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C'est magnifique

「セ・マニフィーク C'est magnifique」は1953年にコール・ポーター Cole Porterが作詞作曲したポピュラー・ソング。また1954年に、フランソワ・リーナスFrançois Lienasがフランス語詞をつける。日本語に直訳すると「それは素晴らしい」という意味になる

サイ・ファイアー Cy Feuerとアーネスト・マーティンEarnest Martinがプロデュースしたミュージカル『カンカン CAN-CAN』のために書かれた曲。カンカンとは19世紀後半のパリのモンマントルにあるホールのことを指す。舞台ではそこで働くショーガールの様相が描かれた。

愛に関する素敵なことを歌った曲

英語の歌詞では「どんなときに素敵だと思うのか」が歌われる。最初に述べられるのは「愛する人が来て、ドライブに連れて行くこと」。つぎに「毎晩愛する人がきつく抱きしめてくれること」が述べられ、どちらも「素敵なこと C'est magnifique」であると述べられる。3つ目に「でも、恋人が離れてしまう」のは「悲しいこと tragique」であると述べられ、「それでもそんな人がもう一度大好きだよ je t’adore と言ってくれたらやっぱり素敵だ」と締めくくられる。

フランス語詞では「悲しいこと tragique」は語られず、「ロマンチックで素敵なこと」がひたすら語られる。

録音

Emil Stern & Michel Legrand (NOT GIVEN, Released in 1955)
エミル・スターンとミシェル・ルグランの2人のフランスを代表するピアニストによる連弾。

Ruby Braff (NYC, June 11-12, 2002)
Ruby Braff (Cornet); Bucky Pizzarelli (Guitar); John Pizzarelli (Guitar); Ray Kennedy (Piano); Martin Pizzarelli (Bass); Jim Gwinn (Drums); Rachel Domber (Oo-La-La Chorus); Daryl Sherman (Oo-La-La Chorus); Adam Morgenstern (Oo-La-La Chorus); Dan Morgenstern (Oo-La-La Chorus); Al Lipsky (Oo-La-La Chorus); Gail Firestone (Oo-La-La Chorus); Ross Firestone(Oo-La-La Chorus);
ルビー・ブラフの最後のスタジオ録音の一つ。この録音のあとスコットランドのツアー中に体調が悪くなり、2003年2月に逝去する。ルビー・ブラフのコルネットも全体のアレンジも素敵。このアルバムではジョン・ピザレリ・トリオの黄金メンバーがバックアップしている。シカゴ・スタイルの名演。

Alfonso Ponticelli and Swing Gitan (NOT GIVEN, 2004)
Alfonso Ponticelli (Lead Guitar); James Sanders (Violin); Carter O'Brien (Rhythm Guitar); John Eichleay (Rhythm Guitar); Louis Marini (Bass);
シカゴで活動しているアルフォンソ・ポンティセリ・アンド・スウィング・ジタンの録音。オーセンティックな編成のマヌーシュ・ジャズのインスト。

黒船レディと銀星楽団 (東京, 2008)
水林 史 (Vocal); 廣田ゆり(Piano); 塩川俊彦 (Guitar, Chorus); 玉木勝 (Bass); 嶋田拓夫 (Cello); 井谷享志 (Percussion);  大澤公則 (Drums); 石川周之介 (Flute); 檜垣真一郎 (Trombone); 菅野 浩 (Baritone Sax)
日本が誇るアコースティック・スウィング・バンドの黒船レディと銀星楽団の録音。とっても素敵!それと2024年の9月24日に下北沢440にて、黒船レディと銀星楽団のリユニオン・ツアーに行ってきた。そのライブでのアンコール前の最後の曲がこの「セ・マニフィーク」だった。本当に素晴らしいライブだった。アナログも切っていてそれもとっても素敵。

黒船レディと銀星楽団のベスト盤LPのジャケット。めちゃくちゃかわいい。また冊子も充実していてとても楽しい。

The Brand New Heavies (London, 16 October, 2008)
N'Dea Davenport (Vocals); Simon Bartholomew (Guitar); Matt Steele (Keyboards); Andrew Levy (Bass); Jan Kincaid (Drums); Lascelles Gordon (Percussion);
ブラン・ニュー・ヘヴィーズのライブ実況録音。バンドの初代ヴォーカルであるエンディア・ダヴェンポートが復活している。ボトムが効いたアレンジ。

Gypsy Swing Revue (Denver, Colorado 2016)
Elliot Reed (Lead Guitar); Kristi Stice (Vocals); Stephen Hill (Rhythm Guitar); Anthony Salvo (Violin); Jean-Luc Davis (Upright Bass)
ジプシー・スウィング・レヴューの録音。クリスティ・スタイスがフランス語詞で歌っている。曲の終わり方もかっこいい。

Andrea Lindsay (NOT GIVEN, Released in 2016)
Andrea Lindsay (Vocal); Jordan Officer (Guitar); Sage Reynolds (Bass); Others Unkown
カナダのシンガーのアンドレア・リンゼイの録音。英語詞で歌っており、またヴァイオリンとギターもとてもかっこいい。ただメンバーがわからなかった。

Tatiana Eva-Marie & the Avalon Jazz Band (Brooklyn, Released in 2021)
Tatiana Eva-Marie (Vocal); Gabe Terracciano (Violin); Vinny Raniolo (Guitars); Sara L’Abriola (Guitars); Roberto Gervasi (Accordion); Wallace Stelzer (Bass)
アヴァロン・ジャズ・バンド名義になっているけど実質はタチアナ・エヴァ=マリーのソロ・リーダー作といった録音。フランス語詞で落ち着いて歌っている。テラッチャーノのヴァイオリンが素敵。

San Lyon (Los Angeles, 2022)
Paige Herschell (Vocals); Katie Cavera (Bass); Jenna Colombet (Violin); Dani Vargas (Guitar)
アメリカ西海岸のマヌーシュジャズ・バンドのサン・リヨンの録音。楽しく、かっこよく、上手いという三拍子揃った名演。英語詞で歌っている。ジャケットもかわいい。Bandcampで購入すると素敵なメッセージも届く。


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