見出し画像

Dream Man (Make Me Dream Some More)

「ドリーム・マン Dream Man」はミルトン・エイジャーMilton Agerが作曲し、ジョー・ヤング Joe Youngが1934年に作曲したポピュラー・ソング。

「夢」は不可能なことを可能にする現象として文学作品や絵画におけるモティーフにされてきた。日本でも落語の演目「芝浜」のサゲが「夢になるといけねえ」で終わるように、夢というものは「束の間の儚いなにか」や「ありもしないできごと」を連想させるのに利用されている。この「ドリーム・マン」も同じで、「別れた昔の恋人が夢に現れ、天国にいるような気分だ」「優しい唇が僕にキスをする。僕を恋しいと言ったんだ。前よりもっと恋しくなったと言ったんだ」「ドリーム・マンよ!もっと夢を見させてくれ!」という儚い記憶が辿られている。メロディも優しく素敵な一曲。

録音

Fats Waller and His Rhythm (NYC November 7 1934)
Fats Waller (Piano, Vocal); Bill Coleman (Trumpet); Eugene Sedric (Clarinet); Al Casey (Guitar); Bill Taylor (Bass); Harry Dial (Drums)
ドリーミーなピアノが特徴のファッツ・ウォーラーの録音。こういった曲はファッツ・ウォーラーが得意としていて、アンサンブルとあいまってとても楽しい録音になっている。

John Sheridan And His Dream Band (Bradenton, FL January 8 and 9, 1999)
John Sheridan (leader, piano, arranger, vocal); Randy Reinhart (cornet, trumpet, trombone); Dan Barrett (trombone, cornet); Brian Ogilvie (tenor and alto saxes, clarinet); Ron Hockett (clarinet, alto sax); Reuben Ristrom (guitar); Phil Flanigan (bass); Jeff Hamilton (drums)
ジョン・シェリダンの録音。ここではビッグ・バンドに志向したスウィングを展開している。これもとても素敵。

Bob Barnard & Ralph Sutton (Sydney, April 21 1999)
Bob Barnard (Cornet); Ralph Sutton (Piano); Ed Gaston (Bass); Len Barnard (Drums)
さすがラルフ・サットンといった録音。ファッツ・ウォーラーの演奏を踏まえて自分のストライドを表現している。ピアノの音と曲がとてもマッチしていてとても好き。

Marty Grosz and His Hot Puppies (Hemer, Germany November 19, 2001)
Marty Grosz (Guitar, Vocals); Randy Reinhart (Trumpet); Nico Gastreich (Bass);
マーティ・グロスのトリオでの演奏。ファッツ・ウォーラー風のヴォーカルといつもの唯一無にのギターが特徴的。シンプルで味わい深い素晴らしい録音。

Birch Pereira and the Gin Joints (Seattle 2015)
Birch Pereira (Vocals/Bass); Jason Goessl (Guitar);Jacob Zimmerman (Clarinet/Saxophone); Tim Kennedy (Wurlitzer);  Adrian Van Batenburg (Drums);
バーチ・ペレイラかバーク・ペリーラか読み方がわからないんだけどシアトルで活動しているベーシストのバンド。この録音ではウーリッツァーの音色がとてもドリーミーでかっこいい。それとYouTubeに素敵なスタジオライブが上がっていた。
https://www.youtube.com/watch?v=pB-BcpWaXoY

Firecracker Jazz Band (Asheville, North Carolina 2019)
Je Widenhouse (Cornet, Vocals); Bill Seawell (Drums, Vocals); Jason Krekel (Guitar, Vocals);  Andrew J. Fletcher (Piano); Earl Sachais (Trombone); Leo Johnson (Clarinet); Craig Kellberg (Bass)
アッシュヴィルで活動しているファイヤークラッカー・ジャズ・バンドの録音。ピアノのアンドリュー・フレッチャーの美しいピアノからはじまる。アンサンブルもソロもとてもかっこいい。とくにクレイグ・ケルバーグのベースソロに萌える。現在は抜けてしまったがこの編成が一番好き。


投げ銭箱。頂いたサポートは活動費に使用させていただきます。