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自らをアップデートする教育

今回は、宮城教育大学教育学部准教授・博士である板垣翔大先生にインタビューしました!
月刊スクーミーvol.6特別号は記事最後のリンクからご覧いただけます。

月刊スクーミーvol.6特別号

テクノロジーを通して学ぶ意義とは?

 テクノロジーを学ぶことは、自身や世の中の問題解決に役に立つものが多いです。実際に手を動かして試行錯誤しながら体験する学びは、日常生活でも活かされることが多いでしょう。テクノロジーがなぜ進歩したのかというと、生活の中でこんなものがあったら良いなという欲を満たすためです。例えば、徒歩からもっと楽に移動したいという欲から自転車ができたり、更にもっと早く移動したいという欲から、車が生まれました。次はもっと遠くへ行くために飛行機などが開発されたりと、人間が便利に過ごすためにさまざまな技術やテクノロジーが日々進歩しています。
 このテクノロジーを通しての学びは、日常生活などにも結びつけやすいと言えるでしょう。何のために勉強しているのだろうという目的が腑に落ちると、主体的に学びたいという意欲が湧きやすくなります。汎用性があって応用が効きやすい分野でもあるため、生活と密着してモチベーションを高めながら学ぶことができるのではないかと思っています。

学校教員が授業でプログラミングを導入するために何を意識すべきか

 学習指導要領やプログラミング教育の手引きに書かれている内容は、確実に押さえておくべきでしょう。その他にも具体的な実践例が載っている書籍やWebサイトもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
 もう一つ意識したいのは、各教科でプログラミング教育の探究のきっかけとなるような場面を把握しておくことです。例えば理科の実験装置で温度センサーを用いてみると、入力が自動化できるようになります。このようにプログラミングを取り入れることで、その理科の実験がやりやすくなる場合もありますよね。
 子どもたちがプログラミングというものに慣れるために、休み時間などを使って自由に触らせるということは大事だと思っています。授業の中でプログラミングを教えるというよりは、子供たちが触りながら学べるように働きかけることが大切です。プログラミングに限った話ではありませんが、現代の学び方として教員が全てをコントロールせず、自ら必要なことを選択して体験的に学んでいくことを意識するべきでしょう。

教育を学んでいる学生が持つべき考え方

 現在教育を学んでいる学生が新卒から退職するまで働こうとした時に、時代の流れとして必ずテクノロジーと上手に付き合っていかないとならない場面が多くなるでしょう。大学生のうちにいろいろなテクノロジーに触れてみて、できれば活用するといったところまでしておくと良いのではないかと思います。
 また長年の間教員として働くにあたって、スキルのアップデートの仕方や知識の学び直しをその都度していく必要があります。現在ではオンラインコンテンツも増えて学びやすくなっているので、自ら学ぶためにテクノロジーを活用し、さまざまな知識のアップデート方法を身につけていってほしいと思います。
 将来自分たちが教える子どもたちにも、常に学ぶ姿勢やスキルのアップデートの仕方を教えるという視点も持って、先生として接することができるようになってほしいです。

プロフィール
板垣 翔大 氏

宮城教育大学 教育学部 准教授・博士(情報科学)
武蔵野大学中学校・高等学校 教諭,大阪教育大学 特任講師を経て現職。
専門は、技術科教育,教育工学(特に学習や指導を支援するシステム開発やプログラミング教育)
文部科学省 学校DX戦略アドバイザー等を務める。

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