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ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」S1 E1-2)

2022/10/23
NHKの海外ドラマ、「DOCあすへのカルテ」が面白い。
イタリアの大ヒットドラマということで、音声をイタリア語、字幕を日本語で見ている。

実話に基づいた話ということだが、本当に、12年間の記憶だけ欠落するということがあるだろうか。

主人公は、ミラノの総合病院の内科医長アンドレア・ファンティ(Luca Argentero 演)、医師としての能力は凄いが、人間性に問題があるらしく、周りからは煙たがれているようだ。
同僚のジュリア・ジョルダーノ(Matilde Gioli演)と最近付き合い始めたようだ。
病院の院長は、アンドレア・ファンティの元妻アニェーゼ・ティベリ(Sara Lazzaro演)。娘のカロリーナ・ティベリ(Beatrice Granno'演)は、医大生。

医療ミス(アンドレア・ファンティの同僚、マルコ・サルドーニ(Rafaelle Esposito演)の過失)で死なせた患者の父親に、アンドレアは、ピストルで打たれ、脳の一部を損傷し、12年間の記憶を喪失する。

この12年間の間に、息子を失い、妻と離婚しということが解るが、息子の死因はまだ明らかにされていない。

ピストルで撃たれて意識を取り戻したときは、12年前までの記憶しかないので、アンドレア・ファンティの頭の中では、まだ、妻と愛し合っており、可愛い息子と娘もいる幸せな家庭を築いている。自分以外の人は、この12年間に自分に何があったのかをよく知っているが、自分はわからない。

リハビリのために、親友の精神科医エンリコ・サンドリ(Giovannni Scifoni演)の指示の元、恋人(今のアンドレアの頭の中では単なる助手)のジュリア・ジョルダーノが担当医となる。

そのとき、ジュリアが、アンドレアに、「あなたのアシスタントだった」というセリフがある。耳を澄まして良く聞くと、tua assistente と言ったところ、アンドレアが、助手なら、del tu ではないはずだが、よっぽど、君を買っていたのかと、言い放つ。 sua assistente というべきだということだ。

日本語字幕では、「敬語を使うべきだ」という訳になっていた。厳密に言うと、イタリア語では、相手との距離感を使い分けるのだが、どうしても、敬語という訳になってしまうのは文化の違いで仕方がないと思った。

第二話の最後で、アンドレアが「勉強をし直して医師に戻りたい。協力してくれ」とジュリアに言う。当然ジュリアは、喜ぶがその後、アンドレアが、「そうすれば、妻 アニェーゼと復縁できる」と言う。そのときの、ジュリアの悲しい顔に胸を打たれた。


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