The Charleston

「ザ・チャールストン Charleston」は、1923年にジェイムズ・P・ジョンソン James P Johnsonが作曲し、セシル・マック Cecil Mackが作詞したジャズ・ナンバー。

ダンス・ステップやリズムの種類としても名高いチャールストン。ジェイムズ・P・ジョンソンがこのリズムを作ったのではなく、もともと黒人のキャバレーで使用されていたリズムをジェイムズPが楽曲に取り入れたもの。実際にジェイムズPは1913年にこのステップの基礎となるようなものををニューヨークで見たと言われている (Furia & Lasser 2006)。このとき踊っていたのはサウス・カロライナからニューヨークに来ていた船の積荷作用員たちであった。

ジェイムズPは多くのチャールストンの曲を書いたが、もっともヒットし有名になったのは、この「ザ・チャールストン」。そういうわけで、いまでは英語でも日本語でも「ザ・チャールストン The Charleston」ではなく端的に「チャールストン Charleston」と呼ばれてることの方が多い。

録音

Quintette du Hot Club de France (Columbia, Paris, April 21 1937)
Stéphane Grappelli (Violin); Django Reinhardt (Guitar); Pierre “Baro” Ferret (Guitar); Marcel Bianchi (Guitar); Louis Vola (Bass)
マヌーシュ・ジャズでもたびたび演奏されるチャールストン。オリジナルのイントロが加えられている。チャールストンのリズムは少し弱め。

This is Jazz (NYC March 1 1947)
Muggsy Spanier (Cornet); George Brunies (Trombone); Albert Nicholas (Clarinet); Sidney Bechet (Soprano Saxophone), James P. Johnson (Piano); Danny Barker (Guitar); George "Pops" Foster (Bass); Warren "Baby" Dodds (Drums)
ラジオ放送での録音。シカゴ派/ニューヨークのオールスター録音。すんごい素晴らしい！ジェイムズPのソロも好きなんだけど録音場所がわかんなかった。

Willie “the Lion” Smith (Paris December 24 1949)
Willie “the Lion” Smithのソロ・ピアノ。もう元気すぎるおじさんって感じ。勢いが半端ない。

Danny Barker's Band (NYC 1958)
Joe Muranyi (Clarinet); Don Frye (Piano); Danny Barker (Banjo, Vical); Wellman Braud (Bass); Waiter Johnson (Drums)
ダニー・バーカーのバンドの録音。これもだいぶかっこいい。ダニー・バーカーのでかい音のバンジョーの説得力がすごい！

The Butch Thompson Trio (March 16–17 1992)
Butch Thompson (Piano); Robbie Schlosser (Bass); Hal Smith (Drums)
イントロから開始されるブッチ・トンプソンの録音。達人たちの演奏ってやっぱすごいなあと思う。

Fapy Lafertin Quintet & Tim Kliphouse (Saint-Cyr-sur-Morin September 2003)
Tim Kliphouse (Violin); Fapy Lafertin (Guitar); Jan Brouwer (Guitar); Reinier Voet (Guitar); Simon Planting (Double Bass)
レジェンドたちの渾身の録音。むっちゃグラッペリなんだけどやっぱティムっぽさがあって好き。ファピーのギターもとてもジャンゴ！この時代にこの手法で録音してくれてありがとうって思います。

Pierre Blanchard & Dorado Schmitt (Paris 2004)
Pierre Blanchard (Violin); Dorado Schmitt (Guitar); Samson Schmitt (Guitar); Diego Imbert (Bass)
ピエール・ブランシャールとドラド・シュミットの録音。ブランシャールまじかっこいい！グラッペリの弟子。そういった情報を抜かしてもすごいなあって思う。あがる。

Marty Grosz and the Hot Winds (NYC 2011)
Marty Grosz (Guitar); James Dapogny (Piano, Celesta); Jon-Erik Kellso (Trumpet); Scott Robinson (Saxophone); Vince Giordano (Bass Saxophone); Dan Block (Clarinet); Arnie Kinsella (Drums, Temple Block);
ちょっとラテンみのあるチャールストン。むちゃくちゃかっこいいアレンジ！ほかにルイ・プリマとかジェイムズP自身の録音も素晴らしいんだけど今回はここまで。

Emmet Cohen (NYC September 18 2019)
Emmet Cohen (Piano); Corcoran Holt (Bass); Albert Heath (Drums)
エメット・コーエンのライブ実曲録音。アルバート・ヒースのドラムを堪能できる。こういった現代ジャズの流れでチャールストンみたいな曲をやっているのは貴重な存在かも。コーエンのソロかっこいい！

参考文献

Furia, Phillip & Lasser, Michael. (2006). America’s songs: The stories behind the songs of Broadway, Hollywood, and Tin Pan Alley. London: Taylor and Francis.