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C'est si bon

「セ・シ・ボン C'est si bon」は、1947年にアンリ・ベッティHenri Bettiが作曲し、アンドレ・オーネズAndre Hornezが作詞したフランスのジャズ・ソング。英語の歌詞は1949年に ジェリー・シーランJerry Seelenによって書かれた。タイトルは「すごくいい」「すてき」とかそんな意味。さまざまな録音があるが、フレンチ・ジャズやマヌーシュ・ジャズだけではなく、トラッド・ジャズでもしばしば演奏される。

アンリ・ベッティが父親とニースにいたときにメロディを思いつき10分程度で仕上げた曲。歌詞はフランス語の原曲は恋人と一緒にいることは「とてもいい C'est si bon」というラブリーな曲。英語の歌詞は英語を話す人がフランス人の真似をするような内容。

個人的な思い出なんだけど、中学生か高校生のときに買ったルイ・アームストロングのベスト盤に収録されいて最初に好きになった曲。アメリカっぽくないところがおしゃれに感じたのかもしれない。

録音

Louis Armstrong With Sy Oliver's Orchestra (NYC June 26 1950)
Louis Armstrong (Trumpet); Bernie Privin (Trumpet);, Melvin Solomon (Trumpet); Paul Webster (Trumpet); Art Drelinger (Tenor Saxophone); Bill Holcombe (Tenor Saxophone); Hymie Schertzer (Alto Saxophone); Milt Yaner (Alto Saxophone); Morton Bullman (Trombone); Earl Hines (Piano); Everett Barksdale (Guitar); George Duvivier (Bass); Johnny Blowers (Drums);
ベテラン期のルイ・アームストロングの録音。Deccaビッグバンドの時代なのでジャズファンからの評価が低いらしい。なんだでだろうか。相対的にHot Fiveの時代がかっこいいということならわかるけど、だからと言って40年代後半から50年代のサッチモがダメなわけではないだろう。私としては、今聴いてもこの曲にときめく。いつ聴いてもかっこいいなあと思う。

Didier Lockwood (Paris 2008)
Didier Lockwood (Violin); Martial Solal (Piano);
デディエ・ロックウッドとマーシャル・ソラールのデュオ。グラッペリのトリビュート。わりと小難しい録音に聴こえる。美しい。

Baguette Quartette (San Francisco 2009)
Odile Lavault (chromatic button accordion); Rachel Durling (violin); John Schott (guitar); Rich Trevor (bass)
アメリカ西海岸で活動しているミュゼット/フレンチ・ジャズ・バンドのバケット・カルテットの録音。ヴァースから。インスト。ダンサンブルでアンサンブルがとてもかっこいい。ドミニック・クラヴィクやその周辺の音楽に近い。CDも可愛らしい。

The Morganville Four (Brooklyn December 13, 14 and 16, 2011)
Bria Skonberg (trumpet, vocals); Dan Levinson (C-melody saxophone); Gordon Webster (piano); Nicki Parrott (bass, vocals); Scott Kettner (percussion)
モーガンヴィル・フォー。落ち着いたトラッド・ジャズで、とくにニューヨークで活動している中堅が集まった録音。フランスの国歌からはじまるんだけど無条件にAll You Need is Loveを思い出してしまう。ゴードン・ウェブスターのピアノがかわいい。

Saphie Wells & The Swing Cats (Barcelona 2015)
Saphie Wells (vocals); Marc Masagué (guitar); Alejandro García Granados (double bass); Joan Subirats (tenor sax)
バルセロナのトラッド・ジャズ・バンドのスイング・キャッツの録音。ソフィー・ウェルズの歌がとてもセクシー。

Avalon Jazz Band (NYC 2016)
Tatiana Eva-Marie (vocals); Kate Dunphy (accordion); Adrien Chevalier (violin); Koran Agan (guitar); Eduardo Belo (bass)
タチアナ・エヴァ=マリー率いるアヴァロン・ジャズ・バンドの録音。ヴァースからはじまる。とってもかわいくとてもかっこいい録音。2000年以降の録音だと一番好きかもなー。

Gypsy Swing Revue (Denver, Colorado 2016)
Elliot Reed (lead guita); Kristi Stice (vocals); Stephen Hill (rhythm guitar); Anthony Salvo (violin); Jean-Luc Davis (upright bass)
コロラドはデンヴァーで活動しているマヌーシュジャズ・バンドのジプシー・スウィング・レヴュー。フランスのバンドかと思ってた。素敵。

Gordon Au (Asheville, December 28, 2019)
Gordon Au (trumpet); Keenan McKenzie (soprano sax); Jacob Zimmerman (clarinet); Lucian Cobb (trombone); Jonathan Stout (guitar); Chris Dawson (piano); Jen Hodge (bass); Josh Collazo (drums)
ゴードン・オーの名演。サッチモ・スタイルのトランペットでモダン・シカゴ・スタイルというべき録音。ウーのトランペットはまるでサッチモが歌っているかのようで泣ける。

The Tangiers Combo (New Orleans December 2019)
Carl Keith (Guitar); Eric Rodriguez (Violin); Simon Moushabeck (Accordion); Jason Danti (Clarinet); Nathan Lambertson (Bass)
ニューオーリンズで活動しているミュゼット・バンドのタンジアーズ・コンボ。バケット・カルテットとは違った方向性。こちらも素敵。


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