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主体的な子どもを育てる環境


今回は、スクーミータレントクルー松嶋陸さんインタビュー第2弾です!
月刊スクーミーvol.5は記事最後のリンクからご覧いただけます

月刊スクーミーvol.5

課題を見つけることの難しさ

 今日、学校教育において「課題解決型の学習」の重要性が謳われています。自ら課題を見つけ、解決していけるような子どもたちの育成が求められているのです。そのために、学校の授業も受け身ではなく主体的なものにしていこうとしています。しかし、子どもたちが主体的に課題を見つける授業を行うことはなかなか難易度の高いことなのではないかと思っています。ほとんどの子どもは授業で新しい知識や見方・考え方を身につけます。全く無知の分野から、主体的に課題を見出すことは大人でも簡単にできることではありません。
 例えば、「ブラジルの課題を解決してください」と言われた場合、ブラジルに関する知識なしではどんな課題があるのかを考えること自体難しいです。しかし、ブラジルに住んでいた経験のある人や、世界の国々についての知識が豊富な人であれば、課題を身近に考えることができるかもしれません。
 これは、学校生活でも同じことが言えるのではないでしょうか。もちろん、授業の中で自分で課題を見つける経験はとても大切です。しかし、最も子どもたちが共通して考えることのできる身近な課題は、学校生活の中で起こる課題だと私は思います。

みんなで課題を解決する

 学校では様々な課題があります。私が教師の友人と話した時に、「教室のゴミ箱がいつもあふれているんだよね。みんな気がついているんだけど、いつも俺が放課後に捨てているんだ。」という話を聞きました。その教室には「ごみがあふれてしまう」という課題があるのです。しかし、その課題を先生が先回りをして解決してしまっているのです。子どもたちが課題に気がついているのにも関わらず先生が解決してしまったら、「先生がやってくれるんだ」という暗黙のルールができあがってしまいます。その状態で、日常の中から課題を見つけ出す力を育成することはできません。
 子どもたちが「教室のゴミがあふれてしまう」という課題に気がついているのであれば、その現状に対する解決策をみんなで考えていく必要があります。気がついた人が捨てにいくのか、係をつけて当番の人が捨てに行くのか、このような議論をみんなで行うべきです。この過程こそが身近な課題を見つけ、解決策を見出す体験になります。 学校では様々な課題があります。私が教師の友人と話した時に、「教室のゴミ箱がいつもあふれているんだよね。みんな気がついているんだけど、いつも俺が放課後に捨てているんだ。」という話を聞きました。その教室には「ごみがあふれてしまう」という課題があるのです。しかし、その課題を先生が先回りをして解決してしまっているのです。子どもたちが課題に気がついているのにも関わらず先生が解決してしまったら、「先生がやってくれるんだ」という暗黙のルールができあがってしまいます。その状態で、日常の中から課題を見つけ出す力を育成することはできません。
 子どもたちが「教室のゴミがあふれてしまう」という課題に気がついているのであれば、その現状に対する解決策をみんなで考えていく必要があります。気がついた人が捨てにいくのか、係をつけて当番の人が捨てに行くのか、このような議論をみんなで行うべきです。この過程こそが身近な課題を見つけ、解決策を見出す体験になります。

より多くの選択肢を持って課題を解決する

 もう一つ、課題を解決していく過程で大切だと思うことがあります。それは解決する際の選択肢の多さです。冒頭では、「気がついた人が捨てる」「係を決める」という選択肢を出しましたが、もっと多くの選択肢が出てくことが望ましいです。
 例えば、社会科の授業で地元の寺院について調べたとします。授業で子どもたちがノートにまとめたものは、模造紙に書き出され教室に掲示されます。そして同級生や保護者、先生方に見てもらうことが多いのではないでしょうか。自分の調べたことをわかりやすくまとめる能力は大切ですが、そのアウトプットを数ある選択肢の中から選んだかどうかも大切な視点だと思います。ここで、地域の人々に知ってもらうためにアプリをつくるという選択肢があった場合、どちらを選ぶでしょう。自分たちの調べたことを地域の人にも知ってもらうふるさと学習の方が、子どもたちにとっても地域にとっても望ましい学習になるのではないでしょうか。
 このように子どもたちが選択肢をいくつ持っているかどうかは、課題解決をする上ではとても大切なことです。スクーミーでは簡単にセンサーをつくったり、アプリをつくったりすることができます。子どもたちの日常の課題解決の中に「テクノロジー」という選択肢を与えることができます。数ある選択肢の中から課題を解決するための適切な手段を選ぶことができる思考力や判断力は、社会に出てからも大切な能力の一つです。
 私たちは、子どもたちが身近な学校生活の課題を自ら見つけ、多くの選択肢から取捨選択して解決方法を見出していけるような世界をつくっていきます。

プロフィール
松嶋 陸

スペシャリティは「社会科見学」
「リク先生の社会科見学」の「リク先生」という呼び名で親しまれている。
子どもたちがダイブするために、興味・関心を引き出し主体性を大切にクラスを展開する。

月刊スクーミーvol.5


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