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すべての人にデジタル力が必要とされる時代

今回は、一般社団保法人デジタル人材共創連盟の代表理事である鹿野利春さんにインタビューしました!
月刊スクーミーvol.7特別号は記事最後のリンクからご覧いただけます。

月刊スクーミーvol.7特別号

デジタル力を向上させるための取り組み

 デジ連(一般社団法人 デジタル人材共創連盟)は主に中学生や高校生のデジタル力を養成するために、経済産業省や文部科学省とも協力しながらさまざまな活動を行っています。これまでは高校卒業後に進学や就職をしてから、初めて本格的にデジタルに触れるという方も少なくありませんでした。しかし現代では、デジタル力というのは全ての人に必要とされる力で、できる限り早い段階から身につけておくべき力です。昨年4月からは、問題の発見・解決のために情報技術を効果的に活用するための基本的な知識、技能を学ぶ「情報Ⅰ」が高校の必修科目になり、2025年からは大学入試の科目にも組み込まれる予定です。これだけデジタル力が必要とされる社会に変容しており、ロボットやプログラミングといったデジタルに関心を持つ子どもも増えてきているにも関わらず、教えられる人が少ないという課題があります。そのため私たちは学校教員の研修を実施したり、あらゆる教育コンテンツを制作したりしています。今夏には高校生向けに、ITパスポートを取得して企業でインターンをするプログラムを開催します。またプログラミングやデジタルアートに関心がある高校生、高専生向けのコンテストも実施予定です。思う存分好きなことに挑戦できる夏休みのこの機会に、ぜひご参加いただけると嬉しいです。

「自分がつくったものを誰かに使ってもらえる喜び」を体験

 私たちの考えるものづくりの良いところは、「思い描いたことを実現する楽しさ」と「自分がつくったものを誰かに使ってもらえる喜び」の2つだと考えています。学校現場でも少しずつデジタル教育が取り入れられ、技術の進歩によってさまざまなデバイスやツールが子どもたちにとっても身近なものになっています。したがってデジタルに触れる機会自体は増加し、学校現場や家庭でもロボットやマイコンボードをプログラミングで動かすといったような「思い描いたことを実現する楽しさ」を体験させてあげることはある程度可能になりました。しかし学校現場や家庭だけでは、子どもたちに「自分がつくったものを誰かに使ってもらえる喜び」を体験させてあげることは難しいです。そのため学校が企業や大学、外部講師と連携していくことで、アイデアや試作品をブラッシュアップできたり、つくったものを実際に世の中に出すことができたりということが可能になります。ですが、学校と企業や外部講師が良い関係を構築することは双方にとって分からないことが多く不安が生じるため、私たちが率先して学校と企業や外部講師を繋ぐ役割をとっています。

美しいものを見たことがない人には美しい絵を描くことはできない

 私たちが考えるデジタル力は、単にデバイスやツールを使いこなす能力ではありません。「こんなものをつくってみたい」という発想力やアイデアを生み出す力が非常に重要だと考えています。これらの能力を伸ばすためには、自然に触れたり、博物館や美術館に足を運んだりといったインプットが大切です。美しいものを見たことがない人には美しい絵を描くことはできないと同じように、自然科学や歴史、文化、語学など幅広い教養がなくては面白いものをつくりだすことはできません。夏休みの期間中は忙しいかもしれませんが、子どもたちには自然の中や博物館、美術館などにもぜひ訪れてほしいと思います。そしてそういった経験を元に、実現するところまではできずとも、まずは自分で「こんなものをつくってみたい」というアイデアを「考えてみる」ところまで到達してくれれば良いと思います。

一般社団法人デジタル人材共創連盟(デジ連)
若年層のデジタル活動の支援を通じて、デジタル人材の育成や、ウェルビーイングを通じた地域の発展と、国際社会における日本のデジタル分野の競争力向上を目指す団体。中高生へのデジタル教育事業や学校現場や教員への手厚いサポートを行なっている。

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