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Flamingo

「フラミンゴ Flamingo」は 1940年に テッド・グルーヤ Ted Grouyaが作曲し、エドマンド・アンダーソンEdmund Andersonが作詞したポピュラー・ソング。デューク・エリントン楽団が最初に録音したこの曲は、とくにステファン・グラッペリをはじめとするヴァイオリン奏者が多く録音/演奏している。

女性を空に舞うフランミンゴに例えた曲

ここで言われているフラミンゴは片足を上げて池で休んでいるフラミンゴではない。むしろ、鮮やかな色で大皿を舞う美しい渡り鳥を意味していて、それが美しい女性/男性を表象している。実際に歌詞において「フラミンゴよ、太陽が海と出会うとき、僕の恋人に別れを告げて、僕のもとへ急いでくれ」と歌われる。

録音

Stephane Grappelli (Paris, October 28, 1969)
Stephane Grappelli (Violin); Raymond Fol (Piano); Tony Ovio (Guitar); Jack Sewing (Bass); Andre Hartman (Drums);
グラッペリのソロから。この頃はわりとベテランっぽい演奏をしているように思う。カデンツァも本当に即興なのかと疑うくらい美しい。

Stephane Grappelli (London, November 5, 1973)
Stephane Grappelli (Violin); Denny Wright (Guitar); Diz Disley (Guitar); Len Skeat (Bass)
ホット・クラブの編成での録音。この録音では高速トリルとフラジオがバシバシ決まって高揚感がすさまじい。一番聴いている録音かもしれない。

George Shearing and Stéphane Grappelli (Villingen-Schwenningen, West Germany, April 11, 1976)
George Shearing (Piano); Stéphane Grappelli (Violin)
グラッペリとジョージ・シアリングの録音。シアリングのピアノが静かに鳴っていてそこに伸びやかなグラッペリのヴァイオリンが乗っている。スローなバラード。

The Gypsy Jazz Violin Summit (Villingen-Schwenningen, Germany, May 1 to 3,1979)
Hannes Beckmann (Violin); Nipso Brantner (Violin); Schmitto Kling (Violin); Zipflo Reinhardt (Violin); Otto Weiss (Piano); Gary Todd (Bass); Charly Antolini (Drums)
おそらくここに載せた録音の中では一番明るい演奏。70年代末に行われたヴァイオリン・サミットでの録音。マヌーシュ・ジャズの第二世代のミュージシャンたちによる名演。

Stéphane Grappelli & Michel Petrucciani (Paris, June 15–17, 1995)
Stéphane Grappelli (Violin); Michel Petrucciani (Piano)
ペトルチアーニとグラッペリの録音。アルバムとしても素晴らしいんだけどその中でもこの録音が一番好きかもしれない。晩年のグラッペリの余裕がありつつもスリリングな演奏を楽しめる。

Chris Garrick (London, Unknown)
Chris Garrick (Violin); John Horler (Piano); Alec Dankworth (Double Bass); Allan Ganley (Drums)
ジャズ・ヴァイオリンのインストラクターとしても大変著名なクリス・ギャリックの録音。オスカー・ピーターソンとグラッペリの録音を下敷きにしたような録音。

Tim Kliphuis (London 2006)
Tim Kliphuis (Violin); Len Skeat (Bass); Mitch Dalton (Guitar)
ティム・クリップハウスの録音。70–80年代グラッペリっぽい演奏を展開していて、まさにトリビュートの名に相応しい名演奏。

Tcha Limberger Trio with Mozes Rosenberg (Cardigan April 21, 2018)
Tcha Limberger (Violin, Vocal); Mozes Rosenberg (Guitar); Dave Kelbie (Rhythm Guitar); Sebastien Girardot (Bass)
ハンガリーのロマ系バイオリニスト、チャー・リンバーガーのリーダーバンドのライブから。メロウなギターのイントロからはじまる。


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