ヨーロッパ文化教養講座(フィガロの結婚シナリオ読破プロジェクト7)

2022/11/08 第1幕第6景 SCENA VI

ケルビーノとスザンナがいる部屋からケルビーノが出ていこうとして、
遠くにこちらへやって来る伯爵の姿を見つけて、あわてて戻ってくる。

Recitativo レチタティーヴォ
長いので、要約する。
1.ケルビーノは、とっさに、椅子の後ろに移動して隠れる。
椅子の後ろ:ケルビーノ 部屋:伯爵とスザンナ

2.伯爵は、スザンナにフィガロをロンドンへ派遣することを告げ、(初夜)権利の行使をのもちかける。

3.バジリオが伯爵を探して部屋に入ってくるので、伯爵は椅子の後ろへ隠れようとし、ケルビーノは、椅子に座り、スザンナは部屋着でケルビーノを覆う。

#椅子の後ろ:伯爵 椅子の上:ケルビーノ+部屋着でカバー
#部屋:バジリオとスザンナ

SCENA VI 第7景
Recitativo レチタティーヴォの続き
4.バジリオがスザンナに、伯爵のスザンナへの思いを告げる。
スザンナは怒るが、バジリオは、女性はみんな金持ちの伯爵を愛人として持ちたいはずだと言う。
バジリオは、ケルビーノの第6曲アリアを聴いていて、これは、スザンナへの思いか、それとも、伯爵夫人への思いかという。
さらに、ケルビーノが食卓で伯爵夫人を見つめているのを、伯爵に気づかれたら、獣のような伯爵がどんなことするか、わからないと言う。

#椅子の後ろ:伯爵 椅子の上:ケルビーノ+部屋着でカバー
#部屋:バジリオとスザンナ

5.バジリオの話を聞いて怒った伯爵が椅子の後ろから出てくる。

#椅子の後ろ:無人 椅子の上:ケルビーノ+部屋着でカバー
#部屋:伯爵、バジリオとスザンナ

No.7 Terzetto 第7曲 小三重唱

伯爵:
Cosa sento! tosto andate,
E scacciate il seduttor.
->Cosa sento! Andate tosto, e scacciate il seduttore.
何という話を私は聞いたのだ。直ぐに、行って、あの女たらし(ケルビーノ)を追い出しなさい。

バジリオ:
In mal punto son qui giunto,  son->sono
Perdonate, oh mio signor. signor->signore
間の悪いときに、私は此処に着いた。許してください。私のご主人。

スザンナ:
Che ruina, me meschina! 
(quasi svenuta)
Son oppressa dal dolor. -> Sono oppressa dal dolore.
->Che rovina meschina a me! 何と惨めな破滅が私に訪れる。
(気絶しかけて)私は、苦痛で苦しむ。

バジリオと伯爵:
(sostenendo Susanna)
Ah gia' svien la poverina! ->Ah la poverina gia' sviene!
Come oddio! le batte il cor! -> Come oddio! Il core le batte!
(スザンナを支えながら)
ああ、可哀想な娘は既に、気絶している。
なんと、困った。 心臓が(スザンナの?)ドキドキしている。

バジリオ:
Pian pianin su questo seggio. ->Piano piano su questo seggio.
(Approssimandosi al sedile in atto di farla sedere)
静かに静かに、この椅子の上へ
(彼女を座らせようとして、椅子へ近づきながら)

スザンナ:
(Rinviene.) 
Dove sono? Cosa veggio?
(staccandosi da tutti due)
Che insolenza, andate fuor.  fuor->fuori
(意識を取り戻す)
私はどこにいる? 私は何を見る。
(二人のどちらからも離れながら)
なんという侮辱。出て行ってください。

伯爵:
Siamo qui per aiutarti,
Non turbarti, oh mio tesor.  tesor -> tesoro.
私たちは君を助けるためにここにいる。
動揺しないで、ああ、私の宝物。

バジリオ:
(con malignita')
Siamo qui per aiutarvi,
E' sicuro il vostro onor. onor -> onore
(al Conte)
Ah del paggio quel che ho detto -> Ah quello che ho detto del paggio
Era solo un mio sospetto.
(意地悪く)
私たちは、貴女を助けるためにここにいます。
あなたの貞節は確かです。
(伯爵に向かって)
ああ、小姓について、私が言ったことは、単なる私の推測にすぎません。

スザンナ:
E' un'insidia, una perfidia,
Non credete all'impostor. impostor -> impostore
それは、罠です、悪意です。
ペテン師のことを信じないでください。

その8へ続く
現在の位置関係:
#椅子の上:ケルビーノ+部屋着でカバー
#椅子の近くに、スザンナとバジリオ、伯爵

感想:
ここの場面は、椅子が置いていないと話が進まない。
椅子を中心にして、位置関係が複雑に変わり、
しかも歌いながらなので、難しい場面だと思う。








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