楽に生きる2

無能な人間が無能だと受け入れて20年

ーーー心がぽっきり折れたと同時に、僕は無能なんだな・・・と受け入れた。

 既に40代の身であり後付けになってしまうが、振り返ってみるとそんなに悪いものではなかった。「人生はクソゲー」という人も多いが、現時点では、僕は幸せと楽しさを確かに感じているのである。

 自分が無能だということを自身で認めることは、案外難しいことなのかもしれない。しかし、一度認めてしまうと精神的には本当に楽になる。
 努力に対しての周囲の期待や自分自身への期待が低く見積もられるため、余計なプレッシャーにも晒されないし、失敗を恐れることよりも、失敗するのが当たり前になるので、失敗と向き合う機会が多くなり結果的に成長につながることもある。

 今まで頑張っていた部分を、無能さの脱却ではなく無能なままでも生きていける状況を作ることに向ける。
 そうは言っても難しいことをしているわけではなく、働く環境を変えるため、僕の場合は、都会から田舎街に引っ越した。そこに全く苦労が無かったわけではないが、心身共に疲弊してまで働いていた状況と比べたら雲泥の差で、心身共に健康でいられる環境になった。

 長々と書いてしまったが、転換期は、自分が無能だと認めたことに起因する。それがなければ、便利な都会から田舎に引っ越してまで、生活環境を一新するなんてことはなかっただろう。
 僕自身にしか当てはまらない思考や行動だったかもしれないが、無能さの脱却しか選択できないなんてことはなく、一つの選択肢として無能なまま生きるという選択があってもいいと考える。

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