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Buddy’s Habits

「バディーズ・ハビッツ Buddy’s Habits」は1923年にアーネット・ネルソンArnett Nelsonとチャーリー・ストレイトCharley Straightによって書かれたジャズ・ナンバー。表記の揺れがあり、しばしば「バディーズ・ハビット Buddy’s Habit」とも表記される。

まさにシカゴ・ジャズを体現したような曲で作曲者の2人もシカゴで活躍した演奏家。ちなみにタイトルのバディーとはバディー・ボールデンのことではない。これは同じくシカゴとニューヨークで活動していたチューバ・プレイヤーのルイ・バディー・グロスLouis 'Buddy' Grossから取ったもの。そんなかれの「習慣」とは2つある。一つ目は、その癖は、大量のビールを飲むため、セットが終わるたびにトイレに行くこと。もうひとつは、酔っ払ってチューバを持ったままステージから落ちてしまうこと。そんな愛されチューバ奏者に捧げた曲。

録音

The Bucktown Five (Richmond, Indiana February 25 1924)
Marvin Saxbe (banjo); Voltaire “Volly” De Faut (clarinet); Muggsy Spanier (cornet); Mel Stitzel (piano); Guy Carey (trombone)
かなり早い時期の録音の一つで初期のシカゴ・スタイルを楽しむことができる。聴いているとかなりルイ・アームストロングから影響を見ることができ、とくにマグシー・スパニアのコルネットはそうしたリスペクトに満ちている。

Kentucky Five (Madrid, Spain, 2021)
Yevhen Reichkalov (trumpet); Marcos Prieto (clarinet); Giorgio Gallina (trombone); Daniel Cabrera (banjo); Paolo Furio Marasso (string bass)
マドリードの実力派トラッドジャズ・バンドのケンタッキー・ファイヴの録音。キング・オリヴァーの録音を意識しつつもドライブ感のある演奏を楽しめる。とくにベースがブリブリしていて気持ちがいい。

Potato Head Jazz Band (Granada, Spain 2022)
Martín Torres (Clarinet); Alberto Martín (Trumpet); Giorgio Gallina (Trombone); Antonio Fernándes (Banjo); Alejandro Tamayo (Bass); Ezequiel Zeko Olmo (Drums)
スペインはグラナダで活動しているトラッドジャズ・バンドのポテト・ヘッド・ジャズ・バンドの録音。ディキシー・リヴァイヴァル的な音楽感なんだけど4つ打ちのバスドラムが非常に気持ちがいい。

Secret Six Jazz Band (New Orleans, Louisiana 2023)
Haruka Kikuchi (trombone); Craig Flory (clarinet); Zach Lange (trumpet); Nathan Wolman (trumpet); John Joyce (bass); Hunter Burgamy (guitar); James McClaskey (banjo); Defne “Dizzy” Incirlioglu (washboard)
ニューオーリンズ・ジャズの近年の展開。トランペットのソロのときの菊池ハルカさんのトロンボーンが非常にかっこいい!

参考文献

http://playing-traditional-jazz.blogspot.com/2016/09/buddys-habits.html


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