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浅黄幻影、公開中の小説

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noteで公開している小説のマガジンです。 文藝マガジン文戯、てきすとぽい、BFCなどで書いたものをおいています。全年齢、幅広い人を対象にした作品群です。
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#先生

小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第1回)

 その人について思い出すとき、もっとも古い記憶として、私が手を引かれて家へと招き入れられ…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第2回)

 先生は私塾を開いていた。  学校が終わると多くの子供が集まり、先生の目の届くところで勉…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第3回)

 兄は家の手伝いをしていたが、それより幼い私にも仕事が割り当てられるようになった。  ま…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第4回)

 私もごく普通の子供だったので、毎日を暮らすなかではよく喧嘩もした。遊びの延長でついやり…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第5回)

 とことんまで悪心を許さない、それが私たちが見た先生の姿だった。それはもちろん、御自身に…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第6回)

 兄の引っ越しを前にして一月のうちから準備が進んでいた。私もその手伝いをするつもりでいた…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第7回)

「知識に裏付けされた技術」について先生は話していた。優れた技術者は皆、自分の手元で起こることの理論を知り、その上で操作しているのだという。なまじ勘と経験を持って世渡り上手な者もいるが、それだけでは乗り越えられないことがある。知識のないものはより優れた者にはなれはしない、と。  それで兄と同様、先生は私も高校に行かせてくれた。幼い頃に厳しい道を選んだためもあり、地元の公立でもっともよいところへ通うことが許された。田舎の私立などよりずっといい普通高校だった。工業や商業高校、専門

小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第8回)

 私は高卒での就職を考えていて、それは三年の秋頃に最終決定する。わかっていた独り立ちの重…

浅黄幻影
3年前
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小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第9回(終))

 就職面接から逃げ出した私は、二次募集ではすべての会社から見事に蹴り飛ばされた。業界では…

浅黄幻影
3年前
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