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編集者さんと書き手のイメージのすり合わせ。 イラストレーターさんを決めるまで

シナリオ・センターのあらいかずきです。

『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』の発売から2週間弱、本書の特徴の一つがイラストと図解です。
今回は、イラストのテイストが決まるまでの右往左往を書いてみたいと思います。

お手元にない方は、試し読みページでイラストをご覧ください。イラストレーターオビワンさんのイラストが、とても素敵です!https://x.com/ob1toy

イラストレーターさんを決めるまでの流れ

まず、イラストレーターさんを決めるまでの流れを書いてみたいと思います。
イラストレーターさんを決めるためには、本の内容がある程度決まっていないとできません。
なので『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』の場合は、物語パートと1章の解説パートができた時点で、編集者の方とイメージのすり合わせをしていきました。

ちなみに、本書の執筆期間は1稿までが4ヵ月くらいだったので、全体構成を作ったのちに4つの物語パートを先に執筆して、その後解説パートを順次書くという流れでした。
そのため物語パートにあまり時間をかけられないので、2万字想定で2週間くらいで書きました。

物語パートと解説パートの雰囲気から、イラストのイメージをすり合わせる

『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』は、創作に悩める4人の登場人物の物語を軸にしています。そのため物語パートのイラストと、解説パートのイラストをイラストレーターの方にお願いする必要があります。

まずイラストレーターさんは、編集者さんが候補を3、4名出してくださいました。どの方も素敵なイラストを描かれているのですが、なんとなく私のイメージとはちょっと違う感じです。

その中から、「もしやってもらえるなこの方かな?」という方に打診をしてもらいましたが、スケジュールの都合でNGなってしまいました。

ということで、編集者さんが別の候補を3、4名出してくれました。1回目の候補出しの時点では、うまく言語化できませんでしたが、編集者さんの候補のイメージがちょっとライトノベルっぽいテイストでした。私としては、そこに違和感があったようです。私が編集者さんに送った、1月25日のメールの内容。

【対象とする子どものイメージ】
以下、私が物語つくりの講座で接する小・中学生から感じる14歳のイメージです
・ちょっとだけ、周りよりも大人びている
・自分に合うものが、子ども向けだとは思っていない
・かわいい感じよりも、センスのある感じに惹かれる
傾向を感じます。

「映像研には手を出すな!」に登場するような子たちで、
かつ「映像研には手を出すな!」が好きな子たちのような気がしています。
候補の方たちのイラストは素敵なんですが、
・どちらかというと、かわいいより
・書き手がわたし(おじさん)
・かつ、妖精のかずちゃんもおじさん
・男の登場人物の方が多い
ので、ちょっと私がイメージしているテイストと違う感じもします。

ここら辺は、お互いのイメージにずれがあるかもしれません。
私としては、かわいいよりも、もうちょっとセンスよりだといいのかな、
と思うのですがどうでしょうか。

1月25日の新井のメールより

ということで、私の方から話題書や書店などで目にするイラストを、いくつか上げさせていただきました。私があげた方々はどの方も売れっ子の方です。なので「その方がいい!」というよりも、「イメージしているテイストは、こちらです!」という感じで何人かお送りさせていただきました。

私の意を汲んで、新たな候補者を編集者さんが挙げてくれました。その中にいらっしゃったのが、本書のイラストを担当してくださったオビワンさんです! しかも編集者さんから頂いたリストの一番上にあったので、おそらく編集者さん的にも一押しだったのだと思います。
お互いのイメージが擦り合った瞬間です!

イラストレーターの候補、ありがとうございます!
第一希望は、おそらく同じだと思いますが、オビワンさんでお願いできればと思います。

理由としては、
太い線が多いと配色が鮮やかなので、表紙で目立ちそうな点、
中のイラストに関しても、登場人物を描き分けてくれそうな点、
レトロなタッチが、想定する読者層が好きそう
(今の中高生は、昭和レトロを可愛いと思うそうです)

2月13日の新井のメールより

ということで、イラストのテイストとイラストレーターさんのイメージをこんな感じで擦り合わせていきました。
最初はちょっぴり遠慮があったものの、ここら辺は妥協せずにすり合わせができてよかったです。

表紙や中の挿絵や図解についても、同じようにイメージのすり合わせをして、決定稿に至りました。
実用書だからわかりませんが、『シナリオ・センター式 物語のつくり方』にしても『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』にしても、本というのはみんなで創っていくという感じがすごくします。
シナリオ・センターのあらいでした。


書店で見かけたら、手にとってみてくださいませ!

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シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html