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髪を切った


2023年7月、私は約5年伸ばし続けた髪を切った。
5年も伸ばしていると腰までのロングヘアになった。
私の背中には当たっていなかった照りつける日差しは、美容院を出ると当たるようになっていた。

ずっとロングヘアだったので、切るときはすごく勇気がいるものだろうと思っていた。だって5年も連れ添った相棒、愛着も湧く。
だが、勢いであっという間に切ることを決めてしまったし、髪を切る時なんてほんとにあっけないものだった。

でも、そんなこと気にならないくらい私は「変化」を求めていたんだろうと思う。
割と全部が苦しくて、行動しないと沼にハマってしまいそうで、割とベタな理由で髪を切った。

1つめはヘアドネーションのため。
2つめは髪が長すぎて鬱陶しかったから。
3つめは彼氏と別れる決意を決めるため。

そういえば、前回髪を切ったのも失恋した時だったなとぼんやり思い出す。

全部全部、私の本心であるけど、彼氏との恋人関係からの「戦略的撤退」を選ぶのには(即決、即行動派の私から見ると)相当な時間と気持ちの揺れ動きがあってとっても苦しかった。それは、とても、苦しくて、苦しかった。

改善してほしいところを伝えたら、話し合いに応じてくれなかった。
なんなら、冷められてしまったのだ。
おかげで箱根に旅行に行ってもスマホばかり。
以前は前向きに考えてくれていた結婚も子どもを持つことにしても価値観の相違が大きくて、話し合いにも答えてくれないからその溝が大きく広がって私の努力では埋められなくなっていた。
これはもう、(好きだけど)耐えられない。申し訳ないけど、本当に。

決意をやっと決めることができて、LINEの返信速度に気持ちが表れてきた頃、狙ったように彼氏が優しくなった。会いたいとか楽しみとか言い出した。
ずるい。私がどれだけ悩んで悩んで悩んで悩んだのかわかっているのか。
優しくすれば、あなたを好きな私が戻ってきてくると思っているのだろうか。
随分と、舐められたものだな。


私はやっぱり、

きちんと話し合える人がいい。

清潔感を持った服を着てくれる人がいい。

デートの行き先を決めてくれる人がいい。

たくさん、たくさん、私を愛してくれる人がいい。

精神的年上の人がいい。

問題に対峙できる人がいい。

旅行とか一緒に共感し合える人がいい。

お箸の持ち方とか食事のマナーがしっかりしている人がいい。

でもそれは、とても悲しいけどあなたじゃないんだよ。
本当に悲しいけれど。

私は次に行くよ、一瞬でも私と結婚したいとか本気で思ってくれてありがとう。

さよなら



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