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Scalesのものがたり料理教室

料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょっと特別な料理、またお酒のこと、テーブル…
Scalesの語り口で、素材の意外な組み合わせの発見、読んで美味しい、作って美味しい。 ワクワクす…
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2020年11月の記事一覧

音楽と料理

何を食べ、どこに住み、そしてどんな仕事をし、誰を愛すか。 ”ひと”を作り上げる数多の要素のひとつに「音楽」もあるように思う。 去年受けた雑誌の取材で「食事するとき、料理するとき音楽は聞きますか?」という質問があり、食事中は聞きませんが(流していても食べるのに夢中で耳に入らない)、料理や原稿を書いている時に聴くものは多少あります、と答えた。今日はそこを少し深掘りして、わたしのそばあった音楽を一部、わたしの私見たっっぷりに暑苦しく書いてみます。

ビーツと林檎と柘榴のシナモンコールスロー

なんだか朴訥な見た目だけれど、ひとたび包丁を入れたら、滴る血色にどきりとさせられる。赤色の野菜や果物は往々にして酸味を備えているのにビーツは別。こんなにも強い個性の中に、ほのかな甘み蓄えたやさしい味わいがすこし不思議。 ビーツも、柘榴(ザクロ)も今が旬。せっかく新鮮なのだから、そう、生のままいただきましょう。おなじ赤色に属する林檎にも参加してもらって、真っ赤な真っ赤なコールスローにまとめます。味わいはほんの少しシナモンを効かせましょう、ひとつまみのシナモンで鮮やかな赤色が、

オレンジとセロリのピクルス ディル風味

髪型もなんとなく決まらないし、傘も重たい。靴も雨専用のサイドゴアブーツにするから、予定していたパンツスタイルもワンピースに変えなくちゃ。 しばらく続いた天気の後に急に雨がくると、気持ちも少しだけ塞ぎがちになります。天気の日には感じない、ちいさな不自由と制限に。 でもそんな日にこそ、テーブルがぱっと華やかになる料理を作ろう。 オレンジとセロリのピクルス、ディル風味 オレンジのはっとするビビッド色にセロリの緑は、白い皿によく映えて、どんよりした気持ちを和らげてもくれる。なん

真っ赤なトマトのフレンチトースト

ーー 焼き立てのバゲットって食べたことある? まるで別物!信じられないくらい美味しいの。 ーー あるある!カイザーの店に行った時は、焼き立てに出くわす確率高いよね、少量ずつ何度も焼いているらしいから。僕は焼き立て買ったら我慢できずに熱いうちに歩きながらつまみ食いしてしまう、、ほんと焼き立てってだけで、どうしてあんなに美味しいんだろう? ーー そう!バゲットも鮮度が命みたいなところあるよね、でもやっぱり食べきれずに余ってしまうのよね。。何か美味しく料理する方法知ってる? ーー

茗荷と酒盗のパスタ

紫檀色(したんいろ)というのかな、きれいね。 茗荷の色は、なんとも高貴でうつくしい。 茗荷と酒盗のパスタ。旨味と塩気は、海の力をいっぱいに抱えた酒盗が頼もしく担ってくれる。 これは確かに和製のアンチョビ。そして立派な調味料としての称号もここに与えたい。そう、色々な料理に使えるから、酒の肴だけにしておくのはもったいない。 そんな茗荷と酒盗で、「あ、今夜は、かるく日本酒がのみたいな。」 そんな日にもぴったりのパスタを紹介しましょう。 (もちろんお酒なしでも美味しいですから下戸