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Guess Who's in Town

「ゲス・フーズ・イン・タウン Guess Who's in Town」は1928年にJCジョンソン J. C. Johnson が作曲し、アンディ・ラザフ Andy Razaf が作詞したポピュラーソング。たまにジェイムズ・P・ジョンソン James P Johnsonが作曲とされることがあるが、それは誤り。そこまで録音が多いわけでもないのだがトラッドジャズに志向したミュージシャンに演奏される楽曲。

大好きな恋人に会う

この曲は歌い手が大好きな恋人に会うことを歌っている。それだけではなく、ラザフの作詞のなかでも韻の踏み方が丁寧で、多くの対比が使われている。

Listen to this,
聞いてくれ
We've got a date at seven
7時にデートをすんだ
From her first kiss
最初のキスから
I'm gonna keep her busy till eleven.
11時まで退屈にさせないよ

Speakin' of bliss,
最高の喜びといえば
Who's got the key to Heaven?
だれが天国への鍵を持っているか知ってる?
Nobody but gal of mine.
もちろん僕の彼女だよ

ここでは「これ this」「キス kiss」「よろこび bliss」、「7 seven」「11 eleven」、「天国 heaven」が交互に韻を踏んでいる。これによって最後に来る「Nobody but gal of mine.もちろん僕の彼女だよ」が音的に際立って聴くことができる。

「Nobody but gal of mine.もちろん僕の彼女だよ」は意味的にも際立たされる。「デート date」や「キス kiss」という現実の出来事が「天国 heaven」と対比されていることによって、まさに恋人に会うことが「祝福 bliss」なのだと理解することができる。また、対比としては「聞いて listen」と「話す speak」もある。

録音

Ethel Waters (NYC, August 21, 1928)
Ethel Waters (Vocal); James P Johnson (Piano)
エセル・ウォーターズの録音。おそらくこの録音の金字塔の一つ。雄弁なウォーターズの歌声が極めて美しい。

Bill Boyd’s Cowboy Ramblers (San Antonio, Texas, October 27, 1936)
Bill Boyd (Guitar); Curly Perrin (Vocal, Guitar); J. R. Chatwell (Violin); Cecil Brower (Violin); Smokey Wood (Piano); J. C. Way (Electric Steel Guitar); Johnny Thames (Tenor Banjo); Rip Ramsey (Bass);
ビル・ボイドの録音。ヴァイオリン2本の豪華なウェスタン・スウィング。わりとジャンゴ・スタイルに似たところもあるんだけど、年代的に偶然かもしれない。

Max Kaminsky And His Jazz Band (New York, 22 June 1944)
Max Kaminsky (Trumpet); Red Cless (Clarinet); Frank Orchard (Valve Trombone); James P Johnson (Piano); Eddie Condon (Guitar); Bob Casey (Bass); George Wettling (Drums)
マックス・カミンスキーの楽団の録音。シカゴ・スタイルの録音でジェイムズPのピアノが非常にかっこいい。

Neville Dickie (Surrey or London, June 28–July 4, 1996)
Neville Dickie (Piano)
ダラム出身のストライド・ピアニストのネヴィル・ディッキーの録音。ダラムは私がいた街から電車で15分くらいのところにあり小さくも非常に美しいところ。そんな感じでネヴィル・ディッキーの録音は少し贔屓にしている。演奏もとってもかっこよく元気なスウィング。

Veronica Martell (NOT GIVEN, Released in 1999)
Veronica Martell (Vocals); Paul Frazier (Backing Vocals ); Terry Blaine (Backing Vocals); Kenny Rampton (Trumpet); Bob Hanlon (Tenor Saxophone); Donny McCaslin (Tenor Saxophone); Gary Valente (Trombone); Alex Harding (Baritone Saxophone); Doug Petty (Piano); Tony Viscardo (Guitar); David Jackson (Bass); Frank Derrick (Drums);
ヴェロニカ・マーテルのデビュー盤から。豪華なスウィングの録音でテンポも速い。

Daryl Sherman (NYC, January 30-31, 2006)
Daryl Sherman (Piano, Vocals); Jon Wheatley (Guitar); Vince Giordano (Bass Saxophone); Dave Green (Bass)
ダリル・シャーマンの録音。ジョン・ウィートリーのギターが非常にかっこいい録音。わりとノーティーなダリル・シャーマンのヴォーカルもよいし、ヴィンス・ジオルダーノのベース・サックスも非常によき。

The Hot Rhythm Ramblers (Schipluiden, Released in 2015)
Aram Stoop (Guitar & Vocal); Huey Moor (Bass & Vocal); Ben van Anrooy (Drums); Jan Albert Smit (Clarinet)
ドイツで活動しているロッキンなスウィング・トリオのホット・リズム・ランブラーズの録音。ダリル・シャーマンの録音に少し似ている。ゲストにグッドマン・マナーのクラリネットが参加。最後にバグル・コールで終わるところもかっこいい。



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