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【物理小咄】ついに実現!?室温での超電導実現可能性

こんにちは。Science Tutorialです。

本日は超電導のお話です。解説をする前に、一つの記事を読んでいただきたいのです。
それがこちら。
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/105035?utm_source=Twitter&utm_medium=Social&utm_campaign=NatureJapan#.X4f1sElRKL8.twitter

超電導とは

基本的に世界のどんなものにも電気抵抗があります。もちろん導線に使われている金属でも抵抗は完全に0ではありません。そして抵抗は材料の温度が高ければ高いほど抵抗は高くなります。分子の振動が激しくなるためです。ですから金属の抵抗を下げようと思ったときはできるだけ冷やさなくてはなりません。物理学的には絶対ゼロ度(0K)での抵抗値をその物体にまだ残っている抵抗という意味で「残留抵抗」といいます。この残留抵抗が完全にゼロになることを超電導といいます。

マイスナー効果

超電導物質にはマイスナー効果という性質があります。簡単にいうと、磁場がない状態で物質を超電導状態にした後、外から磁場をかけても磁場が超電導内部に侵入していくことはないということです。完全反磁性ともいいます。もう少し詳しく言うと超伝導体表面に流れている(これは磁場などは関係なく常に流れていて遮蔽電流という)電流が起こした磁場と外部から与えられた磁場が相殺してしまうことで内部の磁場が0になっているということです。この性質により、超電導を用いてリニアモーターカーなどを動かすことができるようになります

最近の研究

超電導は絶対ゼロ度(-273℃)で起こる現象とされていましたが、物質を改良することで超電導の起こる温度を少しずつでもあげようという研究が盛んに行われています。そしてその甲斐もあり少しずつ超電導がより高い温度での実現が可能になっています。そして今回、最初に明示した記事によると特定の条件下ではありますが、15℃で超電導が実現したという主張があります。これは大変素晴らしい進歩です。


温度が上がるとどううれしいのか?

ではなぜ温度を上げる研究が盛んになっているのか、ご存知でしょうか?


すこし小問のようになっていますが、これも考えてみましょう。
ちなみに、そのほうがかんたんに使えるからというのもあるのですが、もう少し物理や化学的にそのほうが良い理由を考えてみましょう。





答え:マイナス数百℃の状況下を作り出すには液体窒素や液体ヘリウムの存在が不可欠です。しかしこれら常温では気体の物質です。かなりの圧力で密閉し断熱した上で閉じ込めて、これらの液体の沸点を下回った状態にしなければなりません。一部でも沸点を超えてしまえば液体は気体になり、何倍もの体積になります。するとどうなるか?例えば、リニアモーターカーのレール付近にそれらを密閉し、配備していたなら、大膨張して爆発を引き起こすことになります。とても危険ですよね?ですから我々人類はより安全に扱うために少しでも温度が高い状態で、超電導を引き起こせるような物質を探す努力をしているのです。

最後に

初めて超電導を発見したときから今までは、様々な合金や物質の化学式を変えることにより発見されてきました。しかし今回は、光化学的な技術により大きな進歩が生み出されています。したがって、これからの研究も今回の発見から大いに得るものがはるはずで、その点も今回の発見の素晴らしい点です。

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