ミミズに想いを馳せてみる

私たちが日常的な生活を営むとき「ミミズ」を漢字で書くことは皆無に等しいが、敢えて漢字に表すと《蚯蚓》となる。
難読漢字として出題される文字の一つだそうで、これはミミズが土の表面で動くとき、まるで丘のように体の一部を盛り上げたり、引っ張られるように体が伸びたりするさまから作られた漢字だという。
オモシロイ・・・習って私を漢字で表すと人偏に「酒」と「煙」となるのか?

また英語でのミミズの表記はアースワーム《Earthworm》とされ、直訳すると「地球の虫」 という何とも壮大な名称だ。
進化論で著名なダーウィンは、人生後半の約40年をミミズと土壌の研究に費やしており、 死の前年(1881年)には『ミミズの作用による腐植土の形成』(邦訳『ミミズと土[平凡社・1994年刊]』)を出版しているところから見て140年超も昔の話であり、西欧・欧米におけるミミズ研究の歴史は長い。
諸外国でミミズの活用が盛んなのに、日本ではミミズについての活用があまり行われないのか興味が沸いた。

妻と娘に"ミミズの印象”を尋ねると当然の如く『気持ち悪い』との返答が返ってくる。
私が十代の頃に短期でホームステイしたインディアナ州のホストファミリーの女の子が自宅の庭の芝生にミミズを見つけ、優しく摘みあげ草陰に戻した様子に出くわしたとき『(うわっ、よくミミズを素手で触れるな・・・)』と感じた当時の私と同じリアクションを思い出した。
そもそも西欧・欧米と日本との《ミミズ観》の相違があるのかもしれない。

そして日本の気候は大陸のそれと比べて多雨であるということがその特徴として挙げられ、ヨーロッパや北米に比して2~3倍の雨が降り、土壌の特性による《ミミズの価値観》の差異も大きいかもしれない。

今回の【ミミズ実験室】の場所として、80代になる叔母夫婦の自宅敷地内にある小さなビニールハウスをお貸しいただくことに快諾を得た。
ハウスの周囲には家庭菜園がなされてあり、ミミズの餌となるであろう葉物野菜の残渣も豊富だ。
聞くと2~30年前だったか、専業農家であった叔母たちもミミズ養殖に着目して県内の養殖事業者を訪ねたことがあったそうだが、結果、適切なミミズ育成管理のノウハウが乏しかった為に実現には至らなかったそう。

さてさてミミズの到着は、静かなワクワクを私にプレゼントしてくれた。

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