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【goodな仲間 #6】渋谷区SDGs協会

【goodな仲間 #6】渋谷区SDGs協会


今回のgoodな仲間は、渋谷区SDGs協会さんです!
渋谷区のSDGs達成に向け、人・企業・団体がつながる拠点となることを目的として、様々な活動を行う渋谷区SDGs協会についてご紹介します。
団体の活動や、渋谷に対するご意見を、同協会で理事を務める佐々木つぐみさんに伺いました!


渋谷区SDGs協会について

(写真:渋谷区SDGs協会ロゴ)

佐々木さん:渋谷区SDGs協会は、名前から環境問題を解決しているというイメージを抱かれがちですが、実際には、”SDGsを推進したいと考えてはいるが、具体的に何をすれば良いか分からない”と感じている企業や団体と一緒に新しい取り組みを行うという形を取っています。

渋谷区SDGs協会は「子どもから子どもへ」をテーマに掲げ、協会に所属するキッズアンバサダーを中心に、SDGsワークショップ・SDGsへの取り組みに関する相談や連携事業の提案・実施等を行っています。

これらのSDGsに関する活動を通して、渋谷区SDGs協会は渋谷と企業の”つながり”や学生同士や学生から大人へ向けた”学びの場”を創出しています。

渋谷区SDGs協会さんの good history

・キッズアンバサダー就任

(左:いろはさん 右:さくとさん)

佐々木さん:現在キッズアンバサダーを務める、いろはさんとさくとさんが、環境問題に興味を持ったことがきっかけとなり、当時発足した渋谷区SDGs協会のキッズアンバサダーを務めることになりました。

夏休みの自由研究に向けて、海の環境を学ぶことができるイベントに子どもたちを連れて行ったのが、子どもたちとSDGsが出会ったきっかけです。イベント参加後、同学年の友達やさらに下の年の子たちも興味を持つような内容で自分たちが学んだSDGsについて伝えたいと考えるようになりました。そこで紙芝居×SDGsというアイデアが生まれたのです。

当時(2018年ごろ)、SDGsという言葉が世の中に浸透する前ということもあり、子どもに向けたSDGsに関するイベントがほとんど行われていませんでした。そのような状況でも、開催されているイベントには行こうと考え、大人ばかりの難しいイベントに子どもたちを連れていくことにしました。すると、そこにいる方たちは私が環境活動家かと思いきや、実は子どもたちが環境活動家であることを面白がってくれたのです。子どもたちも、紙芝居や壁新聞を使って楽しそうに発表していたことから、新しく設立する渋谷区SDGs協会のキッズアンバサダーとして声をかけていただいたんです。私達としても、紙芝居や壁新聞の発表を一般社団法人として活動できる場があるなら是非、ということでキッズアンバサダーの依頼を受けることにしました。実際に、数年前のSIW「SOCIAL INNOVATION WEEK」のイベントにて、渋谷区長や国連の方が登壇する合間に紙芝居を読んだのがキッズアンバサダーデビューのタイミングです。

このようにキッズアンバサダーが中心となって渋谷区SDGs協会で活動を行うことで、「子どもから子どもへ」という新しいイメージを構築することができました。

そこから、代官山の第一商業高校からキッズアンバサダーの登壇の依頼があり、子どもたちが紙芝居を読むと、誰1人として寝ることなく、むしろ興味を示しながら紙芝居を聞いている様子を見て、私は「あ、これだな」と確信しました。そこから学校への出張授業に取り掛かるようになりました。

・こども食堂創設

(渋谷区SDGs協会:こども食堂)

佐々木さん:渋谷区SDGs協会でのこども食堂を、渋谷センター街で始めました。
私自身、将来的にこども食堂をやりたいとずっと話していたんです。またその食堂は、”子どもが好きな時に食べに来られるご飯屋さん”のようなものにしたいと考えていました。そんな中、冷凍の宅配お弁当を定期的に届ける「三ツ星ファーム」さんから連絡を頂きました。内容は、三ツ星ファームさんが倉庫を移動するタイミングで、一時的に温度が上がってしまい販売ができなくなってしまった商品を提供したいとのことでした。本来なら破棄になる商品ですが、賞味期限的には問題ありません。そこで渋谷区SDGs協会さんで、何かご活用できませんかとお問い合わせをいただいて、「よし、じゃあこども食堂を開こう」と考えたのが1番初めのきっかけでした。

初めは、知り合いの方のビルの空きスペースをお借りしてこども食堂を行っていましたが、しっかりとした事務所として構えようということで、今はセンター街の「渋谷センタービル」のワンフロアで「Sponge」という学生達とつくるコミュニティスペースを作り開催しています。

・学生スタッフの増加と企業コラボの実現

佐々木さん:活動を通して出会った学生たちが、SIWに向けてもメインで運営をしてくれています。私がすぐに状況についていけないほど、学生の子達が中心となって進めています。

スタッフ:参加している学生はどの年代が多いのですか?

佐々木さん:当初は高校生が多かったのですが、1,2年が経過して今は大学生になっています。
そして、色んな企業の方や学校から、コラボしたいというお問い合わせを頂くようになりました。Googleで「渋谷 SDGs」と検索すると、一番初めにヒットするのが私たちの団体ということもあって、渋谷区SDGs協会のことを知ってもらえる機会が多くあります。

渋谷区SDGs協会さんが今後目指すこと

・さらなる学生の育成

佐々木さん:協会としては、学生と共生することを目指しています。学生を中心に、様々な企業の方とコラボする機会を増やしていきたいです。学生がやりたいと思っていることを実践しやすい機会を作り、渋谷の街で活躍する人材を育てたいと考えています。さらに渋谷区SDGs協会のパートナーや企業を増やしていき、学生達の活躍の場を開催したいと考えています。

渋谷区SDGs協会さんが考える"goodなshibuya"

渋谷のgoodなところは?

佐々木さん:1番わかりやすいものでいうと多様性です。ここまで多様性を実践しているのは渋谷だけなのではないかと肌で感じます。渋谷区長とお話しさせていただく機会が多いのですが、彼は飛び抜けて面白く、持ち寄った企画に対して「いいじゃん、面白いじゃん。」と言ってくださいます。

佐々木さん: 渋谷はただ多様性がある街というよりも、「多様性を受け入れてる街」という印象です。また、流行りを発信しやすいのも渋谷の良いところだと思います。都会に位置するため、「渋谷って住むところあるの?」という印象を持たれることが多いですが、笹塚や代々木八幡の方へ行くと下町もあります。きちんとしたコミュニティも存在していて、あたたかいところがたくさんあります。現在は都市開発が進み、若者の街というイメージではなくなってきています。ですが、一昔前のギャル文化や若者の街という印象のままでいてほしいと思います。

もっとgoodになるために…

佐々木さん:個人的には、他の街で活動されている方々との交流があまりないので、今後もう少し広げていけたらと考えています。交流を通して視野を広げたいし、渋谷だけで終わってはいけないと思うんです。

また、私個人としては別団体で「渋谷をつなげる30人」というものを進めています。これは、行政、企業、民間を繋げて、街を良くしていこうというものです。行政や渋谷区から出向している方、NPO団体の方や学生さんたちが集まって、渋谷について考え、プロジェクトを考案していきます。過去の大きな実績としては、落書き消しのCLEAN&ARTというプロジェクトがあります。CLEAN&ARTは、渋谷区とコラボして街の落書きを消し続けているチームです。たとえばMIYASHITA PARK横の駐車場にある落書きを消して、そのあとに壁画アートを描いてコーティングすることで再度落書きをされにくくする活動をしています。

佐々木さん:「渋谷をつなげる30人」で良いと思う点がコレクティブインパクトが実現できる点です。コレクティブインパクトとは、企業や行政、NPOがそれぞれの知識や技術を持ち寄ることで課題解決を図るという意味を指します。それぞれの機関がうまく連携できていないと、お互いの情報を集められなかったり、市民を巻き込んでの情報発信が出来なかったりします。

渋谷だけでなく全国で活動を行っており、全国の「つなげる30人」をつなげる組織として「一般社団法人つなげる30人」という団体があります。私もこの団体と連携し、渋谷区と協定を結んでいる佐世保の高校生を社会科見学の一環として渋谷を案内したこともあります。そこへ区長や様々なステークホルダーの方々をお呼びして、学生たちと質疑応答を行いました。これは、「つなげる30人」だからこそできたことだと思います。

【お知らせ】

・渋谷区SDGs協会 公式サイト
https://sdgs-shibuyaku.com/

・渋谷区SDGs協会 公式LINE
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=251qyggz

○渋谷区SDGs協会presents 渋谷センター街 こども食堂 
クリスマス特別企画 クリスマスパーティー
日程:12/21(木) 17:00〜19:00
場所:渋谷区宇田川町16-8 渋谷区センター街ビル6F 「Sponge」

▶参加申し込みフォームはこちら

佐々木さん:青山学院の学生の方も、ぜひこども食堂に遊びに来てほしいなと思います。ボランティアも常時募集しており、見学ももちろん可能です。ボランティアと言っても子どもたちとの交流がメインですので気軽に参加してみてください。

【さいごに】

近年、テレビやSNSを通じて「SDGs」という言葉を聞く機会は多くなってきています。しかし、具体的に何が問題なのか、自分には何ができるのかが曖昧でした。渋谷区SDGs協会さんの活動は、キッズアンバサダーの皆さんの言葉を通して、それらの問題意識を考えるきっかけを与えています。また、子どもたちから聞く言葉からこそ伝わる思いや願いがあるのです。

渋谷区SDGs協会さんの取り組みを伺うことで、「子どもから子どもへ」SDGsがさらに広がっていくことが、より良い社会の創出において大きな役割を果たしているということが分かりました。

渋谷は常に新しいものに溢れ、新しい出会いが多く生まれています。渋谷だからこそ、多様性が受け入れられる街として沢山の文化が広がっています。それは、子どもたちの言葉を柔軟に受け入れられる心の広さにも繋がっていくでしょう。


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