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喫した湯気のぼんやりの先の
この記事はみんなの北星アドベントカレンダー2023の17日目の記事です。
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紅茶が好きです。
甘いのも、苦いのも、ミルクが入るともっと好きです。
小さい頃に好きな絵本がありました。
ラクダに乗った人が砂漠を渡って紅茶を運ぶお話だったと思います。
ルピシアでクリスマス時期に売っていた、絵本とティーパックがセットになったものだった記憶があります。
ページをめくると1つティーパックが付いているのです。もちろん個包装ですよ。
とても好きだったのですが、古くなって捨ててしまって、調べてみても見つかりません。
今思えば、あの砂漠はシルクロードだったのかしら。
紅茶を入れるときのやかんから立ち上がる湯気が好きです。
熱いです、眼鏡も曇ります、手元が見えないのが危ないです。
小さいやかんがありました。
2リットルも入らないやかんで、実家の部屋にストーブを置いた時に使いました。
灯油ストーブで消火するとなかなかの臭いがする、部屋が暑くなるものだったと覚えています。
その上に置いたやかんでシュンシュン音を立てて、慌てて水を足しました。
今思えば、よく火事になりませんでした。
紅茶の飲んで緩む瞬間が好きです。
ぼんやりして、気が抜けて、深呼吸のような溜息です。
小さい休息です。
これからもう少し頑張らなきゃいけない時は大事な時間だと思いました。
紅茶を買う時は基本的にはリーフです。その方が扱いやすいのです。
お湯を沸かして、その間に茶葉をセットして一気に1リットル分入れます。
よくよく思えば、ポットで淹れるからティーパックが扱いにくいです。
ぼんやりする瞬間が好きです。
頭の中があっちへこっちへ、空想を練りながらふわふわと、そしてふっと現実に帰るのです。
小さい空虚なのかと思いました。
しなきゃいけないこと、やるべきこと、全てを置いておいてぼんやりとした薄曇りの世界でした。
取り留めのない言葉が浮かんで消えて雪のように消えたかと思えば氷のように残り続けました。
ふと温かいものが触りたくなりました。湯気が落ち着いて少し冷めた紅茶に口を付けました。
よくよくカレンダーを見ればクリスマスが近づいています。
キャロル、ジングルベル、カシュカシュ、今年のクリスマスのお供たち。
淹れれば湯気が立って、良い香りが立ち上がります。
今年もクリスマスがやってきました。
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他の人と合わせてエッセイなどにしようかと思ったのですが、エッセイなどを書くのが苦手なのと、私じゃなくても書けるよなという気持ちになったので、私にしか書けないテイスト(私の文章は私にしか書けないので)にしました。
自己主張はいつも通り強いですよ。
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