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今だから話す、原理研究会から勧誘を受けて合宿に参加してから勧誘を振り切るまでの出来事。〜その1

大学生や、特に大学進学を考えている高校生にわたしの体験談や、それから考えたことを読んでいただきたい。
近頃大変痛ましい事件が起きたが、事件を起こしたとされる容疑者の供述に出たカルト団体についての話だ。
そう、どういうわけか各種報道機関は名指しを避けている統一教会のことである。
この団体がどういう団体であるか、現正式名称が世界平和統一平和連合であることや、教祖、歴史などの解説はWikipediaの該当項目を読んでいただくとして、本稿では学生生活を安全に送るために、現在も活動している統一教会の学生組織 である原理研究会(以降、原理研)での体験談などを書いていこう。
本来、こういうものは大学が学生案内などで注意喚起をしているものなのだが、それを読まずに勧誘に乗ってしまう人間がいるのはカルロ・ゼン/石田点『テロール教授の怪しい授業』第1巻に描写されている通りである。

そして、学生案内を読んでキャンパスに潜むカルトの存在を知っているにもかかわらず、勧誘に引っかかり原理研に片足を突っ込んでしまった僕のような人間もいるので、注意喚起はどこでもいつでも何度でもしておく必要がある。カルトとゴキブリは退治しても次々と湧いて出る。
今回を含め、10回に分けて記事にしていく。2日に1回は発表したい。

ハンターの狙い、彼らとの遭遇

ときめきなき出会い

20年前、当時大学2年を終えようとしていた2月中旬。サークル活動での人間関係でかなり病んでいた僕は母校の学生相談所を訪れて相談員に悩みを話していた。
20年前、当時大学2年を終えようとしていた2月中旬。サークル活動での人間関係でかなり病んでいた僕は母校の学生相談所を訪れて相談員に悩みを話していた。
なにか話せば、丁寧に「そうですか」と相槌を打つ…それが傾聴という姿勢であると知るのはずっと後のことで、そのときは傾聴をする相談員に話をすることで気持ちを安定させるということは考えておらず、具体的な解決策を知りたいという気持ちばかりが募っていった。不安に不満を重ねて相談所を出、全学部教養課程の講義で使われる教室棟を抜けようとすると、ある女性が話しかけてきた。
「学生生活に関するアンケートを行っています。よろしければ答えていただけませんか?」
いつもなら無視して帰りを急ぐところだ。だが、その時の僕は不安で仕方がなく解決策も得られなかった不満も相まって判断力が落ちていてあんけーとという名の釣り針にかかってしまった。

原理研の狩場と獲物

ここで一度、原理研の狙いを解説しよう。
ハンター、すなわち原理研の勧誘係が声をかけるのは一人で過ごしている学生である。
声をかけられやすい学生の特徴は、

  • 見るからに不安を抱えていそうであること

  • 人が良さそう

  • 抵抗しなさそう

他にも色々あるだろうが、大きくわけてこの3つだろう(この3つだって重なっているかもしれない)。
そして、勧誘係が張っている場所は

  • 声をかけやすい人が出入りする建物の近く

である。
僕がそのときいた場所は格好の狩場であった。
しかも2月中旬でテストも終わり、サークル活動でもなければ学部生はキャンパスに来ることもないし、ましてや健康な学生は立ち寄ることはない場所である。
僕は獲物になった。

その2、勧誘で行われることに続く。



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