【ライブ日記】2021年5月21日「モラトリアムVol.1」

　東京に引っ越してきてから初めて渋谷に行った。やはり人が少ない。渋谷Milkywayも久しぶりだ。初めてアイドル現場で知り合いができた思い出の場所でもある。入場すると、初めて知り合いができたときのライブ後の飲み会にいたオタクの背中が見えて少し安心する。もう知り合ってから3～4年は経ったはずだ。お互い、なんだかんだと現場を変えながら、今もこうしてアイドルを見続けている。

　客と客との間隔が快適なMilkywayも久しぶりだった。平日なのでスーツ姿のオタクが目立つ一方、なぜか動物の被り物をしているオタクもいる。自分のお目当てのグループの出番が終わって後ろに下がってから、被り物の覗き穴を通してめちゃくちゃ見にくそうにしながらTwitterを見ていて、少しかわいかった。

　そうこうしているうちに、yumegiwa last girlの出番が回って来る。あくまで後方で生ぬるく見守るスタンスを維持しながら、さすがに三回目なので曲の区別がつき始め、さらには各メンバーの日ごとの違いみたいなものもかすかにではあるが知覚できるようになってきている。今日も夢際りんさんはよかったけど、まだまだ上手く捉えることができていなくて、とても嬉しくなった。

　チェキ会。この二ヶ月働いていないので極力ループしないようにしようと決めていたが、結局5周していた。どんなに回数を重ねても、アイドルとの会話が上手になることはない。そもそもあれは会話なのかも疑わしい。しかしというか、だからこそといか、話に詰まった自分からぽろっと出た言葉を後で振り返ってみて、なんだやっぱ俺はこう考えてだんだなと、思わぬ形で自分の本音を知れるときがあったりするのでチェキ会はやめられない。あれは、自分の欲望を掘り起こすためのレッスンみたなものだとおもう。

　帰り道、親しいオタクと喋りながら帰る。こういう新鮮な気持ちで現場に足を運ぶのがお互いに久しぶりかもしれないですね、と確認し合う。6月にはオフ会がある。定期公演もやることになった。この先どのライブに行こうかな…などと予定を考えるこの感じも久しぶりで、こうやって日々の時間の流れに奥行きを与えてくれることには、ただただ感謝するほかない。