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24歳、難聴になった。 1

24歳の春。わたしは難聴であると言い渡された。

突然聞こえなくなったわけではなく、実は高校生の頃から不調は感じていた。

そもそも、皆さんは"耳が聞こえない"感覚がわかるだろうか。わたしは「耳が聞こえなくなる、難聴になる」とは"急に"そして"なんの音も"聞こえなくなるものだと思っていた。実際、突発性難聴の場合はそういう場合もあるそうだ。わたしの場合はだんだんと、気付かぬ間に、左の耳の聴力が下降していった。

イヤフォンが聞こえづらいな、と思っても音を上げると聞こえる。耳を澄ませると聞こえる。イヤフォンの故障かもしれないし、実際壊れていたこともある。だから、気づかなかった。いや、気づかないふりができた。

ここまで読んでいる方は、会社の健康診断は?と思われるかもしれない。実際、健康診断では聴力検査を行なっている。わたしの場合、低音域の難聴で健康診断で行われる聴力検査の音域より低いところが聞こえづらい。

診察に行ったのはひょんなことがきっかけだった。会社の先輩との雑談だ。ちょうど左隣に座る男の先輩。いつもわたしに「いつも話を聞いていない」と小言をこぼしていた。

まあ実際、注意をしていれば聞き取れるので聞いていないというのはあながち間違いではないのだが(笑)、ある日わたしは言い返した。

「なんか、高校生の頃から左耳が聞こえにくいんですよねぇ笑笑」

それを聞いた先輩は、明日にでも耳鼻科に行きなさいと言ってくれた。

聴力検査の結果、左耳40dB難聴。

え、マジで?と思った。そこまでひどいとは。

ちなみに40dB難聴は70代と同程度の聞こえ具合だそう。(とはいえ老年性難聴は高音域が、わたしは低音域が聞こえないので聞こえる音は違う)

医師からは聴力固定してるだろうし、もう何もできませんね。聴力落ちた理由はストレスですね。

で終わってしまった。なんの病気なのだろうか。

翌日、あまりにもショックで、しかも耳の奥まで痛み出してきた為、別の医院へ。

そこではオージオグラムと同時にティンパノメトリーの検査もしてくださり、以前、急性低音障害型感音難聴を発症、来院時にはもう聴力の固定がされており完治は難しいだろう。また、難聴の原因は内耳であると診断された。

看護師さんもお医者さんもめちゃくちゃいい方だったが検査の画面がめちゃくちゃ見えてしまっていて、しかも看護師さんが教えてくださってしまって(笑)ちゃんとした検査ができていない実感があった。

後日、ネットで調べた難聴専門医がいる医院へ行くことに。2件連続で急性低音障害型感音難聴と診断されているし、正しい聴力さえわかればと思い扉を叩いた。

聴力検査はやはり左は40dB難聴。しかし、これまでとは一転、内耳には問題がないかもしれないということになった。

ということはつまり急性低音障害型感音難聴ではないだろうということだ。

何度かその医院にかかり、CTも撮った。具体的なものは何も検出されなかったが、既往歴から「耳硬化症」かもしれないということで医科大に行くことになった。





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