くろすけ永眠
僕にとって初めての後から来た家族。18年近くずっと実家に住んでいたわけだから、僕よりも長くこの家に住んでいた。
一緒に住んだのは最初の約3年と最後の3年くらいか。当たり前にいる存在というのはいなくなることで初めて、当たり前にいたのだということを知った。
温かさもなくなるし、柔らかさもなくなる。
徐々にいなくなる準備をしてくれるんじゃないか、なんていう甘い希望をこっそり抱いていたのだけれど。
現実というのはどうも残酷だ。
こんなふうに脚の上に乗るのも最後になってしまった。
覚悟しておけば何か違ったのかと言われればきっと何も違わない程度の想像力しかなくて、僕はいつだってこれでもかと寂しくなるんだ。
わからないから心が動くという。
だから命って美しいんだろう。
今日の朝、撫でておけばよかったなあ。なんて、よくある後悔を少し感じながら最後に少し冷たくなった肉球をぷにぷにと。
儚いね。
シバタタツヤ
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