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核酸塩基ペアネックレス・イヤーアクセの話

わたしは生命科学が死ぬほど苦手で,未だにセントラルドグマもまともに言えないし,教養学部のときの生命科学は56可(うちの大学は50で合格だが,他の大学だったら落単している)だったくらいなので,生命科学モチーフを作るときは半分死にそうになりながら作っている.生命科学のなかでも化学寄りのところはまだチョトワカルのだが,ミトコンドリアやミジンコを作ったときはデフォルメするにも何を省いてよいのか,これをこうしてよいのか...などと頭を抱えていた.ver2に引き継ぐにあたってver1から引き継いできたほぼ唯一の(ほぼじゃなくてほんとうに唯一のじゃないかな)生命科学モチーフが核酸塩基のシリーズで,まだ化学寄りなのでチョトワカル.でもわかるかというとわからん.

核酸のひとつとして有名なのがDNA(デオキシリボ核酸)で,DNAは核酸塩基とリン酸とデオキシリボースから構成されている.DNAを構成する核酸には4種類あり,プリン塩基であるアデニン(A)・グアニン(G)とピリミジン塩基であるチミン(T)・シトシン(C)ににより形作られる.このうちAとTは2本の水素結合で,GとCは3本の水素結合で結びつきあってペアを形成しており,向かい合って並んで有名な二重螺旋構造を形成する.核酸塩基にはほかにウラシル(U)があり,UはRNA(リボ核酸)中にTのかわりに存在する.

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それでアデニン+チミン,グアニン+シトシンのペアネックレスが生まれたわけだが,むかしver1.0を委託していたヴィレヴァンオンラインさんが考えてくれた「気になるあの子と水素結合」というコピーがすごく気に入っていて,今でも勝手に使わせていただいている.ペア感ないのがいいですね,とよく言われるので,ペアペアしいネックレスは気が引けるというカップルの方に人気です.それに水素結合めっちゃ強いしね...(分子間力の中では)

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トップにもさっきの画像にもA+Tを載せちゃったけど,G+Cももちろんあります.こっちは水素結合3本なのでより人気かなと思っていたら,意外にもA+Tのほうが人気なんだよね.色はシルバーが圧倒的に人気で,ブラックがまあまあで,ゴールドは全然と言っていいほど出ない.ここまでカラー間に差があるモチーフも珍しい.

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これがver1.0のときのA+Tのペアネックレス!撮影技術の問題でマットゴールドがほぼシルバーみたいに写ってしまっているが,ちゃんとゴールドしてます.このときは合金(メッキ)だったので汗とかで錆びやすかったんだよね...下の写真はver1.0のG+Cのペアネックレスです.

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ver1.0を作っていたとき,はじめ核酸塩基のシリーズはペアネックレスだけだったのだけれど,「一緒に着ける相手がいない!」という声を多数いただき,わたしもその気持ちがめちゃくちゃわかるので(...),1人でもDNAの一部になれるイヤーアクセサリーを作り始めた.ペアネックレスの作品ページには「恋人同士,またはお友達同士で」とカップル間に限らない着け方を提案しているのだが,まあわたしも友達いないし,1人で着けられるイヤーアクセサリーは気軽でいいかなと思った次第.

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これがver1.0のA+Tのピアス.さっきと同じパーツを使っているはずなのに金色がめちゃくちゃ濃いね....もちイヤリング変更もできました.

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こちらはG+Cのピアス.核酸塩基のシリーズ,デザフェスとかのイベントだとわかる人は「ウワー!!!アデニンチミン!!!グアニンシトシン!!!しかもペアになってるwwww!!!」って大騒ぎしてくれるんだけど,わからない人(大半)は完全にスルーしていく(笑)ので総じてあまり売れない.説明すると「なるほど〜」って言って買ってくれる人もいるけど,委託先(実店舗)だとそこまで説明する人がいないのでほぼ売れないですね...かなしみの生命科学...

それで,新しくなったA+T, G+Cのイヤーアクセサリーがこちら.

PN-D-1のコピー

PN-D-2のコピー

ブラックカラーが仲間入りして,二重結合を再現しました.ver2.0を作るにあたって決めたのは,「二重結合をすべて再現すること」「水素をすべて除去すること」で,これでかなり統一性がとれてきた.ver1.0に比べると結構軽くもなったので,長時間着けていて耳が痛いということも少なくなったのではないかと思う.こちらもイヤリング変更可能で,金属アレルギー対応も可能です.

ところでわたしは核酸塩基シリーズを作る前はまったくAとかTとかGとかCとかどんな構造式をしているのかすら知らなかったのだが,これを作っていて超絶得したことがある.院試で「次の構造式のうちからA, T, G, Cを選び,水素結合がわかるようにペアにして描け」という問題が出たのだ.院試で自信を持って回答した問題はこれ以外にない.合格したときはハンドメイドやっててよかった〜〜!!!となった.なおわたしの専攻は物質系専攻(材料化学とかに近い)ので,A, T, G, Cの構造がわからなくて当然の専攻である.生命科学専攻とかだったらこれらが描けなかったら院試自体受けに来るなって言われそうだけど...

ここまで写真貼ってきてどっちがどっちかっていう画像1枚も貼ってないですね,すみません.貼ります.

DN-1-3のコピー

DN-2-3のコピー

ネックレス1本が通常2200円のところこのペアネックレスはネックレス2本セットで3300円でとってもオトク!よくPinkoiで(なぜかPinkoiで,特に台湾からの注文でペアネックレスがよく売れる)「この価格は2本セットの価格ですか?」と問い合わせを受けるのだが,2本セットで3300円です.1本あたりなんと1650円!いますぐポチろう!(※現実:相手がいない)

委託先には基本的に置いていないので,minne/booth/Pinkoiの自家通販から買えます.気になる方は下のリンクから.

corvusのいろいろ↓
lit.link/scientia

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