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Fit as a Fiddle

「フィット・アズ・フィドル Fit as a Fiddle (and Ready for Love)」は1932年にアル・ホフマン Al Hoffman とアル・グッドハート Al Goodhart によって作曲され、アーサー・フリード Arthur Freed によって作詞されたポピュラーソング。トラッドジャズに志向するミュージシャンに録音されているジャズ・スタンダード。

結婚にかんする曲で、恋人同士の二人の相性が「ぴったり当てはまる Fit as a Fiddle」ということが歌われている。1952年に『雨に唄えば Singin' in the Rain』でもジーン・ケリーとドナルド・オコーナーによって歌われた明るい楽曲。

録音

The Three Keys (NYC, October 5, 1932)
Slim Furness (Guitar, Vocals); George "Bon Bon" Tunnell (Piano); Bob Pease (Bass, Vocal);
30年のジャイヴ・トリオのスリー・キーズの録音。編成としてはナット・コール・トリオと同じ。どちらも素晴らしいがスリー・キーズの方がバーバーショップ・コーラスっぽさを覚える。スキャットがとくに好き。

Annette Hanshaw (NYC, December 2, 1932)
Annette Hanshaw (Vocals); Jimmy Dorsey (Clarinet); Manny Klein (Trumpet); Harry Hoffman or Matt Malneck (Violin); Fulton McGrath (Celeste and Piano); Artie Bernstein (Bass); Chauncey Morehouse (Drums); Unknown (Guitar)
アネット・ハンショウの録音。人気絶頂の1932年の録音。数々のフォロワーを産んだこのアレンジ。やはり素晴らしい…。

Paul Small (NYC, December 8)
Paul Small (Vocals); Joe Venuti (Violin); Hymie Wolfson (Clarinet, Tenor Saxophone); Bobby Van Eps (Piano); Terry Shand (Piano); Eddie Lang (Guitar); 
ニューヨークのシンガー、ポール・スモールの録音。ここではラング=ヴェヌーティがバックアップしている。この録音もまた多くの後年の録音に影響を与えている。後半のヴァイオリンとかめちゃくちゃかっこいい!

The Ponce Sisters (NYC, December 16)
Dorothea Ponce (Vocals); Ethel Ponce (Vocals, Piano); Joe Venuti (Violin); Jimmy Dorsey (Cornet); Eddie Lang (Guitar); Unknown Artist (Bass, Vibraphone); 
ニューヨークで活動していた姉妹デュオのポンス・シスターズの録音。この録音でもラング=ヴェヌーティが参加。ヴァイオリンとヴォーカルのコール・アンド・レスポンスが素晴らしい!わたしとしてはポール・スモールの録音よりもこちらの方が好みではある。

Andy Stein Blue Five (Englewood, NJ, January 19 to 22, 2003)
Andy Stein (Violin, Vocal); Vince Giordano (Bass Saxophone, Cymbal); Dan Levinson (Clarinet, C-Melody Saxophone); Martin Wheatley (Guitar); David Boeddinghaus (Piano);
アンディ・スタインの録音。ここで歌っているのはスタイン本人で、アレンジはどちらかと言えばラング=ヴェヌーティ、とくにポール・スモールの録音をした時期にしているように聴こえる。ここではとくに素敵なダブルのヴァイオリンの音色を楽しめる。

Debbie Arthur’s Sweet Rhythm (Maidenhead, London, February 2010)
Debbie Arthurs (Vocals, Percussion); Trevor Whiting (Clarinet, Saxophones); Spats Langham (Guitar); Martin Litton (Piano); Andy Woon (Cornet); Mike Piggott (Violin); Malcolm Sked (Bass)
イギリスで活躍しているデビー・アーサーの録音。イントロからしてアネット・ハンショウのフォロワーと言えばそうかもしれないんだけど、それだけではなくて親しみやすい歌声が素敵。アレックス・パングマンの録音とも違う雰囲気でそこも素敵。

Alex Pangman (Algiers, LA, March 13–14, 2014)
Alex Pangman (Vocals, Arrangement); Matt Rhody (Violin); Kevin Clark (Trumpet); Bruce Brackman (Clarinet); Tom Saunders (Bass Saxophone); John Rodli (Guitar); Robert Snow (Bass);
カナダのスウィートハート、アレックス・パングマンの録音。ニューオーリンズで活動しているミュージシャンと一緒の録音でここではとくにHot Club of New Orleansのメンバーとの録音となっており、ニューオーリンズ・スタイルも見え隠れする。

Tatiana Eva-Marie & Avalon Jazz Band (NYC, 2016)
Tatiana Eva-Marie (Vocals); Adrien Chevalier (Violin); Vinny Raniolo (Guitar); Albert Behar (Accordion); Julian Smith (Bass);
タチアナ・エヴァ=マリーの録音。フレンチ・ジャズやマヌーシュ・ジャズに志向している。やはり歌も演奏も抜群に素晴らしい。


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