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All By Myself (Irving Berlin)

「オール・バイ・マイセルフ All By Myself」は、1921年にアーヴィン・バーリン(Irving Berlin)が作詞・作曲したスタンダード。とくにこの曲は当時は主流だったシート・ミュージックではなく、まだ主流ではなかったフォノグラフでも発売された。結果的にフォノグラフはよく売れ、そういったバーリンの嗅覚みたいなものを認識できる。また1922年にミュージカルのレヴュー「ミュージック・ボックス・レビューMusic Box Revue」で使用された。

歌詞の内容は「ひとりぼっち」という感じ。失恋とか家族との別れとかそういった意味でのひとりぼっち。だけど歌詞の中で「テーブルと椅子がぽつん。そこでソリティアをしていると、とても気分が落ちる」という歌詞に妙に共感してしまう。日本語だとやはり「ジャズ詩大全」の記述が際立っている。

またビッグ・ビル・ブルーンジーが同名の曲を書いている。そちらもニューオーリンズ・ジャズ/ブルースのスタンダード。こちらはシカゴ・スタイル以降のスタンダード。

録音

Ralph Sutton & Kenny Davern (NY 1980)
Kenny Davern (Clarinet); Ralph Sutton (Piano); Gus Johnson (Drums)
グッドマン・スタイルのケニー・ダヴァーンとファッツ・ウォーラー・スタイルのラルフ・サットンのデュオにガス・ジョンソンが加わった録音。隙のない演奏ですごくダイナミック。

Bob Schulz And His Chicago Rhythm Kings (Atlanta April 16 2000)
Mike Karoub (Bass); Tom Fischer (Clarinet); Bob Schulz (Cornet, Vocals); Hal Smith (Drums); Marty Grosz (Guitar); Mark Shane (Piano)
シカゴ・スタイルの録音。ボブ・シュルツは、ウィスコンシンでRIverboat Ramblersというディキシーランド・リヴァイヴァルのバンドのあと、ターク・マーフィーのバンドに加入。その後Frisco Jazz Bandを率いてシーンを盛り上げた。この録音ではシカゴ・スタイルのトラッド・ジャズのミュージシャンたちが集まっている。

Bob Wills & His Texas Playboys (San Francisco August 30 1947)
Bob Wills (Vocals); Martha Dean McKinney (Vocals); Millard Kelso (Piano); Herb Remington (Steel Guitar); Johnny Cuviello (Drums); Billy Jack Wills (Bass); Ocie Stockard (Banjo); Tiny Moore (Electric Mandolin)
サンフランシスコで行われたラジオ放送用の録音、通称ティファニー・トランスクリプションから。ディーン・マクキニーが歌っていて、ボブ・ウィルズはコメントだけ。タイニー・ムーアのマンドリンが刺さる。全体的にリラックスした録音。

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