見出し画像

Alabamy Bound

「アラバミー・バウンド Alabamy Bound」は、1925年に作詞をバディ・デシルヴァ(Buddy DeSylva)とバド・グリーン(Bud Green)が、作曲をロイ・ヘンダーソン(Ray Henderson)が担当した、ティン・パン・アレーのポピュラー・ソング。ジャズをはじめ、さまざまなジャンルやスタイルで演奏されている。

列車に乗って故郷に帰る

AlabamyはAlabamaに愛着を持って呼んだ言い方。日本語にすると「〜ちゃん」みたいな言い方。また、”bound”とは新幹線を使う人ならお馴染み、「〜行き」という意味。つまり”Alabamy Bound”とは「アラバマちゃん行」となり、そのまま列車の曲。

歌詞は、アラバマ出身の若者がやっと帰郷できる喜びに満ち溢れた内容。南部からアメリカンドリームを夢見て大都市に引っ越した若者たちは、都会での生活を楽しんだが、故郷が恋しくもあった。この曲の主人公はそんな平凡な田舎の青年。歌詞に登場する「意地悪な車掌」は、都会の人々のメタファーとして機能している。駅員は寝台のために青年の全財産を要求するが、そんなことは青年にはおかまいなし。つまり、都会でどんなことがあっても青年には気にならない。もうすぐ到着することが示唆されると、青年は勢いよく「よしいくぞ!おれはアラバマ行きだ!」と叫ぶ。こうしたポジティヴな歌詞の曲である。

ちなみにI’m a Alabama Boundというこの曲とはまったく異なる曲がある。ジャズだけではなくブルーグラスでもよく演奏されていて、わたしはとくにドク・ワトソン(Dox Watson)の録音が好き。

録音

エディ・カンターの録音がとても流行った。ほかにも素敵な録音がたくさんある。

The Dime Notes (London 6 June 2016)
Andrew Oliver (Piano); David Horniblow (Clarinet); Dave Kelbie (Guitar); Tom Wheatley (Double Bass)
イギリスの素敵スウィング・バンドのダイム・ノーツの録音。ジェリー・ロール・モートンのスタイルのアンドリュー・オリヴァーのピアノがとにかくかっこいい!

Stephane Grappelli (Paris April 27 1937)
Stephane Grappelli (Violin); Django Reinhardt (Guitar)
グラッペリとジャンゴのデュオ。めっちゃかっこいい!のちのマヌーシュ・ジャズの録音はほとんどこれを模している。キレッキレのグラッペリ。ほかにも1962年にグラッペリのリーダーアルバムでも録音されていてそれも最高にかっこいい!それとグラッペリのフォロワーのフローリン・ニクレスクの録音もよきよき。

投げ銭箱。頂いたサポートは活動費に使用させていただきます。