Douce Ambiance

「ドゥース・アンビアンス Douce Ambiance」は1942年にジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardtが作曲したジャズ・ナンバー。1943年にジャンゴたちによって録音されたがそれ以前から演奏自体はされていた。公共の場での初演は1942年7月のラジオ放送とされている(こちら)。タイトルは、そのまま「甘い雰囲気」や「穏やかな雰囲気」という意味。マヌーシュ・ジャズの大スタンダード。

のちにジャック・ラルーJacques LaRueによって歌詞が付け加えられた。が、この歌詞で歌われることは非常に少ない（と思うんだけどどうなんでしょうか）。

録音

Yoshihiro Arita (Newton, MA July September and December 1990)
Yoshihiro Arita (Guitar); John McGann (Guitar); Jim Guttmann (Bass); Matt Glaser (Violin);
日本を代表する弦楽器奏者の有田純弘さんの録音。タイトでグルーヴィーなギターが美しい。

Latch Drom (Montauban, France December 2, 1993)
Charles Roman (Violin); Christophe Lartilleux (Guitar); Jean-François Ruiz (Guitar); Joël Trolonge (Bass)
ロマ人たちによるラッチョ・ドロームの録音。全体的に緊張感のある録音。

Jelle van Tongeren Group (Not Given, 2005)
Jelle van Tongeren (Violin); Frank Meester (Guitar); Reinier Voet (Guitar); Robin Nolan (Guitar); Arnoud van den Berg (Bass);
イェレ・ファン・トングレンの録音。フリーダムなルバートから始まる。枯れた音のヴァイオリンが特徴的。

Evan Christopher a la Creole (Abergavenny, Wales, 2008)
Evan Christopher (Clarinet); Dave Blenkhorn (Guitar); Dave Kelbie (Guitar); Sebastien Girardot (Double Bass)
エヴァン・クリストファーの録音。かなりスローなスウィングになっていて、エヴァン・クリストファーのニューオーリンズ・スタイルのクラリネットとマヌーシュ・ジャズの交差を楽しめる。またデイヴ・ケルビーのギターも鉄壁のリズムに痺れる。

Patrick Saussois & Daniel John Martin (London 2008)
Daniel John Martin (violin, vocals); Patrick Saussois (guitar); Ducato Piotrowsky (guitar); Andy Crowdy (double base)
いまはなきキューカンバーでの録音。ダニエル・ジョン・マーティンのヴァイオリンの丸いヴァイオリンの音が素敵。

Hot Club of Cowtown (Dipping Springs, Texas July 6 2012)
Elana James (Fiddle); Whit Smith (Guitar); Jake Erwin (Bass)
ホット・クラブ・オブ・カウタウンの録音。トリオであることを最大限に活かしたような録音。めちゃくちゃ熱い！

Dominique Cravic (Saint-Cloud, France, 2013)
Dominique Cravic (Guitar); Hervé Legeay (Guitar); François Parisi (Accordion); Bertrand Auger (Clarinet); Jean-Philippe Viret (Bass);
ドミニック・クラヴィクの録音。リスペクト・レコードの企画。フランソワ・パジリのアコーディオンがとても素敵なミュゼットのジャンゴ・トリビュート。素晴らしい！

Benjamin Schmid Jazz Quartet (Steinakirchen, Lower Austria, December 16-18, 2013)
Benjamin Schmid (Violin); Diknu Schneeberger (Guitar); Martin Spitzer (Guitar); Joschi Schneeberger (Bass);
ベンヤミン・シュミットの録音。ジャンゴはこの曲をヴァイオリンとは録音しなかったけどもしジャンゴがヴァイオリニストと録音したらこんな感じになっていたのかなと妄想する。が、必ずしもシュミットのヴァイオリンもグラッペリっぽい演奏ではない。ソロの途中でダブルで弾くところがあるんだけどそこがめちゃくちゃかっこいい！

Kyoto Composers Jazz Orchestra (Kyoto, 2016)
谷口知巳 (Trombone, Leader); ユン・ファソン (Trumpets); 横尾昌二郎 (Trumpets); 大泊久江 (Trumpets); 志賀安希久 (Trumpets); 小倉直也 (Trumpets); 山中詩織 (Trumpets); 堤健太郎 (Trombones); 服部陽介 (Trombones); 餌取雄一郎 (Trombones); 鈴木隆司 (Trombones); 松井優樹 (Flute/Piccolo); 大西丈(Alto Saxophone, Clarinet); 鈴江愛理 (Alto Saxophone); 相澤伸介 (Alto Saxophone); 當村邦明 (Tenor Saxophone); 山内健史 (Tenor Saxophone); 平松太郎 (Bariton Saxophone, Flute, Clarinet); 川又瑞代 (Violin); 石田ヒロキ (Piano); 亀井祐里 (Piano); 谷口徹 (Piano); 山本佳史 (Guitar); 梶山伊織 (Bass); 田中真登 (Bass); 伊波大輔 (Drums); 木曽稔之 (Drums);
京都コンポーザーズの録音。川又瑞代さんがヴァイオリンを弾いていて、山本佳史さんがギターを弾いている。 山本さんのギターが少し歪んでいてとてもブルージー。川又さんのヴァイオリンもたっぷり聴ける素敵な録音。

Moustache Yourself (Akron, Ohio 2017)
Brad Wagner (Clarinet); Brent Hamker (Electric Guitar); Jeremy Jones (Acoustic Guitar); Matthew DeRubertis (Acoustic Bass)
マスタッシュ・ユアセルフの録音。ブラッド・ワグナーのクラリネットがめちゃくちゃ生き生きしている。

Alma Swing (Treviso, Italy, 2017)
Mattia Martoran (Violin); Lino Brotto (Guitar); Andrea Boschetti (Guitar); Giuseppe Pilotto (Bass);
イタリアで活動しているアルマ・スウィングの録音。ジミヘン風のイントロから始まる。

Djangonauten (Hamburg, 2020)
Chris Drave (Violin); Michele Bono (Clarinet); Benjamin Boitrelle (Guitar); Andrew Krell (Bass);
ドイツで活動中のジャンゴノーテンの録音。ヴァイオリンとクラリネットがリードを分かち合っている。

Tatiana Eva-Marie (NYC, 2023)
Tatiana Eva-Marie (Vocal); Gabe Terracciano (Violin); Dion Berardo (Guitar); Michael Valeanu (Guitar); Wallace Stelzer (Bass)
タチアナ・エヴァ=マリーの録音。おそらく歌詞はエヴァ=マリーによるもの。フランス語が聴き取れないんだけど歌がとにかく素敵。それとリズム・ギターもいわゆるポンプだけではなくて実に多様なパターンを聴かせてくれてまったく飽きない。ゲイブ・テラッチャーノのヴァイオリンもそれ自体が美しいんだけど、それだけじゃなくてやっぱり全体のアレンジが素晴らしい。ちなみにフィジカルは会場限定で購入できるらしい。めっちゃほしい！日本に来ないかなあ…。