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その勢いや、よし。

僕は老人ホームで働いている。

老人ホームというだけあって、
ご高齢の方ばかりおられる。

僕より多分、死に近い方々。

なんらかの理由で、
自宅で一人では生活できなくなった方々。


老人ホーム、というだけあって、
ホーム。家。

良くも悪くも、家。

あくまでも生活の場。
医療体制が整っているわけじゃない。


うちは看護師さんも日中しかいない。
うちで医療をになってくれているのは、
往診医になる。


生活上で医療的に困ったことがあると、
まず往診医に連絡する。

元々の病気の管理もそうだが、
突発的なお熱や怪我なども相談させてもらう。



相談させてもらうんだが、
そこは往診医も人。
相性がある。


こちらの話を聞いてくれる医師、
くれない医師。

偉そうな医師。
いや。偉いんですよ?
よっぽどの労力で
医師免許を取られてるわけだから。
それは事実。

でも医師も、
その方の生活を支えるチームの一員だから!
主役はその人だから!
医療は【生活】の一部だから!

そんな偉そうにすることないやろぉ!!


…すいません熱くなりました。
今日言いたいのはそういうことじゃなくて。






体調不良の方がいて。
ちょっと前から熱が出ては治まって、
送り返していた。

元々のご病気もあり、
そろそろ寿命なのかな、と考えていた。

でもご家族はまだ受け入れることができてなくて
ここでできる治療を…と望まれていた。



今日も熱が。

往診医に連絡。

前から抗生物質の内服は出ていたが、
なかなか落ち着かない。


このままでは、と
往診医から受診先を探すがこのご時世、
受け入れ先が見つからない。

じゃあ訪問看護で点滴を…
とってくれるステーションが見つからない。

ご家族は電話で涙ながらに、

「もう、やってやれることはないんでしょうか…」

と。




もどかしいなぁ…
と、悔しい思いをしていた。







すると、
玄関先に見たことある青い手術着…



「なんかねえ、もう、きちゃいました。」
と、往診医。



いやいや、彼女か。
#来ちゃった





「訪問看護さんも来れない、
受診もできないんだったら、
僕が点滴をします!」







すきーーーー!!





またむちゃくちゃ愛らしいのが、
ほんと勢いでこられたんだろう、

点滴をする時に必要な、
駆血帯とかテープとか物品の無いことないことw


ビニール紐で腕を縛り、
僕がテープを切って渡す、
はじめての共同作業をさせていただいた。




賛否両論あるかもしれませんが、
僕はこういうドクターが最高だと思います。





ちなみにその時うちの名物看護師さんは…
「もう無理!無理です!受診しましょう!」
と騒いでいたのは毎度の話。
#黙っとけ










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