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理想論


僕は老人ホームで働いている。


入居者さんたちの生活を、ちょっとでもマシにするために、日々つとめている。(自分ではそのつもり)


なにせ人相手、しかも高齢で、生活になんらかの障害がある方、つまり要介護認定を受けてる方しかいないわけで、

急に持病が悪化したり、転倒して骨折してしまわれ、入院だったり生活が激変してしまわれる方も多い。


今日の姿がずっと続くわけじゃない。

これは誰にだって言えることだけど、その、脆さがやっぱり若い人より、脆い。

だからちょっとでもマシにしようと、上を向いていないと、落ちていく。すごいスピードで。



自分がもう40近いので、若い職員さんをみて、何かに挑戦しよう、取り組もうとしている人をすごく応援したくなる。

すぐにできない理由を見つけて、歩みを止めてしまう人を見ると、悔しくなる。



『その人の毎日は、脆いんやで。』

『今やらんかったら、もう間に合わないかもしれないんやで。』


伝えていく。


何もしないで、ただ老いる、落ちていくのをみてるのが介護じゃない。


こうした方がいいかな、ああした方がいいかな、

考えよう。やろう。逃げるな。


何をやっても、結果とか寿命は決まってるのかも知れない。


でもたぶん、その人のことを思って行動したら、

だいたい笑ってくれるから。


笑ってくれるっていうだけで、

やる価値あるから。


理想論だけど、介護は理想がないと、ただ老いるのを待つだけのものになる。


ちょっとでもマシに。

一回でも笑わす。









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