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暑くなる日々に要注意。スパイク・リー監督『ドゥ・ザ・ライト・シング』

暑い、とイライラする。けど、暑い夏こそKeep writing!

でも、これから暑い暑い8月を迎えるぼくらは、要注意。
なんせ、暑くてイライラしてくると、いままで蓋をされていた潜在的な問題があらわになるから。
そうスパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』は教えてくれます。

『ドゥ・ザ・ライト・シング』は、1989年に公開。この映画の根底には、アフリカ系アメリカ人の黒人に対する人種差別問題があるのだそう。

Amazonの作品レビューより
ブルックリンの黒人街スタイヴァサント。その日は、この夏一番暑い日であり、その下でさまざまな人々のドラマが繰り広げられていく。そして、やがて暑さに刺激されたかのように暴動が起き、いつしか街中を巻き込んでの騒動と化していく…。

今年5月に発生したジョージ・フロイド殺害事件を機に、世界的な動きに発展しているblack lives matter運動。

人種差別の問題は、ずっと根深い問題としてアメリカ社会にあるし、世界中どこにでもある。日本にもず~と昔からあるわけです。

で、そういった問題は、ふだんは目に見えないだけで、いや、目にしようとしないだけで、ぼくらの周りにはゴロゴロと転がっているはずなんです。

そして、暑さ=非日常が続くと、そういった問題が浮き彫りになってくるよ、と。『ドゥ・ザ・ライト・シング』の中では、黒人街にあるピザ屋の常連のバギン・アウトが、「壁に黒人の写真がないのはおかしい!」と怒り出します。いままでも、気になっていたはずなのに、急に言いだすわけです。

それに対してピザ屋を経営するイタリア人のサルは「俺の店だ!文句があるか」と、怒鳴り返します。

暑さが、みんなの感情をヒートアップしていくわけです。

非日常は、イライラを引き起こすスイッチになる

非日常が続くと、ぼくたちの気持ちはイライラしてきます。ほら、いまだって新型コロナ禍での日々が続き、どことなくみんなイライラしてませんか。

そしてこれから夏が来る。

コロナ禍の日々 × 暑さ

非日常 × 非日常

果たしてぼくらは、「ドゥ・ザ・ライト・シング」(正しい行い)をできるのかしら。

「ドゥ・ザ・ライト・シング」をするために必要なのは、感情に流されない冷静な判断。

では、冷静な判断をするためには?現実を生きつつ、外側から眺める作家の眼だと思うんです。

だって、映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』の中で、スパイク・リーは、俳優として、ピザ屋のアルバイトのムーキー役を演じながら、監督として外側から冷徹に物語を描いているわけです。

それはまるで、胡蝶の夢のよう。

ぼくらが気づいてない問題に気づくのも作家の眼なら、それをエンタテイメントの手法で紡ぎ、多くの人に気づかせるのも作家の眼なのだと思います。

コロナ禍の暑い夏ほど、keep writingなのではないでしょうか!


『ドゥ・ザ・ライト・シング』でサル役のダニー・アイロエさんは、『LEON』ではリトル・イタリーの中にあるイタリア料理屋の店主をやってます!プチ、発見。


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