天鵞絨の喝采 闇

死府へ行くのにも切符が必要かい?
花刷の凹版紙は?

ところが市府庁の税吏ときたら、
腰には
回された夫人の指
木の幹から切り落した
その真っ白いばかりの
樺の花枝を
まつわりつかせていらっしゃる、

鼻音、そして通底する口、

――誰を引き摺るのか、

宜しい、おやすみ
きよらかな
少女達よ
少年達よ、

眞昼の後の夕――そして闇だ

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