敷くと同時にビルドアップの強度もピカイチとなって いる。
しかし、課題は得点力不足。
前回大会で16強に進出したが、直近4大会で3度ベスト16とベスト8の壁の高さに阻まれている。今回は若いタレントを多数招集し、得点力の向上を狙う。
長年に渡ってチームを支えてきたシャキリ(シカゴ・ファイ ヤー)やジャカ(アーセナル)とともに、最近は格上からも勝ち点が取れるチー ムに仕上がってきている。
今度こそベスト8以上の結果が残せるか。
注目選手 ヤン・ゾマー(ボルシアMG)
183㎝とGKとしては小柄 ながら抜群の反射神経で好セーブを連発するスイスの絶対的守護神。
日本代表DF板倉も所属するボルシアMGでは8月のバイエルン・ミュンヘン戦で19本 のセーブをし、敵地でのドローに貢献した。
最近では、ドイツの名門ドルトムントの若き守護神コーベルも台頭してきたが、スイス代表の背番号1の座は 譲らなかった。
そんなゾマーは10月中旬に足首を負傷。本選出場が一時危ぶ まれたが、本選では万全の状態で自身3度目のワールドカップに挑む。スイスの最後の砦として、難攻不落の城壁である彼のビッグセーブを期待せずにはいられない。
カメルーン ~CAMEROON~
1990年のイタリアW杯ではベスト8に進出し“不屈のライオン”と呼ばれたカメルーン代表。
しかしその後は 低迷。今回は2大会ぶり8回目の出場となる。
エムボマやエトーなどの国際的な大スターは不在で、国内で は「史上最も小粒なチーム」といわれているが、センターラインに世界で活 躍する選手たちがそろう。
GKはアンドレ・オナナ(インテル)、MFには激しい守備と展開力で昨季から所属 するナポリを攻守両面で支えるザ ンボ・アンギサ。
FWにはシュポ=モティング(バイエルン・ミュンヘン)やト コ=エカンビ(リヨン)ら能力の高い選手が多い。
そんなチームをまとめているのは、W杯4 大会出場の“カリスマ”、同国のレジェンドであるリゴベール・ソング監督。
今年2月に就任し、短 期間でチームをまとめ上げた彼は現役時代同様に強いリーダーシップを発揮 して、オーソドックスながら組織的な守備を構築。
手数を掛けない素早い攻撃は相手にとって脅威となる。
現在、出場した5大会連続でグループステージ敗退となっているカメルーン代表だが、今大会ではベスト16に名を連ねることができるだろうか。
注目選手 エリック・マキシム・シュポ=モティング(バイエルン・ミュンヘン)
ドイツ出身でユース年代のドイツ代表としてプレーするも、 2010年にカメルーン代表を選択。
191センチと恵 まれたフィジカルを生かし、抜群のキープ力を誇る彼はスペースを作る動き で味方を活かすのが巧く、協調性のあるリーダーとしても存在感を放ってい る。
一度点を取り出したら手を付けられないほどの爆発力を持つ彼は、母国を ベスト16に導けるか。
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