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中道を歩む。

 人生を語るほどの人生は歩んでいないけれど、山あり谷あり、成功もあるけれど、失敗が圧倒的に多い道を歩んできた僕にとって、いつも意識していることがある。

それは、人は「中道」を歩むべきという仏陀の教えだ。

美術に携わるものとして、よく思うのだが、黒でも白でも赤でも黄色でもない、割り切れない色は、とても味がある。そして個性もある。もちろん、原色のような個性ではないけれど、なんというか、複雑で味わい深いものがある。自然に存在する色の多くは、「割り切れない色」だ。それは、なんらかの必然によって、そこにある「あるべき色」。逆に、あるべき場所にない色で、身を守る、対抗色の派手な色の動物や昆虫もいる。だが、そういう動物や昆虫は、得てして、珍しい。毒を持つことも少なくない。曖昧な色、と言ってしまうとイメージが悪いのかもしれない。でも、何色、って名前を言い難い色の生き物の方が多い。「存在したり、生きていくために、必然性を追ってできた色」というのが、僕にはとても興味深く感じる。

 音もそうだ。JAZZのコードは、実に曖昧な音を理論づけて、組み合わせていく。でも、とても深みがあって、聴くものを引きつける。リズムも、体に心地のいいリズムと電子音のリズムは違う。黒人のビートは、きっちり四分音符や16部音符では割り切れないものが多い。割り切れないが故に、多くのものとマッチしたり、多くの新たなコンビネーションが生まれる。

 話が逸れてきたけれど、いろんな要素を含んだもの、多様性のバランスをとるものこそが「中道」だと思うのだ。世の中、白か黒か、様々な情報が溢れる中、誰の言葉を聞いて良いか、わからなくなることは多い。そんな時、もっとも取るべき道は、ものすごく右の話でもなく、ものすごく左の話でもない、「真ん中」に位置する道で、それこそが人の歩くべき道である、と、仏陀は説いたのである。
 そして、その道を取ることは、右に寄りすぎの話も、左に寄りすぎの話も、内包してバランスをとることに他ならない。中道を歩む姿勢こそが、時代の舵をとるべきと思っている。そして、その考え方は、日本人にとって、とても受け入れやすい考えだとも思う。

新型コロナで、様々な論争が起こるけれど、日本人が意識して歩むべきは「中道」。

仏陀の教えは今もきっと人類に未来を与えてくれていると信じている。

さて、今日も一冊ご紹介。
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筆者の方の記事
「ムリをしすぎない「中道」が、幸せに生きるための「王道」」
日々のトラブルを乗り越える方法1

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