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Blue Rose

「ブルー・ローズ Blue Rose」は1956年にデューク・エリントン Duke Ellingtonが書いたジャズ・ナンバー。1956年だから厳密にはトラッド・ジャズじゃないし、なんならトラッド・ジャズに志向したジャズの録音はほとんどないように思う。

もともとローズマリー・クルーニーの最初のスタジオ・アルバム(シングルのデビューはもっと早く1948年)に収録するために作曲された曲。ちなみに英語のblue roseという名詞は「美しくも謎めいていること」を意味する。歌詞はなくスキャットで歌われる。そうした意味で謎めいたローズマリー・クルーニーの魅力を引き出していると言えるかもしれない。

録音

Rosemary Clooney with Duke Ellington Orchestra (NYC, 23 and 27 January 1956)
Rosemary Clooney (vocal); Duke Ellington (piano); Billy Strayhorn (arranger, conductor); Cat Anderson (trumpets); Willie Cook (trumpets); Ray Nance (trumpets); Clark Terry (trumpets); Quentin Jackson (trombones); Britt Woodman (trombones); John Sanders (valve trombone); Russell Procope (alto saxophone, clarinet); Johnny Hodges (alto saxophone); Jimmy Hamilton (tenor saxophone, clarinet); Paul Gonsalves (tenor saxophone); Harry Carney (baritone saxophone); Jimmy Woode (bass); Sam Woodyard (drums)
記念すべき最初の録音。「ビ〜バ〜」とスキャットされる。管見の限りでは唯一ボーカルが入った録音。こうした謎めいたスキャットが妙にセクシーでまさに「青いバラ」っぷりを演出している。

Regina Carter (NYC Jan 7-9, 2006)
Regina Carter (Violin); Xavier Davis (Piano); Matthew Parrish (Bass); Alvester Garnett (Drums)
レジーナ・カーターの録音。カーターの演奏は、スタッフ・スミスなどのホットジャズの伝統というよりも、クラシックに根差したジャズを展開している。まだ10代のときにメニューインとパールマンのマスタークラスにも参加したらしい。とくに曲によって音色を変えていて、この録音ではとても艶やかに聴こえる。


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