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西日を浴びたので、すこし。

梅雨の洗濯物のしゃっきりしない乾き具合に早くもうんざりして、もう夏が来ればいいのにと思っていたが、いざカラリと晴れた今日は今日で、予想していなかった暑さに戸惑った。

西日を全身に浴びていると、なぜかガリガリ君の水色の姿が脳裏にチラついた。ついでに、ガリガリ君を求めて駆け込むコンビニのよく効いた冷房が、肌を包む感覚がした。ついでに、コンビニで涼む高校生の、シーブリーズのにおいがした。

自分の五感には、思っているより「夏」のストックが眠っているらしい。それが、こんな西日に当たっただけでひょこひょこと顔を出す。そうして、なんでもない今日を生きている私は、今ではないどこかに連れていかれる。

盆地特有のむうんとした熱のなかに、ほかにも心を揺さぶるものが混じっていないか、夢中で息をした。

連れていってほしいからだ。それに、こんななんでもない日のことを、何年後かに浴びた西日で、思い出すかもしれないから。

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