歯学部生を半年経験した印象

歯学部に入学して半年が経過しました。ここまでの感想です。
1.勉強面、2.学生生活の面、3.学校以外の生活面の3観点で振り返ろうと思います。

1.勉強面

「暗記がしんどい」
なんといってもこの一言に尽きます。

今のところ受講した科目はほとんどが暗記まみれです。
計算で何とかするとか、知識の応用で何とかするという点は多くなく、とにかくひたすら覚えるといった感じです。

たとえば組織学の「角化重層扁平上皮」を例にとると、

角化重層扁平上皮は表皮側から順に角化層顆粒層有棘層基底層で構成されており、角化層と顆粒層の間には淡明層が見られる部位もある。全層でケラチノサイトが見られるほか、顆粒層にはケラトヒアリン顆粒が、有棘層にはデスモゾーム細胞突起で構成された細胞間橋が見られる。また、有棘層ではランゲルハンス細胞も含まれる。基底層は基底膜ヘミデスモゾームで繋がっており、基底膜の主な成分はⅣ型コラーゲンラミニンパーレカンエンタクチンなどである。また、メルケル細胞メラノサイトも見られる。

といった具合。これだけで初見の専門用語が20くらい出てきます。こんな感じの内容をどの科目でも延々と数十数百数千と覚えなければならないのでかなりしんどいです。医者や歯医者になった方々はこれを突破しているのだから本当にすごいですね。

医学系は覚えなくてはいけないことが膨大と聞いてはいましたが、想像以上の暗記地獄にさっそく音を上げそうです…

加えて、自身の暗記力の低下も響いています。もうアラサーなので、瞬間記憶力も長期記憶力も(二十歳前後の時と比べて)落ちており、とにかく暗記がしんどいです。これがあと4年半も続くと思うとなかなかイバラの道ですね。

ちなみに僕は暗記が嫌いなタイプです(まあ暗記が好きという方も多くはないでしょうが…)。
前の大学の受験時は、理科は暗記要素の多い生物を避けて物理・化学を選んでいましたし、社会も(比較的)暗記量の少ない地理を選んでいました。
また、単語も覚えるのが嫌いなので英単語帳は1冊しか使用しておらず、
数学の公式もその場で導出することを基本として極力暗記を避けていました。例えば、三角関数の加法定理関連の公式は、sin(α+β)とcos(α+β)だけしか覚えていませんでした。(αーβ)の場合や、tan(α±β)、倍角や三倍角、和関・関和などの公式は毎回導出していました。(倍角の公式は使用頻度が高かったので、最終的には丸暗記してしまいましたが)

とにかく嫌いな暗記を避ける勉強をしてきた僕にとって医学系の科目は天敵のような存在なのです。

ちなみに、僕は前の大学では化学を専攻していました。
高校化学は暗記6割、計算4割(僕の主観です)ぐらいのバランスでしたが、大学化学も概ねそんな感じのバランスです。

(もちろん化学の中のどのコースに進むかによっても変わってきます。化学工学を専門とすると数式をゴリゴリ使いまくることになりますし、無機化学や生化学なら暗記の比重が高めでしょうか。)

当時もそこそこ暗記が多くてしんどかったですが、医学系科目の暗記量はその比ではないです。体感的には暗記99%、計算1%ぐらいですかね。まあ今は基礎医学科目ばかりなのでそう感じるだけで、臨床系科目が増えてくると変わってくるとは思いますが…

生半可な勉強量と覚悟では医療人になれないということですね。

2.学生生活面

僕はアラサーの編入生ということで、クラスメイトの大半とは年齢差があります。クラスメイトの大半は20前後なので、僕からすると10くらい年下ということになります。
年齢差10というと親と子ほどの年齢差ではないですが、しかしそれでもある程度の世代間ギャップを感じるには十分な年齢差です。

ギャップの例を2点ほど出すと、

・クラスメイト達は小中高時代からすでにスマホ・タブレットに慣れ親しんでいます。高校時代にコロナ禍を経験しているので電子ノートやオンライン授業、zoomなども使いこなせるようです。これが本物のZ世代か…
(ちなみに僕は高校まではガラケーで、友達との主な連絡手段はメールとか家電でした。)

・SNSはインスタが主流のようです。僕が前の大学に在籍していた時はTwitter(現X)が主流だったので少し驚きました(まあ、僕の世代の友人もインスタをやってる人は多いですが)。あとはTiktokも使いこなしているようです。僕はTiktokやっていないので正直あまり分かりませんが。

人間関係も徐々にですが広がってきています。

クラスメイトとも徐々に話すようになってきました。
クラスメイトからすると僕は結構年上ですが、同級生ということでフランクにタメで接してくれる人もいます。やや緊張しつつ敬語交じりながらも、親しげに関わってくれる人もいます。優しいクラスメイト達には感謝ですね。

3.学校以外の生活面


時間割がかなりみっちり詰まっている関係でバイト等は一切していません。その結果、金銭感覚が社会人モードから大学生モードに切り替わりつつあります。

社会人していた時は1000円程度のラーメンならあまり気にせずに食べたいときに食べていましたが、今では1000円の外食はそこそこの贅沢品です。
一方で、これに伴って自炊も増えたので料理スキルは多少高まりました。今までの自炊では肉と野菜を炒めるだけの料理ばかりでした。が、今では豚汁、カレー、魚のホイル焼き、肉じゃが、唐揚げ、グラタンと、作れる料理のバリエーションが広がっています。これは、2度目の大学生活を経験したことによる思わぬ副産物ですね。

あとはゴルフを始めてみました。まだ空振りしまくりのド素人状態ですが。運動神経は悪い方なので、上達には時間がかかりそうですが….続くといいなぁ….

以上、歯学部に入学して半年くらいの時点での感想です。


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