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「サーキュラーエコノミー実践」を読む

安居昭博 著の「サーキュラーエコノミー実践 オランダに探るビジネスモデル」を読んだので感想を述べたいきたいと思います。

https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527785/

SGDsに関連した内容で環境問題とビジネスをどう両立していくかを、欧米を中心とした政治的な枠組みからや、オランダと日本の実例を紹介しながら、より良い未来の実現に向けて執筆された書籍です。

サーキュラーエコノミーとはなんぞや。
それは対称的な従来のリニアエコノミーを取り上げると理解しやすく、生産・消費・廃棄の一方通行のビジネスモデルでは環境負荷が大きすぎる。そこで廃棄のプロセスをなくして、生産・消費を繰り返し循環させるビジネスモデルがサーキュラーエコノミーになります。
僕は漠然とリサイクルという言葉がパッと浮かびましたが、それはサーキュラーエコノミーに含まれるいち要素になるそうです。

先日書いたプロセスエコノミーもそうですが、モヤモヤした概念が定義を決めて言語化してくれることで、物事の輪郭が浮かび上がって理解しやすくなります。まさに「啓く」という感覚を味わって、優越感に浸っております。
ただ、実存的効用はあるのですが、僕の可処分所得が低いという実利的問題解決にはなかなか結びつかないんですよね。。。

さて、本書の内容に戻るとオランダの実践例が取り上げられていて、一部を紹介すると、
・マッド・ジーンズ
  リース型ジーンズの仕組み
・フェアフォン
  ユーザーが修理できるスマートフォン
・スホーンスヒップとデ・クーベル
  サーキュラーエコノミーの実験コミュニティプロジェクト。
  スホーンスヒップは住居、デ・クーベルは産業に関する実験エリア
・エクセス・マテリアル・エクスチェンジ
  廃棄物のマッチングプラットフォーム
など。

また日本の実践もいくつかあって、日本の林業をアップデートしているFIL、コンポストプロジェクトを行っている黒川温泉地域、サーキュラーヴィレッジ大崎町などが紹介されています。

それらの仕組みに共通して思ったことは、どれも面白そうということでした。僕の中ではどこかしら環境に関連する事となると、奉仕といった側面であったり、制限や我慢しなければならない印象があったのですが、現在は技術が進歩したこともあり、そういう認識を払拭できる時代になりつつあるんだと感じました。

本書で取り上げられているビジネスの現場では、コストや効率性の問題や、目的の社会問題解決はしたのだけれど別の社会問題が新たに立ち上がることもあるのかもしれません。それらを乗り越えるためには、当事者の力だけでなく、受け手側の力も必要になってくると思うので、僕もできることから少しずつ行動していこうと思います。
力まずに気軽に社会貢献できるサービスなりプロダクトも上記以外にも掲載されているので、少しでも気になっている方は必読で、そうでない人もぜひ読むことをオススメします。


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