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<日韓協力作ゆえにどうしても物足りない>映画「ベイビー・ブローカー」

<良くも悪くも"日韓ハイブリッド">

「万引き家族」や「そして父になる」の是枝監督”印”の作品として見れば、しっとりしていてアリかもしれない。ただし、なんでもバイオレンスあり、アクションありで観客を遠くに連れて行く「韓国サスペンス映画」として見ると物足りないかも。でもオール韓国人俳優・韓国ロケ・韓国人撮影監督なので、どうしても後者の「味」を体が期待してしまうので、消化不良でモヤモヤ。

ロードムービー的でありながらけっこう立ち止まってお話が停滞しているし、追う側の警察とヤクザってのも最後ゴチャゴチャしていた。追っているのが刑事課じゃなくて福祉課?っていう、面白さもほぼなかった。産みの親が赤ん坊を売るのについてきているという異質な状況もイマイチ生かせていないようだった。過去作に比べて、一層「わかりやすいエモーション」を拒絶したような大人な作りなので仕方ないのかなぁ。

悪く言えば「韓国映画ってこんな感じだよね?」っていうのを日本人が浅くなぞってる感じがして失礼な感じがした。つまり、是枝印の邦画でも、韓国映画でもないマイルドな感じになってしまっていて中途半端だ。

「捨てられた子どもは生まれてきた意味があったのか」というテーマの前に、この辺の下手さがノイズでテーマが入って来なかった。

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