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香水はどうやってできるのか

今回は、一般的に香水はどうやってつくられるのか、について書いていきたいと思います。

香水の主成分とは?

香水の主成分を香料やエッセンシャルオイルであると思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実は香水の主成分はエタノールです。現代の香水の大半はアルコールベースの香水となっており、香料とアルコールの比率でいくつかの名称に分類されています。香料の濃度が高いほど香りが長く続きやすくなります。

厳密な定義が決められているわけではないのですが、香料濃度の高い順に以下のような並びになります。
パルファム:濃度30%超。現代で販売されることはほぼない
オードパルファム:濃度10~20%。一般的な香水
オーデコロン:濃度5~10%、やや薄めの香水
オードトワレ:濃度5%前後、香水というよりボディミスト

いまの時代、パルファンと呼ばれる香水はもうほとんど存在しません。みなさんが想像するガラスのボトルに入った香水というよりも、アロマオイル、にイメージとしては近いかもしれません。一昔前には、トラディショナルな香水といえばパルファンだったようですが、使い勝手の悪さもあって、いまではオードパルファン以下の香水が主流となりました。

個人的な好みで言うと、やはりオードパルファンくらいの濃度の香りが好きです。薄い香りもTPOに応じては重宝するのですが、オードパルファンくらいの濃度でなければ表現できない重厚な香りも多く、またトップノートからラストノートまで、時間変化による香りの表情の違いを感じやすいのはオードパルファンかなと思っています。

何種類くらいの香料が入っているの?

人間が感じることができる匂い物質は、この世の中に40万種類ほど存在します。そのなかで、人間の生活に有効活用されているもの、つまり香料は6000種類以上、そして特によく使われる汎用的な香料は800種類程度であると言われています。

香水は、1種類の香料ではなく、複数の香料を組み合わせてつくられます。1つの香水ではどんなに少なくても10種類程度のベース香料が組み合わされてつくられますし、さらに言えば、ベース香料もまた数十種類の香料を組み合わされてつくられていたりするわけです。

したがって、何種類の香料をつかっているのか?という問いは、意外に答えにくいものでして、ベース香料基準で考えれば10数種類以上、だけどベース香料を構成する香料も考えるならば100種類を超える香料の組み合わせでできている、という少々複雑な回答になります。

香水の香り方について

最後に、知っている方も多いとは思いますが、香水の香り方、トップノート、ミドルノート、ラストノートについて説明したいと思います。

最初に用語の説明です。
トップノート:香水をつけた瞬間から10分ほど香る、1番最初の香り
ミドルノート:30分後~2時間ほど香る、2番目の香り
ラストノート:香水をつけて2時間ほど経ってから存在感を増す最後の香り

香水は、香り成分の分子量の大きさによって、揮発しやすいものと揮発しにくいものがあります。(厳密に分子量だけで決まるわけではないのですが、重い分子は最後まで残って、軽い分子はすぐに飛んで行ってしまう、みたいなイメージを持っていただければ。)

私たちが何気なく生活している中で、花や果物から自然と香ってくる匂い。これらはアルコールなど揮発しやすい物質の助けを借りなくても、勝手に香ってくる匂いですので、非常に飛んでいきやすい香りになります。ですので、香水で言うと基本的になじみ深いシトラスなどの香りは、トップノート~ミドルノートを中心に香ることになります。

ではどういった香りが最後まで残り続けるかというと、動物性の香料、それからコケや樹木、あるいはスパイスからとれる香料たちです。これらは、単体でよい香りがするというよりも、ずっしりと香水の土台になるような、そんな香料たちです。有名どころの香料で言うと、ムスクやアンバー、それからサンダルウッドやシダーウッドなどでしょうか。

これは非常に香りの不思議なところなのですが、例えばジャコウネコからとれるシベットはそれ単体ではまったく良い香りがしません。というかめちゃくちゃ臭いです。ブルーチーズと動物っぽい臭さが混じった匂いがします。しかし、このシベット少量とフローラルな香りを混ぜて使うと、フローラル単体ではくどいような甘さだった香りが、非常に洗練された素晴らしい香りに変化します。

こういった摩訶不思議な香りの変化の組み合わせを探しに探し、これこそが素晴らしい香りだと調香師たちが自信をもって発表しているのが、現在販売されている香水たちなのです。

実に奥深い香水の世界を、ぜひ今後も楽しんで頂けたらと思っています。


さて最後に、弊社サービスについての簡単なご紹介です。私は香りは、音楽や絵画と同じ、もしくはそれ以上に豊かな表現方法だと思っています。しかし、多くの日本人がつける香水は無難なものばかり・・。

そこで、香りが素晴らしい表現方法であることをもっともっとみなさんに知っていただきたい!!!という思いで、「大切な推しに、調香師監修のパーソナライズフレグランスを。」をコンセプトにしたサービスを立ち上げました。

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