Ida! Sweet as Apple Cider

「アイダ、スウィート・アズ・アップル・サイダー Ida! Sweet as Apple Cider」は1903年にエディ・マンサン Eddie Munson が作曲し、エディ・レオナード Eddie Leonard が作詞したポピュラーソング。ジャズ以前にできた曲だが、トラッドジャズでしばしば演奏されるトラッドジャズ・スタンダード。

アップル・サイダーのように甘い

歌詞は「アイダ」と呼ばれる女性を讃えている。ここで出てくるサイダーは炭酸のりんごの発酵酒。タイトルの通りにとっても甘くて飲みやすい。アイダちゃんは、そんなサイダーのように甘い女性。歌の主人公はそんなアイダちゃん抜きには生きてはいけない。主人公がアイダちゃんに対する気持ちが全面に押し出された曲。

ちなみにサイダーは、スペインだったらシードルと呼ぶ。スペインに行ったときに「シードルはスペインの北西にある島でできたスペインの飲み物だ！」とパブの店員が豪語していたんだけど、それってイギリスなのでは…と思った（が、言えなかった）。アメリカにいた時は完全に禁酒していたので飲まなかったのでわからないけど、曲のタイトルになるくらいなんだからアメリカでも飲まれていた酒なのだろう。

録音

The Mills Brothers (NYC, September 13, 1934)
John Mills (Vocal, Guitar); Herbert Mills (Vocal); Harry Mills (Baritone Vocal); Donald Mills (Vocal)
ミルズ・ブラザーズの録音。最高のジャイヴ/ジャズ・コーラスの一つ。素敵。

Benny Goodman Quartet (NYC, February 3, 1937)
Benny Goodman (Clarinet); Lionel Hampton (Vibraphone); Teddy Wilson (Piano); Gene Krupa (Drums)
ベニー・グッドマンのRCAセッションの録音。スローなテンポのテーマのあとに倍速になる。非常にかっこよい。

John Kirby & His Orchestra (NYC, January 20, 1941)
Charlie Shavers (Trumpet); Buster Bailey (Clarinet); Russell Procope (Alto Saxophone); Billy Kyle (Piano); John Kirby (Bass); O’Neil Spencer (Drums)
ジョン・カービー楽団の録音。40年代のニューヨークのスモール・グループとしては最高のメンバーが集まっている。私としてはやはりオニール・スペンサーのドラムに萌える。

Milt Buckner & Jo Jones (Paris, 18 May, 1971)
Milt Buckner (Organ); Jo Jones (Drums)
ミルト・バックナーとジョー・ジョーンズの録音。ジョー・ジョーンズがノリノリだし、ミルト・バックナーはめっちゃ気持ちよさそうに弾いている。途中でソルト・ピーナッツが挿入される。

Paul Bacon (NYC 1990s)
Paul Bacon (Vocals); Jon-Erik Kellso (Trumpet); Mike Hashim (Alto Saxophone); James Chirillo (Guitar);Keith Ingham (Piano); Coral Fawkes (Bass); Rob Garcia (Drums); Stan King (Percussion);
ポール・ベーコンの録音。ベーコンの歌が非常によく、アレンジもかっこいい。シカゴ・スタイル。

Ed Polcer’s All Stars (Smyma, GA 1991)
Allan Vache (Clarinet); Ed Polcer (Cornet); Bob Havens (Trombone); Marty Grosz (Guitar); Johnny Varro (Piano); Bob Haggart (Bass); Hal Smith (Drums);
エド・ポルサーの録音。シカゴ・スタイルのオールスター録音。ヴァシェとポルサーの掛け合いが非常にかっこよい。

Hal Smith, Keith Ingham, & Bobby Gordon (NYC, April 20, 1993 & April 21, 1993)
Hal Smith (Drums); Keith Ingham (Piano); Bobby Gordon (Clarinet)
シカゴ・スタイルの達人たちの録音。スローなテンポで余裕たっぷりの演奏を楽しめる。

The Wiyos (Harrisonburg, VA, Summer 2003)
Parrish Ellis (Vocals, Acoustic Guitar, Electric Guitar, Resonator Guitar); Michael Farkas (Vocals, Washboard, Harmonica, Banjo, Kazoo, Other [Sundries]); Joseph "Joebass" DeJarnette (Bass, Harmony Vocals)
ウォッシュボード・バンドのワイヨーズの録音。ジャズ、ブルーグラスなどアメリカーナの中心をいくような楽しいアンサンブル。

Chris Tyle’s Pacific Players (Costa Mesa, CA, August 16, 2006)
Chris Tyle (Clarinet); Ray Skjelbred (Piano); June Smith (Guitar); Katie Cavera (Bass, Guitar); Hal Smith (Drums);
クリス・タイルの録音。シカゴ・スタイル。こちらの録音ではピーウィー・ラッセルのトリビュートとなっている。

Jim Kweskin & Meredith Axelrod (Santa Monica, CA, Released in 2016)
Meredith Axelrod (Vocal, Guitar, Ukulele & Mouth Trumpet); Jim Kweskin (Vocal, Guitar & Banjo); Benny Brydern (Fiddle); Marquis Howell (Bass)
ジム・クウェスキンとメレディス・アクセルロッドの録音。フォーキーなライブ実況録音。少し癖のあるアクセルロッドの歌もよい。