フルトヴェングラー×フィッシャーのベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」の珍しいCD

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ピアノ独奏:エドウィン・フィッシャー
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
演奏:フィルハーモニア管弦楽団
録音:1951年2月19,20日

フルトヴェングラーとフィッシャーによるベートーヴェン「皇帝」の名盤で、何度もCD化されている演奏だが、その中であまり触れられることのないCDが2点あるのでここで紹介する。

左が新星堂による復刻、右がイタリアEMIによるリマスター。

エドウィン・フィッシャーの芸術 Vol.9

まず、1点目は新星堂オリジナル企画で、エドウィン・フィッシャーの演奏をシリーズ化していたものの第9集(型番:SGR-7109)にフルトヴェングラーとの「皇帝」が収録されている。ちなみに、フィッシャー弾き振りのベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番とセットである。

このCDだが、SPレコードからの復刻と読み取れる記述がある。板起こしCDは何点か存在するが、いずれもLPからの復刻であるため貴重である。
ただ、新星堂の他のSP復刻CDと比較すると明らかにノイズが少なくてテープ音源のようにも聴こえるので、SP復刻ではないのかも知れない。

「ディスクよりダビング」というのはSP復刻のことを示す…?
原盤SPレコードのマトリックスが記載されている。

THE 50's(イタリアEMIリマスター)

2点目は、イタリアEMIによるリマスター(型番:THE50-17)である。
このCDは2枚組で、1枚目にベートーヴェン交響曲第7番とピアノ協奏曲第5番「皇帝」、2枚目に交響曲第9番(バイロイトの第九)が収録されている。

このCDは、音質に定評のあったイタリアEMIによるベートーヴェン交響曲全集と同一音源である言われている。しかし、当然ながらピアノ協奏曲は交響曲全集には含まれていない。つまりこのCDは「皇帝」のイタリアEMIリマスターを聴くことのできる唯一のCDと言える。

デジタルノイズリダクションが使用されているため、特にヘッドホンで聴くと音の劣化が気になるところではあるものの、リマスター自体は演奏の迫力を巧みに引き出すことに成功している。より音楽的に楽しめるものとなっているので、このCDの方がおすすめできる。

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