見出し画像

Algiers Strut

「アルジアーズ・ストラット Algiers Strut」は、1946年にニューオーリンズの一画、アルジアーズで活動したトランペット奏者のキッド・トーマス・ヴァレンタイン(Kid Thomas Valentine)によって書かれたジャズ・マーチ曲。ニューオーリンズ・ジャズのスタンダード。

クリスマス曲である"You're All I Want For Christmas"から着想を得た曲だけど、特段にこの曲がクリスマスをあらわしているわけではない。録音によってはどちらのタイトルも併記している場合もある。

また1946年当時は歌詞がなかったが、ヴァン・ハルテン(Van Hulten)が歌詞を付け加える。が、歌ありで録音されることは管見の限りでは多くはない。歌詞は「アルジアーズまでマーチをしよう!一緒に行こうよ!セカンドラインだ!パレードをしよう!おいしいお酒を飲んでワイワイ楽しもう!」という内容。

作曲者のキッド・トーマスは1896年にルイジアナ州リザーヴに生まれた(1906年生まれという表記もある)。1926年にアルジアーズに移り、自身のバンドを立ち上げた。独自のブルージーなトランペットが持ち味。ルイ・アームストロングのトランペットから影響を受けなかったため、それ以前にニューオーリンズで演奏されていた奏法を実演している。自身は54歳になるまで録音しなかったので、かれが脚光を浴びた時期はちょうどニューオーリンズ・ジャズのリバイバル期と重なる。晩年までニューオーリンズのプリザベーション・ホールで演奏を続けていた。

録音

作曲がされた時期に鑑みて、戦前の録音はありえないが、本人の演奏も含め、ニューオーリンズ・スタイルで世界中で録音されている。
Leroy Jones (New Orleans November 12 2022)
Leroy Jones (trumpet); Wendell Brunious (trumpet); Alonzo Bowens (tenor saxophone); Ethan Santos (trombone); Craig Klein (trombone); Dani Alonso (trombone); Rob Espino (sousaphone); Brian Lewis (snare drum); Katja Toivola (bass drum)
ニューオーリンズのリロイ・ジョーンズの録音。ニューオーリンズ・ジャズのスタンダードを集めたアルバムの第二弾から。めちゃくちゃかっこいい。トロンボーンのクレイグ・クラインも素晴らしい。あとウェンデル・ブルネウスのようなベテランも参加。さいくぅ!

Kid Thomas Valentine and His Algiers Stompers
Joseph Butler (Bass); Sammy Penn (Drums); Charlie Hamilton (Piano); Emanuel Paul (Tenor Saxophone); Louis Nelson (Trombone); Kid Thomas Valentine (Trumpet)
アップタウン・ニューオーリンズで行われている演奏。キッド・トーマスの熱演。ルイス・ネルソンのトロンボーンも本当にかっこいい!

Swingsters (Stockholm 2001)
北欧は実はディキシーランドがもっとも録音されている地域ではないかと思う。スウェーデンも例に漏れず本当に多くの素晴らしいバンドがいる。ベテラン・バンドのSwingstersも素晴らしいバンド。ウェストコースト・リヴァイバル的なアプローチ。

投げ銭箱。頂いたサポートは活動費に使用させていただきます。