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【レビュー】ゲーム『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上』を重篤ヘッズがマジメに語る!

ついにKADOKAWA発売のニンジャスレイヤーのゲーム「ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上」をクリアしたぞ!

というわけでこの記事では、10年来のニンジャヘッズであり、生まれてから2Dアクションゲームばかり遊んで育ったこの俺が、ニンジャヘッズとアクションゲーマー両方の目線で、超マジメー!に、一切の忖度抜きでクリアレビューをしていきたいと思います!
他ゲーとの比較もバンバンするので、企業やPRでは絶対書けないレビューになっているぞ!好きなアクションゲームはロックマンシリーズです!

ゲーム公式さんにお墨付きをいただいた攻略記事もヨロシクね!


筆者プレイ環境

・steam版
 クリアまでは初期バージョン。
・PCスペック
 CPU:13th Gen Intel(R) Core(TM) i7-13700K
 GPU:NVIDIA GeForce RTX 4080
 メモリ:32452 Mb
 コントローラ:純正エリコン

ゲーム概要

対応プラットフォーム:Steam® / Nintendo Switch™
ジャンル:ハイスピードニンジャアクション
希望小売価格:2,750円(税込)
発売日:
 Steam®: 2024年7月24日
 Nintendo Switch™: 2024年7月24日
発売元:KADOKAWA(KADOKAWA Game Linkage)/ABCアニメーション
開発:Skeleton Crew Studio

公式サイトより

本作はKADOKAWA Game LinkageとABCアニメーションが組んで販売を行うインディーゲームプロジェクト第1弾タイトル、らしい。
つまり、角川がもつIPでインディーズゲームを作る最初の企画にニンジャスレイヤーが選ばれたということだ。つくづく思うのだがインディーズの基準がわからん…。
開発は『olija』で実績のあるSkeleton Crew Studio。前作もストーリー性のあるアクションゲームだったのでぴったりなチームと言えるだろう。

ニンテンドーダイレクトで突如PVが挿入されNRS(ニンダイリアリティショック)が巻き起こったのが記憶に新しい。宣伝にはかなり気合が入っているようだ。

ステージセレクトシステム

8ステージから好きなステージを選んで遊ぶロックマン式。
発売前からロックマンのパクリと散々いじられているのを見たが、原作第1部の時系列シャッフル方式と綺麗に噛み合っているのでこれはナイスアイデア。

居る場所と顔がわかるのは『ロックマンX2』『X3』に似てる

ロックマンと同じくボスを倒すとワザがもらえるが、全ボスが攻撃用のワザを持っているわけではなく、移動用の2段ジャンプやアイテム回収用のフックロープみたいなものもある。ロックマンの中で強いて言えば『ロックマンX4』のゼロ編が近いかもしれない。

8ステージをクリアすればもちろんワイリーステージ、もといトコロザワピラーが解禁される。ここは途中のステージやボスラッシュはなく、新規ボスが4人いるだけのシンプルな構成。

アクション面

ナラクの優しみ

スタンダードな近接型アクション。
敵との接触ダメージはないので、とにかく近寄って攻撃するのが重要になる。
脆い敵は瞬殺できるが、硬い敵は攻め方を考える必要がある。
3Dグラフィックで2Dアクションをするさまは『真魂斗羅』や『ロックマンX8』あたりのゲームを彷彿とさせる。

Xで通常攻撃、走りながら攻撃可能。立ち止まって最大三連撃。後ろの技ほど隙がでかく火力が高い『ロックマンゼロ』式。
Yでニンジャダッシュ。時間でたまるダッシュゲージを使う、チャージ可能で方向指定も可能な突進技。後述。
Bでスリケン。消耗品の横方向遠距離攻撃だが…RBのスリケン生成含め後述。
Aでジャンプ。かなり高く跳ぶし、軌道の操作はかなり柔軟で快適。2段ジャンプを手に入れれば倍飛べる。壁に当たると壁キックが可能。左右の壁を交互に蹴る『忍者龍剣伝』やマリオ式。
RTボタンと特定のボタン組み合わせでヒサツ・ワザ。
敵を倒すか、後で手に入るLBボタンのブリッジ回避のジャスト入力でカラテゲージが溜まり、一定量にいくと1発ぶんヒサツ・カウントがストックされる。ストックされた数だけ連発可能。カットインとシャウトがあるのが売り。

体力が1回ゼロになるとナラク化が発動。超パワーアップして復活するが一定時間で切れる。切れた後もう1回体力がゼロになるとワンミス扱い。

ステージ攻略

1ステージの初回クリア時間は長くて12分、短くて4分ほど。
一部落下死で即死判定あり。

間隔的に🚫マークの壁で塞がれた雑魚沸きポイントがあり、一定の敵を
倒すと通過可能になる。

ステージ内には本筋から離れた位置に「体力ゲージアップ」や「カラテ・カウント数アップ」のドリンクが置いてある。
一部は決まったヒサツ・ワザがないと取ることができないので、1回クリアしたステージも強化アイテム探しにいくことになる。ここは実にロックマンしている。

クリアするとクリアランクが表示されるが、神がかったプレイヤーでない限り初見ではまずBよりうえは無理と思われる。Sランクなんてやり込まないとまず取れないだろう…。

ボス戦

ステージ最奥の赤い床を踏むとボス戦。
ここもロックマン的で、最初から敵の体力ゲージが表示されている。当然0にすれば撃破。
どのボスも複数の技を放ってくるので、予備動作を見極めながら戦う必要がある。
敵によっては体力が減った時にしか出さない技もある。

ボスごとに決まった弱点のヒサツ・ワザをあてると大ダメージチャンス。ここも実にロックマン。
ボス戦闘中にカラテゲージを回復するには、ブリッジ回避のジャスト回避を成功させる必要がある。

紫に燃えるのが全ボス共通の大技の合図

ステージの初回クリア時はヒサツ・ワザだけでなく「体力ゲージアップ」「カラテゲージアップ」「ナラク化時間増加」などのパワーアップがもらえる。
つまり、ニンジャスレイヤーの強化は「初回ステージクリア時」と「ステージ中強化アイテムゲット」の2種類の契機があるのだ。

初のゲーム化じゃないぞ!

旧Twitterでニンジャスレイヤーの初の公式ゲーム化と言っている人が散見されるが、それは違う!
なぜなら、4年前にsteamで見下ろしシューティングの『AREA4643』が出ているし、さらに前には『急げニンジャスレイヤー』などのブラウザゲーが公式サイトで遊べたのだ(全部同じ方の開発だが)。
なので、今回は正確には「角川が企画販売を行った初のニンジャスレイヤーコンシューマーゲーム化」が正しい。
さらにいえば、公式サイトの"コミック版1~14巻をベースに世界観を構築"の文言からして、「第1部コミカライズのゲーム化」というべきか。

好きなところ

イベントの再現度がスゴイ!

まずはこれを見てもらおう。

漫画版の構図がフルカラー3Dで完全再現されているゥ!
目コピでこの再現度なのだから、モデリングチームの気合が伺える。

さすがは原作者フル監修といえるだろう、ここはヘッズも腕を組んで満足できるところ。

ザコのバリエーションがスゴイ!

ニンジャスレイヤーのザコキャラといえばクローンヤクザだが、このゲームは他にも雑魚のバリエーションがある!

ヒョットコ!

バイオスモトリ!イカを食べる!

カッパとロケランオイラン!

ライオン!

ライオンナンデ?と思うかもしれないが、これはコミカライズ1巻収録エピソードの「ネオヤクザ・フォー・セール」で首チョンパされていたライオンなのだろう。こういうマニアックなキャラ(?)がいるほどキャラゲーは喜ばれるのだ。

背景が良い!

背景グラフィックが極めてよくできている。ここもさすがの原作者監修。

忍殺語が書かれたネオン看板を伝ってニンジャのもとへ走るのは、まさしく原作の象徴的シーンそのものだし、背景にネコネコカワイイの看板やヨロシサン製薬のロゴが貼られているのも感動ポイント。

もはや聖地巡礼

ネオサイタマの地上を歩き回る感覚を味わえるソニックブームステージと、反対にビルの上を飛び回る感覚を味わえるクラウドバスターステージは、コミカライズで読んだ町並みのイメージが過不足なく再現されている。

特に、コトダマ空間を立体で表現したダイダロスステージと、スラム街の広大な奥行きを表現したインターラプターステージは、原作でも描かれていなかった世界を3D空間に落とし込んでさらに想像力を膨らませてくれた完璧な出来栄え。

ただ攻略だけを目的としていると見落としがちだが、自分の手でネオサイタマの風景を歩き回り、見て回れるのはまさしくゲームならではの体験だ。
アクションゲームとしてはもちろん、ネオサイタマの観光ゲーとして楽しめるのはキャラゲーとして大正解だろう。

ウインドウが浮かぶダイダロスステージ
生活感が見えるインターラプターステージ

ゲームの手触りの目線でも、ダメな3Dゲームによくあるような、どこに着地できるのか全然わからないなんてことが一切ないので、スタッフが視覚情報を大事にしていることがみて取れる。

音楽がいい!

マジで全曲イイ!
アクションゲームに求める爽快感と、ニンジャスレイヤーらしい近未来感が完全に一致したサウンドが最高にクール。これだけで遊ぶモチベーションが高まる。

ステージセレクトの曲すら哀愁がこもっていて良いので、プレイ時間のトロフィー獲得ついでにじっくり聴いてみるべし。
スタッフロールのコンポーザー名を検索してもそれらしい方が引っかからなかったので詳細希望!あとサントラ希望!

個人的には、ロックマンめいた疾走感のあるクラウドバスターステージ、スーパーのBGMみたいなイントロから一気にアクションゲームらしくアゲてくるアイアンヴァイスステージと、ギターソロとサイバーな音色でヨロシサン製薬の不気味な清潔感を表現したノトーリアスステージが好き。


ニンジャダッシュの爽快感!

ボタンを押すだけで、無敵でまっすぐかっ飛んでいって敵を打ち上げるニンジャダッシュは適当に出しているだけでも楽しい。
スティックを入れていると自由な方向に進めるが、スティックを入れていない場合、1番近い敵にホーミングするのも重要なポイント。
上方向に連発もできるので、『星のカービィ』のホバリングみたいにある程度地上をスルーしながら飛び回れるし、一部地形を飛び越えたショートカットも可能。時間短縮にも重要になってくる。
ただ、雑魚をスルーしすぎるとヒサツ・ゲージがたまらないので、そこは逃げるか戦うかバランスを取る必要がある。
戦闘用、移動用と汎用性が高いので、困ったらとにかく出してしまっていいだろう。

この爽快感は、ソニックシリーズのホーミングアタックや、本作の開発チームの前作である『olija』の投擲槍ワープを彷彿とさせる。

初見のボス戦がかなり難しいゲームだが、このニンジャダッシュを使ったヒットアンドアウェイと、通常攻撃との使い分けがわかってくるとグンと戦いが面白くなってくる。

ニンジャスレイヤーがイヤーッ!グワーッ!っていう!

このゲームが発売前に公開された公式動画では、なんとイヤグワがなかった!

「フッ!」「ウ゛ウッ」とか言ってるけど原作無視すぎるだろ!大丈夫か!?と一部で心配されていたが、製品版ではもちろんしっかり修正されている!

声優はこれまでのメディアで担当していた森川智之氏ではないが、今回のニンジャスレイヤー役の中山祥徳氏も、非常にハリがあるシャウトで違和感がないしめちゃくちゃにかっこいい。ツヨイスリケンの「ィイイイヤアアアァーーッ!!」シャウトはテンションが爆上がりするので必聴。


適度な難易度!

レトロなキャラゲーは1面から「これクリアさせる気無いだろ…」みたいなめちゃくちゃな難易度だったりするが、このゲームは最新ゲームなだけあって、簡単とは言えないが根気さえあれば誰でもクリアできる、ユーザーフレンドリーで適度な難易度になっている。

ここでロックマン式のステージセレクトシステムが活かされている。無理なボスがいたら他の倒せるボスを探せばいいし、ボスを倒したりアイテムを探せばニンジャスレイヤーの基礎パラメータが上がるので、回り道をしながら最終的に全ボスを倒す、ロックマンやエルデンリングとおなじ楽しさがある。

さらにナラク化という超チートモードがあるのでゴリ押しがききやすい。初心者にはゴリ押しが効くのが何より重要である。
これは前述したとおり死んだ瞬間一回だけ超パワーアップして生き返れるモード。
類似システムとしては『蒼き雷霆ガンヴォルト』シリーズの復活システムがあるが、そちらは100%発動ではなかったり、イベントで没収されたりするのに対して、こちらは100%発動するし、原作再現上盗られる心配もないので、ラスボス戦までずっと頼れるお供になる。というかラスボス戦で一番チート化する。

よほど2Dアクションのジャンル自体が無理という人でなければ、いつか必ずクリアはできるはずだろう。

アプデが早い!

初期バージョンには笑えないレベルの詰むバグがあったのだが、なんとsteam版では発売2日で修正された!これはスゴイ!
これだけでPCゲーマーとしてはスタッフのフットワークの軽さに信頼性が高まるというもの。


不満点

スリケン弱すぎ!

スリケンは遠距離攻撃として存在するが、自分で検証したところ通常攻撃の1/5しか火力がないことがわかったので、遠くの体力が少ない雑魚を潰すか、近くで壊すとダメージを食らうドラム缶オブジェの破壊以外に使い道がわからぬ!コンボの延長に使えるのかもしれないがそれはクリアランクにしか影響しないので、普通のプレイヤーには関係ない。
RTA勢が使い道を研究してくれるのだろうか…?

デフォで10発しか所持してない消耗品なのに、そんなにケチる理由もない謎アイテム。この弱さなら無限に撃ててもいいのでは…。
セガの『忍』シリーズのクナイは同じく消耗品で近接と同等の火力があったのに!

体力を1減らして使えるスリケン生成も、体力を削ってまでスリケンを出す意味が見出せないので現状ほぼ死に技。
体力を減らすのは、ニンジャスレイヤーの血からスリケンを精製している原作設定の再現と思われるが、あれも自傷しているわけではないんじゃ…。


敵がイヤーッ!グワーッ!って言わない!

ニンジャスレイヤーはボイスがあるのに、敵のボイスがないのはかなりさみしい。敵のセリフは全部文字だけ
低価格帯のゲームで台詞までフルボイスにしろとは言わないが、ニンジャスレイヤーといえば「イヤーッ!グワーッ!」「サヨナラ!」が代名詞になるわけで、敵が言わないのはかなり残念。
おかげでこちらの悲鳴ばかり聞こえるのに、敵の悲鳴は文字だけだから負け続けるとお前らも叫べよ!と思えてくる。
サヨナラに声がつけばボスを倒した時の達成感も跳ね上がっただろう。

(無声)

理想としては、アニメイシヨンでクローンヤクザ軍団が瞬殺されたとき、一斉に「「「「グワーッ!」」」」って叫ぶあれ!あれを自分の手でやりたかった!映像表現をゲームで体験したかった!

全キャラに別の声優をあてがうなんてのは予算的に無理だとしても、いくらでもやりようはあったと思う。スト2みたいに全員同じ声とか、少し前にバズってた社員声優とか…嫌?

ストーリーはしょりすぎ!

イベントの再現度が高いと書いたが、逆に再現していないところは本当に再現していない。イベントはステージ導入とボス前しかないので、ニンジャに勝ってからどうなったのかは一切不明。

ボス以外のキャラはナンシー=サンしか3Dモデルがなく、コミカライズレギュラーキャラのヤモト=サンやフォレスト・サワタリは存在すら不明。ナンシー=サンも本来喋るパートでもなぜかいなかったりする。
ファミコンのキャラゲーなら存在がオミットされていることに笑えたりするが、さすがに現代の原作再現ゲームでいないことに驚くとは思わなかった。
そりゃあ漫画を読めば全てわかるが、流石にぶん投げすぎ。
これならいっそイベントがなくてもよかったのでは…。

ステージの起伏がない!

どのステージも「駆け抜ける」→「道を塞ぐ敵を倒す」→「駆け抜ける」→「道を塞ぐ敵を倒す」の繰り返しで、ステージ内の起伏が感じられなかった。
ステージごとの専用ギミックは置いてあるものの、満遍なく散りばめられているのでどの仕掛けがステージの進行度のどの辺にあるのかが印象づかない。

このせいで、いまステージのどのあたりにいるのか非常にわかりづらくなっており、結果、死亡後リスポーン地点の中間ポイントもわからない
これがロックマンなら直前に中ボスがいたり、マリオなら旗があったりして一区切りがわかりやすくなっているものだが、このゲームにはそれがない。

限られた体力リソースで走り抜けるゲームなのに、いつステージが終わるのかわからないので不安なまま走り続けることになる。

まああんまりギミックを盛りすぎても『ロックマンX8』みたいに普通のステージがないゲームになってしまうので難しいんだろうが…。
ステージごとに山場になるポイントがないので、インパクトのある仕掛けがもっと欲しかった。


ステージの導線が微妙!

ステージを進む際、どっちに進めばいいのか分かりづらい!
例えばソニックブームステージ冒頭。

開幕いきなり壁に塞がれてしまう。
2Dアクション慣れしている人間なら「ここで壁キックすればいいんだな」とか「ただ右に進むだけじゃだめなのか」と感覚でわかるが、ニンジャスレイヤーのキャラゲーとしてだけ遊んでいる層には難しいだろう。
しかも、壁キックはチュートリアルに含まれていない。

ここ以外にも、降りるのか足場をわたるのか、右に行くのか左上に行くのか、一瞬では分かりづらい場所が多々あった。グネグネした屋内を走らされるアーソンステージやインターラプターステージなどが顕著。

例えばマリオなら正解のルートに誘導用コインが並べてあったり、露骨な矢印の看板があったりするものだが、このゲームにはそういうわかりやすい導線がない。それこそスリケンアイテムを並べるとかの対策が欲しかった。


被弾した演出がわかりづらい!

ニンジャスレイヤーはよほどの大ダメージ以外は常時スーパーアーマーで、他のアクションゲームのように仰け反ったり縮んだりしない。このときダメージを食らったかは、体力ゲージの減少と、ニンジャスレイヤーが光ったかどうか、時々叫ぶグワーッ!で見極めるしかない。
スーパーアーマーは敵の攻撃にひるまないので、立ち止まらずゴリ押しで走り抜けられる快適さにつながっているものの、ダメージを食らった実感がわかない欠点もあるのだ。

そして、ダメージを食らったあとの無敵時間が全然ない(多分0.2秒くらい)ので、多段攻撃を食らうと一瞬で体力が溶かされる。
このゲームはステージ道中何も考えずに突っ走っていると先制攻撃を食らうので、雑魚クローンヤクザ相手にさくさくと快適に駆け抜けていたと思ったのに気づいたら囲まれて死んでた、というケースが頻発する。

なにを食らったのかわからないのは、アクションゲームではかなりつらいところ。
リトライ後に次になにをすれば改善できるのか瞬時に分からないので、雑プレイになってまた同じところで死ぬのをくりかえしかねない。
さらに、上記に書いた中間ポイントがわからないのもここで響いてくる。リトライ後に今どこにいるかすぐわからないので、敵の配置を把握し直してルート構築するのが難しくなってしまっている。

これがボス戦になると、「攻撃してたのになんだか分からないうちにダメージを食らっててナラク化したのでゴリ押しで勝つ」パターンになりがち。ナラク化で勝てるのは良いところにも書いた点ではあるものの、慣れないうちはナラク化にならないとそもそも勝つ方法すらわからないだろう。

ちなみに体力が残りわずかになると「ナムサン!」とニンジャスレイヤーの頭上に表示されるのだが、専用ボイスもないし敵の台詞とかさなってよく見えなかったりするので、これの存在自体に気づくまで時間がかかった。

こっそりナムサン!


ボスへのダメージがわかりにくい!

ニンジャスレイヤーと雑魚は見たまんまの横向き体力ゲージがあるが、ボスの場合は専用のロウソクゲージになっている。
これの減り方が非常にわかりづらい。

下の赤いののこと

ダメージを与えるごとに、横に並んだロウソクが右から左へ順に消えていくのだが、このときロウソクが1本ずつ短くなって消えるアニメーション演出がある。
問題は、ロウソクのグラフィックが「最長」と「中間」しか無いのに、ニンジャスレイヤーの攻撃力はもっと細かい計算がされていること。
つまり、ロウソクからは「1」と「0.5」しか読み取れないのに、ニンジャスレイヤーの攻撃は「0.2」ダメージや「0.7」、「1.3」ダメージを与えているのだ(例えであって実際の計算は知りません)。

この結果どう見えてしまうかというと、論より証拠。

攻撃が当たっているのに全くロウソクが減らなかったり、半分しか減らないと思ったらいきなり1本減ったりするのがわかるだろう。

このせいで、当たっているのに減らないので無敵時間なのではないかと不安になるし(実際にアイアンヴァイス等は無敵技を使う)、せっかくヒサツワザを新しく手に入れても、実際の破壊力が視覚的によくわからないのでワクワク感がかなり減退する。

ロウソク体力ゲージは『源平討魔伝』という偉大なる前例があるんだし、そっちはもっと細かいアニメーションをしていたんだから全部パクっていいよ!

=SAN?

このゲームは徹底して「〇〇=サン」の英語表記が「〇〇=san」表記なんだけど、英語圏ではイコールじゃなくて「〇〇-san」表記では…。
オタクモードのニンジャスレイヤー英語版もそうだったし…。

とはいえ原作者監修だし意図的なのかもしれない。


感想

一周クリアまで2時間半ほど。

こういう例えは好きじゃないが、80〜90年代に出たキャラゲーだったら間違いなく名作として扱われたと思う。しかし令和発売のゲームとしては、細かい詰めの甘さがどうしても目につく。

文句は並べたものの、「原作そのままの絵柄」で「ネオサイタマを3D化」して「第1部のストーリーを完全再現」したゲーム化としてはオンリーワンでありナンバーワンであることは間違いない。『AREA4643』は原作再現じゃないし。
ここまで散々比較してきたロックマンシリーズと比べると『ロックマンX3』並みに面白かった(結構絶妙なとこをついてるとおもう)。

キャラゲーとしても人気キャラがいないとか敵のボイスが無いみたいな不満があるとはいえ、
キャラゲーに一番大事な、原作通りの世界で、原作のキャラクター本人を動かして遊べる、という点では100点満点のゲームといっていい。
とくに背景グラフィックとキャスティングや音楽のような、システムに関係ない部分は非の打ち所がない。原作への愛はしっかり込められているのがわかる。

しかし2Dアクションの快適さ視点で見ると、どうしても減点ポイントが多くなってしまう。とくにアクションゲーム慣れしていない人向けの配慮が今ひとつ見受けられない。キャラゲーなら被ダメージが半分になるみたいな雑なイージーモードがあっても誰も文句は言わないはず。
ニンジャスレイヤー読者は皆ハードゲーマーでしょ?みたいな偏見があるのかもしれないが、Twitterを見てきた限り意外とそうでもないし。

とはいえ、背景グラフィックのところでも書いた通り、地形判定が嘘をついたりしないし、ボスの攻撃でも亜空間な詐欺判定はほとんどなかった。効果音やエフェクトもダサかったり見にくかったりするのがほぼない。
そう、雑に作ったクソゲーではない。細部まで丁寧に作られたゲームであることは間違いないのだ。

それはよくわかるのだが、実際に触れてみると大味なプレイフィールに感じてしまうのは、上に書いたようないつのまにか食らって死んでたりとか、ボスのダメージがよくわからないとかの、直感的でない部分が積み重なった結果なので、初心者プレイヤー目線のテストプレイが足りていなかったのではないだろうか。

この価格帯には遊べるロックマンフォロワーの2Dアクションインディーズゲームは多々あるので、キャラゲーとはいえそれらを超える完成度を目指してほしかった。比較で褒めるのは嫌いだが、ゲームとしての快適さとストレスフリーさだけで言えば『AREA4643』が遥かに勝ると言わざるを得ない。

ここまで書いて思うのは、超ストイックなゲーム性なわりに、作り手側がユーザーにどう遊んでもらいたいのかが見えてこない点が問題な気がするので、いっそ公式がSランククリア動画とかあげたほうがいいんじゃないだろうか?
お手本があるだけで遊び方がわかってくるユーザーも多いだろう。

やりこむ時間が長くなるほど、被弾率を減らして上達が実感できる、アクションゲームならではの楽しみは確実に存在するので、繰り返し遊んで高ランクを目指すほどどんどん愛着が湧いてくるかもしれない。
一見さんお断りなところは、ある意味ニンジャスレイヤーのメディアミックスらしいかも……。

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