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アニキの話

アニキは携帯を持っていなかった。

なのでアニキに会いたかったら
山に行って
「アニキー!」
と叫ぶ。

そうするとどこからか
藪の中から現れる。

現れない時は、いない。

アニキは木こりだったので
山で竹を取ったり

湖をみたりして暮らしてた。

僕はアニキに薪の割り方を教わったりしていた。

アニキは写真家でもあった。
朝の早い時間に湖や沼にいって
朝日が水面に伸びるのを撮ったり
白鳥を撮ったりしていた。

アニキの写真はいまでも
市の図書館に飾られている。

僕は「カメラマンは趣味なのか。
   それとも木こりが趣味なのか。
   それとも両方仕事なのか。」

と聞いた事がある。

アニキは天丼を食わしてくれたり
竹弓を作ってくれたり
神社の壊れた部分を直したり
茅の輪を作ったり
魚釣りを教えてくれたりしながら
こんな感じの事を言っていた。

人間がやることには
仕事と稼ぎがあるんだ。

生活をする為にお金を作るのか稼ぎで。

自分の使命をまっとうするのが仕事だ。

神様みたいなのがいるとしてさ
何をさせる為に
俺はここいるんだろう、
とか思うんだよ。

それに答えていくのが仕事だと思うな。
でもどれが仕事かわかんねえんだ。
だから全部一生懸命やってるよ。
おまえといるのが俺の仕事かも知れないしな。

コロナ禍の中
アニキは山の中で息を引き取っていた。

神様のようなものがいるとして
僕の仕事はなんだろうか。

今日を機嫌よく過ごしても
嫌な事を思い出しながら過ごしても
仕事をしてもサボっても1日は進む。

今日も一生懸命生きようと思いました。

今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。

このnoteは
MEIさん
西村正英さんの応援で書かれています。

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