見出し画像

お手軽フィルムカメラでの動物園撮影はいいぞ

0. 要約

・ Canon EOS Kiss シリーズはいいぞ
・ 20年前のフィルムカメラでもAFは意外と使い物になる
・ アウトプットをイメージした写真を撮るようになる

※デジタルカメラ世代につきフィルムカメラを触ったことがない人なりの感想です。

1. イントロ

 きっかけは久しぶりに実家に帰った際に見つけた一眼レフだった。同人誌で動物園写真を出す都合上ノスタルジックな雰囲気の写真が撮りたくなり、撮影方法を色々検討していた。

 最初は評判のいい「写ルンです」で試してみたが望遠が足りず結果は惨敗。そんななか実家に帰ってみると両親が15年以上使わず押入れに仕舞われてた初代EOS Kissを見つけてしまい……(?)

2. 機材選定

 目的「推し個体の写真をノスタルジックに撮りたい」。動物園にてこの条件を満たそうとすると概ね次のような仕様が必要になりそうだなと。この条件だとフィルム機だけでなくオールドレンズなども視野に入ります

・ 被写体は動くが激しく動いてるところは狙わなくてもいい(重要)
・ 28mm~200mm以上の範囲で焦点距離を確保したい(重要)
・ 原稿に使える程度の画質は担保する(できればフルサイズ相当)
・ あくまでサブ機として運用する(メイン使いはしない)
・ なるべく機材は安価なもので数を増やさないようにする

 ポートレートとは異なり動物園撮影の場合は被写体が勝手に動くためオールドレンズやMF機の選択肢は却下。35mmフィルムでそれなりに画質も担保できるとあってAF機のフィルム一眼レフは確定。

 そうすると2000年代のCanon・Nikon・ミノルタ・PENTAX機がターゲットになりますが現行EFマウントレンズがそのまま使えて何ならSIGMAのMC-11を使えばα7iiiにもレンズを転用できるCanonのEOS Kissを選定。下手するとボディとレンズで1000円切るのでコスパも良好ですね。

  ということで1993年発売の初代EOS Kissに、これまた1995年発売のEF 35-80mm F4-5.6 iiiと、EF 75-300mm F4-5.6 ii という機材選定となった。恐らく自分が幼かった頃使われてたカメラが現代になってまさか日の目を浴びるとは。

3. 作例

画像1

 井の頭自然文化園のホンドタヌキ(マサクニ)。恐らく全国で最もフィルム写真映えするタヌキではないかと思う。フィルム特有の雰囲気や粒子感はしっかり写っている。

画像2

 参考までに同じ時間帯で撮影したデジタル一眼カメラでのマサクニ(α7iiiとTAMRON 15-500 F5-6.7)。確かにデジタル一眼で撮影したほうが鮮明に写っているがデジタル一眼だとボディとレンズで32万なのに対しフィルム機は5000円も出せば上記のような写真が撮れてしまう。フィルム+現像に2000円かかるとしても150回は撮影できるのだから圧倒的なコスパである。

画像3

 のんほいパークにニホンアナグマ(ミナ)。フィルムカメラでオートフォーカスに任せてもここまで目にピントが合うのかと驚愕。鮮明に写りすぎない分ちょっと古さを感じる点が記録写真としてはむしろマッチしている気がする。

画像4

 のんほいパークのヤギ(くー)。推し個体をフィルムに収めるというのもひとつの魅力かと思う。何気ない日常を1枚の絵にしてしまう魅力がそこにはあるのかなと。

画像5

 なお脱線するがぬい撮りでもフィルムのテスト。ストーリーを組むうえで古い写真を撮りたいときにこの雰囲気はアリなのだと思う。

画像8

画像9

画像10

 風景の作例。これだけ見たら一昔前の東京であろう。

4. おまけ

 実際にフィルムカメラで撮影すると古くから撮影を仕事・趣味にされてる方の話が理解できる。デジタル一眼から入った身としてはボディもレンズも耐久消費財的な感覚だったがフィルム機はどのカメラを使ってもセンサー側の性能は変わらないのでボディはあくまで箱でしかない。何なら今のフィルムカメラは完動品ボディが110円で投げ売りされている。一方レンズは写真の出来栄えに大きく左右するわけでそりゃレンズは資産になり得るなと。

 またフィルム1枚のコストが馬鹿にならないぐらい高いのもあって写真を撮るのにすごく考えるようになったのは大きなメリットだったなと。何を撮りたいか決めてからじゃないとおいそれとシャッターが切れない。逆にいえば現像するまで何が撮れてるかわからないという要素はポートレートとかで話のネタに使うには面白い要素なんじゃないかなとは思いました。

5. 注意事項

 初代EOS Kissはシャッター部の加水分解により遅かれ早かれ撮影できなくなる設計上の不具合がある。どうもEOS Kissiii以降なら問題ないらしい。実家のカメラはまだ劣化してるようには見えなかったものの信頼度の観点からボディは買い直すことにした。といってもEOS Kiss iiiLという機種でお値段たったの324円。初代EOS Kissは自家現像可能なモノクロフィルム用かなと。

 またフィルム代は年々高騰している。この記事を書いている時点でも一番安いフィルムで650円/24枚(奇しくも生産中止になってしまったが)。1枚あたり安くても30円はかかる計算である。これに現像代が乗ってしまう。カメラのキタムラだと安くても1300円。これではボディがいくら高くても躊躇してしまう。

 がネットショップ上だとその半値もかからず現像してくれるお店もある。しかもそれほど画質も悪くない。参考までに1枚目がキタムラで現像(1300円)。2枚目が参考文献に記載の「カメラのみなみや」様現像(送料込600円)である。

画像6

画像7

6. 参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?